いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
 通達、業界ニュース
 復興支援道路にCM方式を導入、受注者側の対応は
 

平成23年11月08日

 

 震災復興に伴い新規整備する三陸沿岸道など6路線について、工事の円滑化や品質の確保・向上を目的にCM方式が導入されるようです。これらの路線は、事業化から供用開始まで平均10年以上が予想され、これを加速させることを目的として、CM方式 の積極的な導入を検討しています。これらの路線については今後10年をめどに全線供用を目指していくようです。

 この考えは11月4日に開かれた社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会で、復興道路整備事業のスピードアップに向けた案として国交省が示したものです。

 これらの道路では事業エリアが広域にわたる上に分散し、整備が同時並行で進められることになります。そのためそれに関わる発注者や、調査・設計者、施工者 など非常に多くの方が一気に携わるため、これらの総括的な業務支援を行うコンストラクション・マネジャー(CMr)を配置するもので、発注者に対し、工程管理、品質管理・設計照査、安全管理、資機材調達などの面からCMrが事業マネジメントに積極的に関わり支援するものです。

 ここでCM方式をおさらいします。CM方式とは、「建設生産・管理システム」の一つであり、発注者の補助者・代行者であるCMR(コンストラクション・マネージャー)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部又は一部を行うものです。

 従来は一括発注方式が多用されており、施工に関するマネジメント業務は主に元請業者(総合工事業者)が担ってきました。CM方式の導入が進めば、発注者にとって建設生産・管理システムの選択肢が多くなる利点があります。CM方式は一括発注方式と比べると、発注者が抱えるリスクは大きくなるものの、コスト構成などの透明化が進むといわれています。

 では具体的に、CMRのマネジメント業務の主な内容はどんなものになるのでしょうか。設計段階、発注段階、施工段階に分ければ以下のようになります。

設計段階 @設計候補者の評価、A設計の検討支援、B設計VE、等
発注段階 @発注区分・発注方式の提案、A施工者の公募・評価、B工事価格算出の支援、C契約書類の作成・アドバイス、等
施工段階 @施工者間の調整、A工程計画の作成及び工程管理、B施工者が行う施工図のチェック、C施工者が行う品質管理のチェック、Dコスト管理、E発注者に対する工事経過報告、F文書管理、等

 一方CMRにはどんな資質・能力が必要なのでしょうか?

 大きく言えば2つ、CMRには、@発注者とCMRとの信頼関係、とA計者、施工者からの独立 が求められます。

 CM方式において、CMRは、発注者の補助者・代行者であり、発注者の利益を守ることが最大の任務であります。このため、発注者との信頼関係が大前提となり、CMRには高い倫理性が要求されます。またCMRは発注者の意図する品質、工期、コストを十分に理解し、発注者の立場に立って、設計者、施工者をコントロールする必要が生じる場合があります。その際には、CMRは、原則として、設計業者、施工業者から独立的な立場にあることが求められるのです。

 現状では、設計者や施工者がCMRの資質・能力を身に付け、CMRとして役割を担う場合が考えられますが、この場合、当該業者が、CMRとなるプロジェクトにおいて、当該プロジェクトに関する設計業務や施工業務も併せて担うことは原則として望ましくないとされています。

 CMRに要求される具体的能力は下記のような、専門性や経験に裏打ちされた高い能力が要求されます。ただしこれらの能力は個人が全て備えておく必要はなく、CMRがチームとして機能すればよいという考えです。

・設計・発注・施工についてマネジメントできる能力
・設計者の設計理念を理解する能力と設計図書の見直しができる能力
・工事種別に対する理解と望ましい発注区分を提案できる能力
・施工者からのクレームに対する対応能力
・発注者の要求する性能を満たす品質を確保しつつ工程・コストを調整する能力
・施工者の請求書の審査及び支払管理能力
・施工者が作成する施工図をチェックできる能力
・専門工事業の工事種別や業態、労務関係などに関する理解
・発注者へのレポーティングやドキュメンテーション能力
・建設産業に係る経営管理や工事に関する契約に関する実務能力
・災害、プロジェクトの変更、工期変化要因、コスト変化などのリスクをマネジメントする能力

 個人で対応するというよりは、1つの企業体で対応することが容易であると思われます。本職を専門とする企業体も生まれそうです。国交省ではCM方式の活用ガイドラインを公開しています。この機にダウンロードし、一度目を通しておきませんか?

○ CM方式活用ガイドライン (国交省ページに直リンク)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/const/sinko/kikaku/cm/cmguide1.htm


国交省/復興道路整備にCM導入検討/事業加速化、民間技術・ノウハウを活用   H23.11.07
 国土交通省は、東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方の太平洋側を中心に新規整備する三陸沿岸道など6路線(復興支援道路)について、工事の円滑化や品質の確保・向上を目的にCM方式を導入する検討に入った。同省の直轄道路事業では、事業化から供用開始まで平均10年以上を要しているため、これを加速させる施策の一つとしてCM方式を積極的に導入。6路線については今後10年をめどに全線供用を目指す。
 6路線の整備についてはこれから調査・設計、工事が本格化する。CM方式の導入は、4日に開かれた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会の基本政策部会で、復興道路整備事業のスピードアップに向けた案として同省が示した。被災地で計画されている三陸沿岸道路(登米〜釜石、釜石〜宮古、宮古〜八戸)、東北中央自動車道(相馬〜霊山)、東北横断自動車道釜石秋田線(釜石〜花巻)、宮古盛岡横断道路などの新規整備区間でCM方式の導入を検討する。
 事業エリアが広域にわたる上に分散し、整備が同時並行で進められることから、発注者や、調査・設計、施工を担う民間企業双方の業務支援を行うコンストラクション・マネジャー(CMr)を配置し、事業の円滑化を促す。発注者に対する支援は、設計審査、関係機関や工事間の調整、監督検査などが対象となる。設計・施工者に対しては工程管理、品質管理・設計照査、安全管理、資機材調達などの面からCMrが事業マネジメントに積極的に関わる。CMrには第三者技術者としての役割を持たせることも検討している。CM導入によって工程管理を厳格化し、進ちょく状況や完成時期などを定期的に公表していく方針だ。
 国交省が直轄国道の改築事業(248区間)を対象に06〜10年度の5カ年の進ちょく動向を調査した結果、事業化から供用開始までの平均期間は14・4年(平均供用延長4・7キロ、平均総事業費249億円)だった。このうち調査・設計に要する期間は6・4年、工事期間は8・0年となっている。道路事業が長期化している現状について同省は完成目標時期や進ちょく度合いの公表・周知が不十分だとし、沿線の街づくりや工場・商業施設の誘致、地域住民の新たな生活設計などに支障を来すといった点も問題視している。

(日刊建設工業新聞)

 

 
 


Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.