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 シリーズコラム 「ドローン」 
【第3回】 改正航空法による新たな飛行ルール
 

 安全保障関連法案の成立に湧いた先の国会で、改正航空法が衆参両院とも全会一致で可決され、平成27年9月4日に成立、9月11日に公布されました。今回の改正航空法では、これまで規制のなかったドローンの飛行ルールを定めるものとなっています。現在、国土交通省では航空法施行規則の改正作業が進められており、改正航空法と併せて今年12月の施行が予定されています。そこで今回は、改正航空法による新たな飛行ルールを紹介します。

(1)改正航空法の概要
 平成27年9月に航空法の一部が改正され、無人航空機の飛行ルールが新たに導入されることとなりました。これまでの航空法は「有人」の航空機のみを対象としたものでありましたが、今回の改正で無人航空機の定義が明確にされるとともに、無人航空機に対する飛行ルールが定められることとなりました。
 対象となるのは、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」です。ドローンのみならず大型のラジコンも対象となります。

以下に規制の概要を示します。

(1)無人航空機の飛行にあたり許可を必要とする空域【禁止空域】
 @空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域
 A人又は家屋の密集している地域の上空
 (上記禁止空域を飛行させるには、国土交通大臣の許可が必要)

(2)無人航空機の飛行の方法【飛行ルール】
 @日中に飛行させること
 A目視範囲内で無人航空機とその周辺を常時監視して飛行させること
 B人又は建物、自動車などの物件との間に距離を保って飛行させること
 C祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
 D爆発物など危険物を輸送しないこと
 E無人航空機から物を投下しないこと
 (上記ルールによらない場合には、国土交通大臣の承認を受ける必要がある)

(3)その他
 @事故や災害時の公共機関等による捜索・救助等の場合は、(1)(2)を適用除外とする。


国土交通省航空法概要資料より引用 http://www.mlit.go.jp/common/001104743.pdf


(2)改正航空法施行規則案
 国土交通省では今回の航空法改正に伴い、航空法施行規則の改正作業も急ピッチで進めています。平成27年9月に発表された航空法施行規則改正案(平成27年10月15日までパブリックコメント募集)より、気になるポイントを紹介します。

1)対象となる無人航空機の重量は?
 200g未満が対象外とされます。したがって、ホビー用途の大型ラジコンも対象となるようです。

2)飛行を禁止する“人又は家屋の密集している地域”の定義は?
 人又は家屋の密集している地域は、“国勢調査の結果による人口集中地区(DID)”となる見込みです。東京23区の大部分、地方都市でも主要部は該当します。参考に、金沢市中心部の人工集中地区を確認してみました。都市部で使用する場合には、事前の申請が必須となりそうです。

地図による小地域分析(jSTATMAP) https://jstatmap.e-stat.go.jp/gis/nstac/
地図による小地域分析「jSTATMAP」(独立行政法人 統計センター) https://jstatmap.e-stat.go.jp/gis/nstac/


3)飛行高度の制限は?
 地表及び水面から150m以上の高さは禁止区域となるようです。また、【飛行ルール】「B人又は建物、自動車などの物件との間に距離を保って飛行させること」に関して、確保する距離は30mと定められるようです。

4)申請・許可はどうなる?
 【禁止区域】の飛行や、【飛行ルール】によらない飛行の場合、国土交通大臣への申請が必要となります。許可・承認における機体機能及び性能、操縦者の飛行経験・技能等、安全確保のための対策の基準が明らかにされました。これにより、改正航空法に適合した機種の開発・整備が進むものと思われます。

 改定航空法施行規則は、平成27年11月上旬公布、12月上旬施行が予定されています。業務においてドローンを活用している方は、正式に公布される改正施行規則を注視しておく必要がありますね。
 今後、ドローンを飛行する際には、申請作業が必要となる場合があるわけですが、一方では国の許可・承認を受けた上で安全に飛行することができるようになるとも言えます。筆者も、誰の許可で飛ばしているのか・・・等々、地元住民の方から説明を求められた経験があります。業務で利用する私たちにとっては、仕事を進めやすくなる部分もあるのではと思います。

【参考URL】 国土交通省 無人航空機(ドローン・ラジコン等)の飛行ルール
       http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

(3)安全飛行にむけた業界の取り組み
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、無人航空機システム(UAS)の、民政分野における積極的な利活用を推進するとともに、UASの応用技術の研究開発、安全ルールの研究、人材育成、環境整備等を目的として設立された非営利・中立の立場の団体です。

 JUIDAでは、平成27年8月に改定航空法を踏まえた「無人航空機の安全に関する指針」を公開しています。
 また、平成27年9月にはドローン専用の飛行支援地図サービスの共同開発に着手したことを発表しました。このドローン専用地図サービスは、空港周辺や人口密集などの飛行許可・申請が必要な空域や飛行が禁止される国の重要施設等最新情報を収録するほか、飛行許可申請に必要な情報の提供も予定されています。

【参考URL】 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
       http://uas-japan.org/

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