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 シリーズコラム 「土木技術者GIS入門中 −簡単なGIS機能を活用することで日々の業務を効率UP−」 
【第4回】 国土地理院基盤地図情報を使ってみよう!
 

 国土地理院が整備する基盤地図情報は無償でダウンロードし利用することができます。 GISの背景図や解析データとして利用することもでき、大変重宝するデータです。 最近のCADソフトやGISソフト、解析系ソフトでは、基盤地図情報を簡単に取り込む機能がオプションとして用意されることも多く、非常に利用しやすくなってきました。
 GISや三次元データに携わる技術者にとっては、なじみ深い基盤地図情報ですが、一般の土木技術者にとっては、まだまだ身近なものとはなっていないのではと思います。 あるいは、基盤地図情報はご存じでも、GISが得意な若手に、データ変換は任せているという方もおられるのではないでしょうか。
 そこで、今回は“基盤地図情報”にスポットをあてて、その概要と、CADへの変換方法を紹介していきます。

−基盤地図情報とは−
 “基盤地図情報”は、平成19年に成立された地理空間情報活用推進基本法で規定された、電子地図における位置の基準となる情報です。 平成19年以後、国土地理院が中心となって整備が進められており、整備された基盤地図情報はインターネットで無償で提供されています。 基盤地図情報と位置が同じ地理空間情報で、国や地方公共団体、民間事業者が様々なデータを整備・公開することで、異なるソースのデータであっても正しくつなぎあわせたり、重ね合わせたりすることができます。 近年では、国や地方公共団体による様々なGISデータの公開も進んでおり、基盤地図情報と重ね合わせたデータの二次利用が容易となっています。

 国土地理院が無償提供する基盤地図情報は、下記のサイトで無償でダウンロードすることが可能です。

▽基盤地図情報ダウンロードサービス(国土地理院)
http://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php

 提供される基盤地図情報には、(1)基本項目、(2)数値標高モデル、(3)ジオイド・モデルの3種類があります。 このうち、利用頻度の多い(1)基本項目および(2)数値標高モデルについて紹介します。

(1)基盤地図情報−基本項目
 基本地図情報では下図のように13の項目を整備することと定められています。 このうち、現在ダウンロードで提供されるデータは、河川堤防の表法肩の法線、公共施設の境界線(道路区域界)、公共施設の境界線(河川区域界)の3項目を除いた、10項目となります。

国土地理院HPより抜粋

 データの精度は、都市計画区域では縮尺1/2,500相当、都市計画区域外では縮尺1/25,000相当となっており、それらがシームレスに連続したデータとなっているのがポイントです。

  都市計画区域内 都市計画区域外
平面位置の誤差 2.5メートル以内 25メートル以内
高さの誤差 1.0メートル以内 5.0メートル以内

 基本項目のデータは、変換すればCADで扱うことが可能です。ベクタデータのため、CAD上で編集も可能です。調査結果の背景図や案内図に活用できます。

 
国土地理院:基盤地図情報ビューワーでの表示例(基本項目)

(2)基盤地図情報−数値標高モデル
 標高点の取得密度の細かさによって、10mメッシュ(標高)、5mメッシュ(標高)の2種類があります。 10mメッシュ(標高)は全国全ての地域が提供されているのに対し、5mメッシュ(標高)は、都市圏や一級河川流域の特定領域のみ提供されている。 また、航空レーザー測量により作成された5mメッシュ(標高)は、水域の高さデータをもっていない特徴があります。

 国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)の特徴
種類 作成方法
10m
メッシュ
火山基本図の等高線データを基に作成した全国の主な火山の周辺のデータと、1/25,000地形図の等高線データ等を基に作成した全国のデータを提供
5m
メッシュ
航空レーザ測量を基に作成した主に大都市圏、河川流域等を対象として作成したデータと、写真測量を基に作成した主に全国の都市計画区域のうち線引き区域(市街化区域、市街化調整区域)を対象として作成したデータを提供

 基盤地図情報(数値標高モデル)の詳細
種類 作成方法 主な整備範囲 精度
水平 高さ
10m
メッシュ
火山基本図
の等高線
基本測量 26火山のみ 基図による 2.5m
地形図
の等高線
全国 基図による 5m
5m
メッシュ
航空レーザ
測量
基本測量 都市域等 1m 0.3m
公共測量 河川流域等 1m 0.3m
写真測量 基本測量 都市域周辺等 1m 0.7m

10mメッシュと5mメッシュの比較
10mメッシュ(標高) 5mメッシュ(標高)
(5mメッシュの濃い青の部分はNodataとなっている)


国土地理院:基盤地図情報ビューワーでの表示例(10mメッシュ標高)

−基盤地図情報ビューワーによる変換−
 国土地理院では基盤地図情報をダウンロードして閲覧、変換するソフトウエアとして、“基盤地図情報ビューワー”を無償で公開しております。 基盤地図情報 ダウンロードサービスのページからダウンロードすることができます。
 基盤地図情報ビューワーでは、ダウンロードしたデータを閲覧するだけでなく、GISやCADデータへエクスポートする機能があります。

 変換可能なデータ形式
基本項目 拡張DM
シェープファイル
GML(基盤地図仕様)ファイル
SXF(SFC)ファイル
標高メッシュ シェープファイル

 ここでは、基本項目をSXF(SFC)ファイルに変換する手順を紹介します。

@基本項目のダウンロード
 基盤地図情報 ダウンロードサービスのページで基盤地図情報-基本項目のダウンロードに進みます。 地図から取得したい二次メッシュ選択すると、ダウンロードファイルリストが表示されます。 【全てチェック】→【まとめてダウンロード】をクリックすれば、”PackDLMap.zip“というファイルがダウンロードされます。 ダウンロードの際には、ユーザー登録、ログインが必要となります。
 なお、ダウンロードしたzipファイルは、解凍する必要はありません。

A基盤地図情報ビューワーの起動とデータの読み込み
 基盤地図情報ビューワーを起動します。【新規ファイル】を選択し、先ほどダウンロードしたファイル” PackDLMap.zip“を追加します。

Bデータ変換
 次にCADデータへの変換を行います。【エクスポート】-【エクスポート】を選択します。 変換種別を【SXF(SFC)ファイル】とします。 変換する領域は、【現在表示されている要素のみ出力】とすれば、表示範囲のデータが一括してSFCファイルに変換されます。

 変換したデータを確認すると、項目ごとにレイヤー分けがなされたCADデータとなっています。 変換範囲が広域の場合(たとえば都道府県単位)にはファイル容量が非常に大きくなります。 項目ごとに変換を行うか、領域ごとに変換するといった工夫が必要です。


CAD変換した基盤地図情報-基本項目の表示例

−地理院標準地図との重ね合わせ−
 下図ではGISソフトにて、基盤地図情報-基本項目データと地理院標準地図(地理院タイル)を重ね合わせた結果です。 両者はほぼぴったり一致しており、これが同一基準で作成された基盤地図情報の強みです。
 例えば、基盤地図情報からCADデータに変換し、CADデータ上でデータの追記や修正を行います。 この新たに作成したデータを、地理院地図と重ね合わせれば、位置座標が一致することとなります。 一般にGISソフトは、CADのような高度な作図編集作業は苦手です。 編集はCADで行い、これをGISに返すことでデータ作成の効率化が図れることがあります。


“基盤地図情報-基本項目”と“地理院タイル(標準地図)”の重ね合わせ例

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