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 シリーズコラム 「よろずIT・ネットワーク情報」 
【第2回】 ベトナムモバイル通信体験記
 

 今回は、2年前から国際協力事業でベトナムに10回程度行っている筆者が体験した、ベトナムのモバイル通信やインターネット環境、WIFI環境等についてお送りいたします。

 まず、国際協力事業での私の役割の一つは、南北に細長いベトナムのちょうど真ん中にあるダナン市近郊の山の中から北の端にあるハノイの国立の研究所まで、モニタリング収集したデータを伝送するというミッションでした。

 現地調査へ赴く前に日本で行う必要がある作業は、「ベトナムのモバイル通信環境の調査を可能な限り調べまくる」ということでした。
なにせその時点で現地から得られる情報は、「「viettel」という携帯電話会社の電話は通じ、ほかの携帯電話会社は通じない」という情報だけでした。
そのため、現地で通信テストを行なおうとしても、どうしたら良いのか皆目見当もつかなかったのです。

 現地調査に行く前に「ベトナム」、「インターネット」、「モバイル」等のキーワードを組み合わせWEB検索を行ってみると、おおよそ次のようなことがわかりました。

(1)ベトナムではモバイル通信で3つの大手キャリア(viettel,mobifone,vinaphone)がある。
(注:発音)
・viettel:ビッテル
・mobifone:モビフォン
・vinaphone:ビナフォン

(2)ベトナムのモバイル通信は4Gではなく3Gである。
(注:4G,3G)
ここでいう4Gとは日本でいうLTE等の第4世代通信のことです。
つまり、この時点でのベトナムは、LTEはまだサービスしていない状態でした。

(3)ほとんどの人がSIMを買って、チャージカードで料金を払って使用している。
 これだけの情報がわかった時点で、今度は現地へ持参する現地SIMカードを使用できる通信端末や、ルータに差し込んで使用可能な通信用USBドングルが必要なのでそれらが入手可能かを調べ始めました。

 通信端末(スマートフォン)の方は、最近日本でも「SIMフリースマホ」としてWEBの通販等で多く見かけるようになってきたので調べてすぐに入手できました。ところがルータに挿入するタイプの通信用3Gドングルの方は、日本のどのルータメーカに問い合わせても「ベトナム」では実績がないということで相手にされませんでした。 途方に暮れて検索を続けているとYAMAHAのルータがマレーシアとタイで販売されていることを知ったので再度メーカーに問い合わせたところ、「現地保障はできないが、タイで使用しているドングルが使えそうだ」という返答を得ました。 さらにタイ用のドングルのドライバーを提供してもらい、タイからそのドングルを取り寄せ、現地テストに出向くことになりました。

 現地調査の為ダナンの空港に降り立ち、早速「Viettel」の看板のあるSIMを販売しているショップへ出向き、1か月のデータ通信契約で25万ドン(約1250円)を払いSIMを購入しました。 あとで分かったのですが、空港でSIMを買うとだいたい25万ドン以上の値段を吹っかけられますが、市内の携帯電話ショップだとSIM単体で5万ドン(約250円)、チャージカードが(5〜10万ドン(250〜500円)程度であとは自分で設定すれば1週間程度は十分データ通信と電話がかけられることがわかりました。
 しかし、市内の携帯電話ショップを探すのが面倒な人は、多少高くても空港でチャージ料込みのSIMを購入したほうが簡単だと思います。 但し実際にSIMが正常動作することは必ず確かめてから料金を払って下さい。


ViettelのSIMカードとチャージカード

 あと、ベトナムの通信事情とは直接は関係ありませんが、最近日本国内で普及してきた「050plus」というスマートフォン向けIP電話サービスがあるのですが、これが海外から日本へ電話する場合、1分間(8円〜16円)程度でかけられますので通常料金の10分の1以下で済みますから月額基本料金300円を払っても大変安価でお薦めです。 私は最初にベトナムへ赴く前にこの「050plus」には加入しておりました。

 そんな事前準備を行い、SIMフリースマホ、ルータ、ルータ用タイ国内向けUSB通信ドングル、VIETTEL用SIM,大容量バッテリー(100W未満)を持参し、いざダナンの近郊の山奥に入り、バッテリー駆動のルータの電源を投入して日本とのインターネット経由VPN通信を試みてみました。ところがスマホの方は何の問題もなく通じるのに、ルータのほうは一向にエラーランプがつきっぱなしで日本に繋がるどころか現地プロバイダにも繋がらない状態でした。途方に暮れてルータメーカーのYAMAHAの技術担当に山中からメールしたところ、ちょうどマレーシアに出張中ということで、翌朝までには障害ログをチェックして頂き、修正したドライバをマレーシアから返信してくれました。翌日2度目のテストで再度、日本へのVPN通信を山中から試みた結果、通信スピードは700Kbps程度で見事にVPN通信に成功し、実用に耐えられるレベルであることが実証できました。迅速な対応で緊急修正をして頂いたYAMAHAの技術担当様には非常に感謝しております。

 その後、翌年には通信設備の現地インストールの作業となったのですが、この際も1.2KM程度離れた2地点をソーラーパネルで電源供給し、無線LANでブリッジ接続するというミッションが課せられたので、これもまた現地及び日本のメーカーに問い合わせて対応機器を問い合わせたのですが、特に日本のメーカーは「インストール場所がベトナム」と言ったとたんに「ベトナムには対応していません」という返答がほとんどで、現地業者も機器単体では販売できないという返答でした。 しょうがないのでこのケースもインターネットを調べ尽くし、米国製の低消費電力でかつ長距離通信可能なWIFIブリッジを輸入し、自社テスト後に現地インストールすることになりました。
 ところがこの米国製のWIFIブリッジが思わぬ災難を招きいれました。 事前にベトナムの国内の電波法の最大出力が200mWであることを確認して輸出したのですが、なぜか80mW以上はダメということでまず税関で引っかかり、ハノイの国立の研究所に別の申請を出してもらい税関はなんとか抜けたのですが、今度はインストールする場所がダナン近郊のハイバンという場所で軍事上の重要拠点ということで、その筋からの取り調べを受ける羽目になったのです。
 わざわざ500Km程度離れたハノイからダナンまで軍服を着た検査官と女性の技官が検査室にやってきて、通訳を介して「この機械がどういうソフトウェアでどのような機器と接続され、何の目的で使用されるのかを実演しなさい」と指示されたので、私は機器配線図を見せた後、モニタリングで使用されるソフトのインストールプログラムを立ち上げ、英語で「WIFIブリッジは2地点をLANで繋ぎ、データを転送するために使用します。現在この場所には現地で接続予定の接続機器はないので、実際のデータ転送は残念ながらお見せすることはできません。」と説明すると、その軍服を着た検査官は女性の技官に「こんなケースは前にもあったのか?」とベトナム後で質問し、その女性の技官は「ええ、ありました。」と答えたように思いました。 (あくまでも私の想像です)その後、その検査官はそれまでの堅い表情から一転、ニッコリと笑ったので私も「今がチャンス」と握手を求め、最後は「サンキューソーマッチ!」でめでたく設置許可が下りました。
 このあと、ハノイの国立研究所に出向きViettelの専用線インターネット契約のフランス製モデムに日本から持ち込んだYAMAHAのルータを接続し、無事(ダナン−ハノイー日本間)のVPN接続に成功し、現地機器のリモート操作も日本から遠隔で可能になりました。

 現在このプロジェクトは最終段階にさしかかり、苦労して設置したルータや他の通信設備、モニタリングソフトウェア、ソーラ電源供給システム、WEBシステムも順調に稼働しており、もうすぐプロジェクトホームページも一般公開する予定です。


トータルステーション小屋


ボーリングサイト小屋


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