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知取気亭主人の四方山話
 

『成人式は必用?』

 

2015年1月14日

三連休の中日となった11日の日曜日、町会の新年会に出席してきた。何年振りだろう。随分長い間出席していなかったが、お隣が町会長をやっていることと、「出席者が少ないから是非一緒に出て!」というSOSがお向かいさんからあり、家内と二人で出席してきた。「最近、新年会に出席する人が随分と少ない」と聞いてはいたが、ホテルからの送迎用マイクロバスに乗り込み驚いた。小さなマイクロバスなのに空席が目立つのだ。「でも別車で行く人もいるのかも知れないな」と淡い期待を抱いていたのだが、会場に着いて3つしかない円卓を見た瞬間、それは見事に裏切られてしまった。1つの円卓に並べられた椅子は、目で数えられるほど少ないのだ。

我々の町会は170世帯、467人もいるのに、出席者は20人にも満たない寂しい新年会だ。町会長、副会長、会計、庶務の四役の御夫婦と子供が3人、次期役員が1人の町会役員関係者だけで計12人、それに我々夫婦と老人の男女5人の、総勢19人の新年会だ。今から20年ほど前に私が役員をやっていた時とはえらい違いだ。あの頃は、確か50人近くは出席していた筈だ。人数もそうだが、3分の2以上が役員関係者とは、何とも寂しい限りである。

3.11以降「絆」が叫ばれているが、今年の新年会を見る限り、我が町会の「絆」は心許ない限りだ。久しぶりに出席した私が言うのも何だが、こんな状態では、万が一の時の助け合いは大丈夫なのだろうか。心配だ。ただ、皆がこぞって参加する祭りの様なイベントが在れば地域の「絆」は保たれるが、高齢化が進む団地ではそれも難しいのが実情だ。私が役員だったころやっていた近くの神社の秋祭りや春祭りへの参加も、今は全くやらなくなってしまった。「時代が違う」と言ってしまえばそれまでだが、地域の絆はそんなものではないと思うのだが…。

そんな我が町会の新年会と対極をなすのが、11日、12日の両日に日本各地で行われた成人式だ。その様子がテレビニュースで放映されていたが、画面から流れてくる成人式は、どこもかしこも華やかで大盛況だ。羨ましい限りである。一時問題となった荒れた成人式も影を潜めたらしく、華美になってはいるものの、整然と行われているところが多かったらしい。「やれやれこれで昔と同じ様な成人式になるのかな?」と思っていたら、ところがドッコイ、唖然とするような成人式となっている地域があることを知った。北九州市である。

成人式と言えば、女性は振袖、男性はスーツ、とガラパゴス化した私の頭では相場が決まっている。羽織袴でも勿論良い。しかし、映し出される彼らの服装は、確かに振袖や羽織袴ではあるのだが、私の想像の域を遥かに超えている。まるで奇抜さを競い合うファッションショーの様だ。インタビューに答えて曰く、「若気の至りも今日までです」とは、「上手い事を言うものだ」と感心はするのだが、その服装そのものは何とも感心し難い。相当なレンタル料を払ったと思われる母娘のインタビューを聞くと、親掛りでそのド派手な衣装を用意したことが分かる。私事で恐縮だが、今から45年も前の二十歳は、もう少し自立していたような気がするのだが…。

ある民放で、そんなド派手な映像をバックに、「成人式は必要か?」との面白いアンケート結果が表示されていた。細かな数字は覚えていないが、「必要だ」と「必要ない」が共に45%前後で拮抗していて、残りが「分からない」であったと記憶している。この映像を見せてアンケートに答えてもらったのではないと思うが、こんなド派手な成人式を見せられてしまうと、「必要ない」に一票入れたくもなってしまう。しかし、よくよく考えると、このアンケートに答えた人の多くは都会人だったのではないだろうか。地方の人たちに聞けば、もう少し違った結果が出たのではないかと思う。地方によっては、成人式を地域にとって大事なイベントとして捉えているのだと思う。それは、地方の存亡に係わる切実な問題を抱えているからだ。

地方は若者の流出が続き、どこと言わず高齢化への道を突き進んでいる。都会ほど恵まれた就職口が少ないのも一因だが、都会の生活に憧れる若者が多いのも現実だ。そういった若者に向かって、故郷に帰り故郷の活性化の為に尽くしてくれるよう訴えるのに、成人式は願っても無いイベントだ。また、3.11を契機に、故郷に帰り、故郷のために働きたいと思っている若者が増えていると聞く。そういった思いを改めて実感するのも、故郷での成人式ならではないだろうか。

そんな事を考えると、地方にとっての成人式は、これからもずっと必要なものとして位置づけられていくのに違いない。「若気の至りも今日までです」などと若さを弾けさせるのも分からないではないが、18歳での選挙権が話題に上る昨今、もう少し大人になってもよさそうなものだ。今年成人式を迎えた若者たちがいずれこの国を背負っていくのだから、何時までも親掛りで弾けるのではなく、どんと腰を据えた大人になってほしいものである。そうでなければ、成人式の行く末どころかこの国の行く末も危うくなってしまう、と思うのだが…。

【文責:知取気亭主人】】

  
今年の干支は未
 

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