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知取気亭主人の四方山話
 

『運転免許証の更新今昔』

 

2015年3月18日

石川県の運転免許センターから「運転免許証更新連絡書」が届いた。更新する5年毎に、誕生日のひと月とちょっと前に届けられるハガキだ。この更新連絡書、何時の頃から始められたか忘れたが、有り難いサービスである。更新手続きをしたその年ぐらいは次の時期を気にしているものだが、年が明け新しい年を迎えてしまうと、次の更新時期などすっかり忘れてしまう。今回も“しかり”だ。

皆さんもそうだと思うが、免許証をマジマジと見ることなどほとんどなく、気が付けば5年近くも過ぎている。更新案内のハガキを受け取り、改めて更新時期が来たのに気づかされた次第だ。それと同時に、還暦もとうに過ぎ、いつまで運転できるか気になりだしたこともあって、これまでになく隅々まで目を通している。それで分かったのだが、本来単なる更新を知らせるハガキなのだが、幾つかこれまでの記憶にない内容が書かれていて、今の時代を象徴しているようで、妙に“新鮮さ”を感じている。その代表が次の三つだ。

一つ目は、運転免許証がICカード免許証になる、ということだ。調べてみると既に導入されている所もあるようだが、石川県では比較的新しく、前回更新したのと同じ年の平成22年1月4日から交付が始まっている。タッチの差で、今持っている免許証はICカード型ではない。ICカード型への変更は、偽造を防ぐことが目的らしく、近代化への流れとしては当然のことだとは思うのだが、年寄りには少々辛い事を強いられる。

偽造を防ぐ目的もあって、4桁の暗証番号を2組準備しなければいけないというのだ。クレジットカードの暗証番号さえとっくの昔に忘れてしまっているのに、ほとんど使わないであろう運転免許証の暗証番号など、次の更新まで覚えていられるかどうか。何せ次の更新の時には70歳を超えているのだから、甚だ不安である。

二つ目は、その70歳以上の高齢者に関する案内だ。前回の更新連絡書にも既に書かれていたのかは覚えていないのだが、70歳以上の人はそれまで受けてきた一般的な講習ではなく「高齢者講習」になる、と書かれている。そして、更新手続きの際には、「高齢者講習修了証明書」が必要だともある。ネット情報に依れば、「高齢者講習」の内容は、@約1時間の講義、A運転適性検査、夜間視力、動体視力検査などが約1時間、B実車運転と運転指導が約1時間、と多岐にわたり、合計約3時間もあるという。更新時の誕生日5ヶ月前から受講可能らしいが、時間が長いうえに内容が濃く、通常の更新講習と比べるとエライ違いである。もっとも、ここ数年、高齢者による高速道路の逆走や運転操作ミスによって発生した交通事故のニュースを度々聞くことがあるから、念には念の講習が必要だとは思う。しかし、明日は我が身だと実感するようになると、少々複雑な気持ちがしてくるから身勝手なものである。

三つ目は、「運転適性相談について」と「運転免許証の自主返納制度について」の二つのテーマが書かれた、赤囲いの注意書きに目が留まった。読んでみると、どちらも身につまされる内容だ。まず「運転適性相談について」は、以下に該当する免許保有者は相談してほしい、と呼びかけている。Ⓐてんかん、認知症などの病気の疑いのある方、Ⓑ前回の免許更新以降に、身体に障害を負われた方、Ⓒ視力、聴力、身体機能などに不安のある方、の3項目が書かれている。一つ間違えば凶器ともなり得る車の運転であるから、どれもが重要で素直に納得できる。特にⒶについては、多数の犠牲者を巻き込む重大交通事故の原因にもなっていて、運転に適しているかどうかの判断、もっと言えば運転を許可できるかどうかの判断は、是非第三者の手でやってほしいものである。

さて、もうひとつの「運転免許証の自主返納制度について」だが、これについては、私も頭をかすめることがある。今すぐ、という訳ではないが、何れそういう時が訪れるだろうとは思っている。若いつもりでも、…というやつだ。高齢からくる運転技能の低下や判断力・反射神経の衰えは如何ともし難く、第三者を巻き込むことのある交通事故防止を考えれば、免許証の返納も必要なことだとは思う。

しかし、車が生活の中にこれだけ浸透し、交通手段の乏しい地方ほど高齢化が進んでいる現状を考えると、高齢者といえども運転せざるを得ないのが実情だ。しかも、日常生活に欠かせない、歩いて通えるスーパーや病院・郵便局などがどんどん姿を消していっている報道を聞けば尚更だ。そんな状況で免許証を手放すのには、どうしても代替手段が必要となるが、特効薬となる手段はなかなか難しそうだ。今回送られてきたハガキを読むと、そんな難題も透けて見える。便利な車社会の中で浮かび上がる、この「高齢化社会と過疎化と車の運転」という今どきの問題が、政府のいう“地方創生”で解決されればいいのだが…。

思えば、免許取りたての昭和40年代後半は、のどかな時代だった。更新案内の通知も無かったように記憶しているし、ましてや、免許証を持っているのは働き盛りの青壮年が中心で高齢者の自主返納など、考えもつかない時代だった。今主流になってきたオートマチック車も当時としては大変珍しく、マニュアル車がほとんどだった。したがって、オートマチック限定の免許証など、勿論無かった。あれから凡そ40年。時代は変わるものである。  


【文責:知取気亭主人】


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