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知取気亭主人の四方山話
 

『子育て支援』

 

2015年5月27日

我が家に三人目の孫が生まれた。2932グラムの元気な女の子だ。5月19日の午後、これまでの二人と同様帝王切開での出産となったが、元気な鳴き声と共に生まれて来たらしい。お陰様で母子ともに健康だ。しかし、帝王切開というのは、――当然「何事も無ければ」の話だが――“出産予定日”からほぼ「予定」が取れて“出産日”と言い表しても良く、先生や病院側の都合ではあるが時間まで決まっていて、諸事万端予定が立てやすくていい。勿論、妊娠・出産が命の危険と隣り合わせの、女性にとって大事業であることは承知しているが、極楽蜻蛉を自他ともに認める“私め”が感じているところでは、臨月に入っていつ生まれるか気をもむことも無いから、本人は勿論、亭主を始めとする周囲も気が楽だ。そこにいくと、我が家の子供たちの出産の時は大変だった。

私も家内も静岡県の西部地方出身だ。出産予定日が近づくと家内の実家へ里帰りする訳だが、昭和50年代の高速道路事情は、今と違って未整備の区間が多く、北陸自動車道も全線開通していないため、里帰りといっても大層な移動の時代だった。金沢から静岡県の掛川まで行くのに、全行程の凡そ1/4に当たる“福井県の鯖江から岐阜県の関ヶ原迄”は、まだ一般道を使わざるを得なかった。したがって、今の全線高速道を使って片道4、5時間のドライブは、凡そ6、7時間も掛かる長旅にもなっていた。下手をすると一日がかりだったのだ。今考えると、出産前後の家内にとっては、出産のための里帰りも、また新生児を加えての出産後の帰宅も、大変な移動であった。大遅きに失した感はあるが、「奥さん、頑張ってくれてありがとう!」と、この場を借りてこっそりお礼を言っておこう。

そんな大移動であったことや、「臨月に入れば何があってもおかしくない」と聞かされていたこともあり、いつも大体出産予定のひと月ほど前には里帰りしていた。ところが、最初の出産となった長男の時は、あろう事かその教えが当たってしまい、里帰りしたと思ったら直ぐに「病院に行く」との連絡が入り、翌朝には「元気な男の子が生まれたよ」の連絡が入った。予定日よりも約ひと月も早く、いわゆる早産というやつだ。

この時は、突然の連絡で本当に驚いた。しかし、長男ほどではないものの、後の三人も予定日通りの出産というわけにはいかず、少しずつだがずれていた。それを一番の理由にしているのだが、出産の連絡を貰った当日の夜は大概片町のネオン街でうだを上げていて、翌日の朝改めて誕生の連絡を貰うことが度々だった。それを言われると今でも頭が上がらないのだが、当時のお父さん達は大体そうだ、と「皆で渡れば怖くない」を決め込んでいる。特に遠く離れていれば、今と違い携帯も無い時代だから仕方がないことだったのだ、との苦しい言い訳をして自分で納得している。分が悪そうなので少し話題をそらすが、「今と違う」と言えば、子育て支援も随分違う。

我が家の子供たちは、昭和55年〜昭和60年に生まれている。当時は少子化が政治問題になっていない時代だったこともあり、残念ながら、4人も育てたのに支援は全くなかった。今の医療費の18歳までの無料化などを聞くにつけ、「あの時こんな支援をしてくれたらどれだけ助かっただろう」と、家内と時々振り返るのだが、子育てが終わった今となってはもう遅い。それよりも今は、平均出生率が1.5を切るほどに落ち込んでいるこのご時世に、3人も儲けてくれた息子夫婦への支援が気にかかる。

どの自治体も少子化対策には力を入れていると思う。しかし、厳しい財政の中では、やはり限度があるのが道理だ。長男夫婦の話だと、金沢市では、3人同時に保育園に通園すると、2人目の保育料が半額、3人目は無料になるなどの支援があるらしい。また、「かなざわ子育て虹色クーポン」と呼ばれる制度もある。こちらは小学校に入学する前の前年度まで使えて、子供の数には関係が無いらしい。これは、「お出かけクーポン」と、子育ての負担を軽くするためのいろいろなサービスの利用料を助成する「おためしクーポン」からなっている。「お出かけクーポン」は、市の文化施設やスポーツ施設などを利用する際に、親子での利用が1回無料になるものだ。もう一つの「「おためしクーポン」は、ヘルパーさんを頼んだり、一時預りを利用したりしたときに、最初の1時間が無料になるクーポンだ。その他、金沢市単独ではないが、石川県内の協賛企業が子育てを支援するプレミアムパスポートなる制度があって、協賛企業でこのパスポートを提示すると様々な特典が受けられる支援も用意されている。

しかし、支援をしてもらって文句を言う訳ではないが、出生率が1.5を切り、人口も年々減少している状況を考えれば、2人目、3人目の子供にはもっと支援をしてもいいのではないだろうか。例えば、保育園無料化の2人目からの拡大や紙おむつの現物支給などである。しかし、こういった支援だけでは、本当の意味の子育ては難しいような気がする。

乳児はしっかり肌を放すな、幼児は肌を放せ手を離すな、少年は…と続く、子育て四訓に倣えば、幼児(未就学児童までか)まではしっかりと母親が家にいて子育てが出来る社会環境が理想だろう。子育て論になると熱く語る家内の言うとおり、いくら現状の子育て支援をしても根本解決にはなりそうもない。乳幼児の虐待死やいじめを苦にしての自殺、さらには未成年による殺人事件などのニュースを聞くと、今盛んに喧伝されている女性の社会進出も手放しで賛成できないところに、もどかしさを感じているのだが…。  


【文責:知取気亭主人】

  
 

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