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知取気亭主人の四方山話
 

『リーグ戦の珍事』

 

2015年7月1日

佐々木則夫監督率いる女子サッカー日本代表の「なでしこジャパン」が、ワールドカップ・カナダ大会で、またも快進撃を続けている。リーグ戦を3戦全勝の1位で通過した勢いそのままに、決勝トーナメントに入っても順調に勝利を重ねていて、何れも体格で勝るオランダ(ベスト16での戦い、日本時間で24日)とオーストラリア(ベスト8での戦い、同28日)を撃破して、優勝した前回に続いてベスト4にコマを進めている。世界ランク4位に恥じない、期待通りの活躍だ。

この四方山話が公開される翌日の7月2日(日本時間、木曜日)には、イギリスと決勝進出を掛けて戦うことになっている。過去の対戦成績(4戦して2分け2敗)で負け越しているイギリスではあるが、是非とも撃破して、アメリカとドイツの勝者と戦うことになる7月6日の決勝戦も制し、連覇の偉業を達成してほしいものである。そうすれば、前回のワールドカップでの優勝もそうだったが、今回も、彼女たちの活躍でサッカー男子代表チームの積もり積もった鬱憤が多少なりとも晴れる、というものである。

ところで、今「なでしこジャパン」が戦っている一発勝負のトーナメント方式と違って、総当たりで戦うリーグ戦方式は、最終的に勝率の一番高いチームが1位になる。また、同一リーグの中であれば、試合数が極端に少ない場合を除き、“普通”は勝率にそれなりの差が出るもので、1位のチームは勝率が5割を超え、逆に最下位のチームは5割を大きく下回るのが一般的である。これらは誰にも分かる理屈だ。

「誰にも分かると」いうことで言えば、 “普通”は、同一リーグに所属する全チームの“勝数”を足した数と、逆の“負数”を足した数は一緒になる筈である。また、同じリーグ戦でもサッカーで採用している「勝ち点方式」でないプロ野球などでは、“勝数”が“負数”を上回ることを「貯金がある」と言うが、少なくとも首位のチームともなれば「貯金」の一つや二つあるものだ。ところが、つい先日(6月23日時点)、日本のプロ野球で前代未聞の珍事が起こった。その時のセ・パ両リーグの勝敗表を下に示すが、特に左側のセリーグに注目してほしい。プロ野球ファンなら既にご存知だと思うが、全チームが5割以下の勝率となって、1チームも「貯金」が無いのだ。首位のチームでさえ無い。しかも、どちらのリーグも、勝数と負数の合計が違っている。これも、“普通”では考えられないことだ。

しかし、この珍事にはハッキリした理由がある。それは、セ・パがお互い違うリーグの相手と戦う“交流戦”で、セリーグが大きく負け越したことだ。“交流戦”全108試合の結果は、セリーグの44勝61敗3分けで、セリーグ全体として「貯金」とは反対の「借金」が17もあったからだ。この勝敗が上の勝敗表にそのまま反映された結果、全チームが「貯金無し」になった訳である。昔から「人気のセ、実力のパ」とよく言われてきたが、まさにそれを体現した格好だ。やはり、これほどまでに実力差があるのだろうか。

こんな仮説を立てたらセリーグファンに叱られるが、前代未聞の珍事ついでに、有り得ない珍事を想像してみた。「仮に…」の話だが、セリーグが今年よりも成績不振で108戦全敗したとしよう。今年の試合数は各チーム143試合だから、順調にいけばセ・パ両リーグとも(143×6チーム=)858試合行われることになる。したがって、「引分はない」と仮定すると、108戦全敗した場合のセリーグ全体の勝率は、(858/2-108)/858=0.374と極めて低くなってしまう。でも、可能性としてはこれもゼロではないのだ。

では、今シーズンの最終勝率はどうなるのだろうか。「貯金」が無い上の表(6月23日時点)を基準にすると、残りの試合数は(858-410=)448である。この残り試合全てにおいて引分が無く勝敗が付いたとすると、勝数も負数も半分の224試合となり、結果、今シーズンのセリーグ全体の勝率は、(194+224)/(858-5)=0.49となって、同一リーグ内のみで戦った場合の0.5にグッと近づく。この勝率であれば、ほぼ間違いなく上位チームには「貯金」が出来るのだが、全敗した場合の0.374という低い勝率では、シーズンを終わった時点で、「全チーム貯金なし」という珍事も可能性として残されることになる。こんなことは過去にあったのだろうか。

今回はほぼ半分の試合数を消化した時点での珍事だったのだが、シーズン終了時点でも、今回の珍事が起こらないとも限らない。そう考えると、交流試合の隠れた楽しみがもう一つ増えた、とも言える。もっとも、セリーグのチームを応援しているファンにとっては、屈辱的な妄想ではあるのだが…。  


【文責:知取気亭主人】


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