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知取気亭主人の四方山話
 

『ブルームーン』

 

2015年8月5日

「ブルームーン」と呼ばれる、何とも洒落た名前の月がある。ただし、その名が示すような“青く見える月”、ではない。色々な気象条件が重なって青み掛かって見える場合もあるらしいが、見た目を表したものではないのだ。我々がちょくちょく目にする、月のある状態の特殊な場合を、そう呼んでいる。実は、つい先日の7月31日(先週の金曜日)の夜空に浮かんでいた月が、その「ブルームーン」だった。

私も先週の金曜日に聞いたばかりだから偉そうなことは言えないのだが、まれに、ひと月の間に二度満月が巡ってくる時があって、その二度目の満月のことを「ブルームーン」と呼ぶらしい。ネットで調べると、「ひと月に二度満月が含まれることをブルームーン(Blue Moon)と呼ぶ」と説明されているサイトもあるが、私の情報源であるNHKラジオでは、「二度目の満月を指す」と説明していたので、私はこちらを採用することにする。そして、先月7月の頭に時間を巻き戻すと、最初の満月は2日の日に訪れ、先週の金曜日の31日に二度目の満月になったわけである。

ひと月に二度満月となるのは、実は3年に一度くらいの周期で巡ってくるというから、極めてまれなケース、というものでもない。月齢周期が平均29.5日であるから、「3年に一度くらい巡ってくる」というのは、計算すれば比較的簡単に導き出せる。まれという意味では、この四方山話の第348話「満月が無くなった?」で書いた、「満月と呼ばれる状態になる日がなかった月」(2010年2月)の方が、むしろ珍しいのではないだろうか。しかも、2010年は、2月を挟んだ1月と3月のふた月も「ブルームーン」を見るチャンスが有ったというから、“まれ”も“まれ”という年だったのに違いない。

その「ブルームーン」だが、「見ると幸せになれる」という、思わず夜空を見上げたくなるような嬉しい言い伝えがあるらしい。NHKラジオでそれを聴いていたこともあって、31日の当日は酔い覚ましも兼ね、夜道を歩きながら十分堪能させてもらった。一人夜道を歩いていると、静寂に包まれていることもあってか、真ん丸お月様の明かりが何ともありがたく、ご利益がありそうな気持になってくるから不思議だ。月に二度の満月とは、言い伝え通り、そういう力があるのかも知れない。

そんな「ブルームーン」は大歓迎ものだが、同じ二度目でも、御免蒙りたいものもある。失敗や痛い目もそうだが、本来喜びたいイベントなのに、ゴタゴタともめた末に“やり直し”をしなければいけない、となると喜びも半減、歓迎どころではない。しかも、国民の血税が湯水のごとく使われるところだった、となると腹も立ってくる。お察しの通り、新国立競技場の設計・建設の見直しがそれだ。それにしても、“他人の金だ”と思うとこうも太っ腹になるものか、とあきれ返っている。

事の発端は、当初1300億円の建設予算で設計コンペをした筈なのに、建設資材や人件費の高騰などと説明しているものの、結局何だか良く分からないうちに総工費が2520億円にも膨らんでしまったのにも拘らず、見直しもせずに強引に着工しようとしたことだ。1300億円でも途方もない金額だが、2520億円とは恐れ入る。舛添都知事が政府に咬みついたことでにわかに脚光を浴び、安倍首相の鶴の一声で白紙撤回が決定した。誰が責任者なのか良く分からないまま時は過ぎ、とうとうオリンピック開催までに5年を切ったこの時点での白紙撤回は、いささか遅きに失した感が否めない。どうも、国立競技場周辺には「責任をとりたくない症候群」と「税金だから俺の腹は痛まない感染症」が蔓延していて、これらが、見直しの遅れた最大の理由なのだろう。

NHKが今年の7月に行った世論調査(http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/223343.html)では、この途方もない金額の建設計画について、「納得できる」が僅か13%だったのに対して、「納得できない」は81%にも達したという。当然の国民感情だ。これまで、新国立競技場の構想については、オリンピックやパラリンピックの関係団体、国立競技場を使う競技の代表者などで構成する有識者会議において協議・了承されてきたもので、先の7月7日には全会一致で2520億円を承認したのだという。全会一致から僅か10日後に白紙撤回となったのだから、有識者会議は面目丸つぶれだ。

しかし、そもそも、この有識者会議のメンバーたちは、自分たちがどんな役目を担っていたのか、自覚していたのだろうか。全会一致などと聞くと、とてもそうとは思えない。きっと、「どうせ税金だから」の考え方に支配されている方々なのだろう。辛辣な表現をさせてもらえば、「有識者!」の文字は要らない。しかも、今頃になって、アスリートからの意見を聞くとは、有識者会議はこれまで一体何をしていたのだろうか。中高生の生徒会でももっとしっかりしている、とは言い過ぎだろうか。

加えて、エンブレムの問題も浮上してきた。この問題も、下手をすると、「見直し」という事態になりかねない。そうなれば、またも“二度目”となってしまう。こんなゴタゴタ続きで、果たして、オリンピックやパラリンピックの大会そのものは、成功裏に終わるのだろうか。心配だ。同じ二度目でも、こちらの方は、どうもブルーな気分にさせられる。31日に見たご利益が、5年後まで持続してくれれば良いのだが…。  


【文責:知取気亭主人】


新国立競技場から見るとこんな風に歪んで見えるかも?

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