いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『健康寿命』

 

2015年9月2日

台風15号、16号のダブル台風が日本に近づき始めた先々週の中頃から、秋雨前線の話題が度々ニュースに登場するようになった。この前線が日本列島に掛かるようになると、時には厳しい残暑の日もあるだろうが、これから日一日と確実に過ごし易くなって行く。今年はもう、 “暑さ日本一”など競うこともないだろう。これで、熱中症の危険度もグンと下がり、暑さ疲れした体を休められる気持ちの良い季節が訪れる。体力増進、健康増進に励むにも、もってこいの季節でもある。

とは言うものの、「高齢者」と呼ばれるこの年齢になると、体力といっても、もはや“体力増進”は夢のまた夢であり、精々“体力維持”が関の山、百歩譲っても“体力回復”がいいところだろう。筋力の衰えに、随所で気が付くようになってきた。これまで心して使うようにしていた階段も、ともすると心が折れ、エレベーターやエスカレーターの厄介になることが増えてきた。同年輩に比べるとまだまだ階段利用の意欲は高いつもりだが、以前に比べると筋肉の量も弾力性も少しずつだが衰え、どうやら疲れやすくなってきたらしい。足腰が衰えると少しの段差でもつまずきやすくなるというから、そうならない様にと、昨年の秋ごろから、足腰を鍛える運動をするようにしている。“転ばぬ先の杖、である。

しかし、「高齢者」の仲間入りをした途端に、これだけ体力や筋力の衰えを実感するとは思わなかった。体力には自信があっただけに、そのギャップに驚いている。ただ、お陰様でそこそこ健康に生活できているから有難い話である。定期的に薬を貰い行く程度で済んでいるということは、健康な体に産んでくれた親に感謝しなければいけない。また、健康を気遣う料理を心掛けてくれる家内にも、深く感謝である。やはり、健康が何よりだ。

ところで、健康と言えば、「平均寿命」以外に、「健康寿命」という言葉を聞いたことがあるだろうか。若い人たちには殆ど無縁だと思うが、厚生年金の受給年齢に近くなったり、実際貰ったりしていると、いやが応にも気になる言葉である。その「健康寿命」に関して、喜ばしいニュースを読んだ。「健康寿命」が世界で最も長いのは男女ともに日本だった、という記事だ。

読売新聞のネット版(http://www.yomiuri.co.jp/science/20150828-OYT1T50114.html)によると、米ワシントン大などの国際チームは、世界188カ国のデータを分析した調査結果を27日付のイギリスの医学誌に発表したのだが、2013年の日本の「健康寿命」は男性が71.11歳、女性は75.56歳で、男女ともにトップだったという。日本以下は、男性が2位シンガポール、3位(フランスとスペインの国境に位置する)アンドラ公国、4位アイスランド、5位イスラエルと続く。また、女性は2位がアンドラ、3位シンガポール、4位フランス、5位キプロスの順番だった、とある。

驚くことに、日本とフランスを除けば、いずれも人口が少なく、国土も極めて小さい国ばかりである。6位以下の情報が無いので軽々に論じることは危険だが、日本のように1億を超える人口がいても「健康寿命」が世界一だということは、かなり誇れることだと思う。それなりに安定した政治・経済、公衆衛生の発達、定期健康診断の浸透、国民皆保険制度などに加え、優れた食生活や健康志向の高まりなどが、大きく寄与しているのだろう。

ところで、「健康寿命」とは、どう定義されているのだろう。記事には、「健康寿命は、病気などで日常生活が制限されることなく、自立的に生活できる期間」とある。「日常生活が制限される」とはどういう状態のことを示すのだろう。例えば、毎日薬を飲まなければいけない程度でも、「日常生活の制限」になるのだろうか。また、「自立的に生活できる」とは、一体どういう状態をいうのだろう。薬のお世話にならなければいけないのは自立とは言わない、と厳しく判断されるのだろうか。

ネット上の厚生労働科学研究「健康寿命のページ(※)」に、「健康寿命の算定方法の指針」という文書(http://toukei.umin.jp/kenkoujyumyou/syuyou/kenkoujyumyou_shishin.pdf)が掲載されている。その文書の中に、「日常生活に制限がない」と判断するための、調査用の質問がある。それによると、どうやら薬を飲む程度では「制限される」には含まれないことが分かる。具体的に、どのような質問か見てみよう。問1の「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」の質問に続き、「ある」と答えた人には、問2で「それはどのようなことに影響がありますか。 あてはまるすべての番号に○をつけてください」と、次のような具体的な項目を示し、質問している。

(1) 日常生活動作(起床、衣服着脱、食事、入浴など)

(2) 外出(時間や作業量などが制限される)

(3) 仕事、家事、学業(時間や作業量が制限される)

(4) 運動(スポーツを含む)

(5) その他

そのまま転載させてもらったが、これをみると、今のところ当てはまる項目はない。ひと安心である。(※(http://toukei.umin.jp/kenkoujyumyou/#qa2

次に「自立的に生活できる」に関してだが、介護保険の要介護度の要介護 2 〜5以外を健康(自立)な状態とする、とある。つまり、要介護1までは「自律的に生活できている」という判断になるらしい。この判断基準に照らし合わせても、お蔭様でセーフである。こうしてみると、日本の基準ではあるが、一応、私は健康な部類に入っている様だ。

しかし、「世界一だ!」と手放し喜んでばかりはいられない、というのも、「平均寿命」との差が、男性で約9歳、女性に至っては約12歳もあるからだ。こんなにも長い期間、何らかの制限を受けながら日常生活を送らなければならないことになる。そうならないためにも、“転ばぬ先の杖”を見つけ、実践していく必要がある。頑張りましょう、ご同輩!

 


【文責:知取気亭主人】


マキノキの実(遠州地方では、「やぞうこぞう」と呼ぶ)

  
 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.