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知取気亭主人の四方山話
 

『今年もご愛読ありがとうございました』

 

2015年12月29日

早いもので、今年も後二日を残すのみとなった。いつものことながら、大分フラフラしながらではあったが、こうして何とか、無事一年納めの四方山話を迎える事が出来た。嬉しい限りである。ただ、嬉しいことは嬉しいのだが、毎年スイングバイをしている訳でもないのに、年々時の流れが早くなっていくのが気になっている。今年3月に開業した北陸新幹線ではないが、人生早いだけでは味気ない。人生も電車の旅と一緒で、途中の景色を楽しむ余裕が欲しい。さりとて、便利さも捨てがたいものがあるのだが…。

ところが、そんな“時の速さ”に比べると、3.11東日本大震災の被災地復興の歩みは、何とも歯がゆい。もうすぐ5年目を迎えようというのに、まだ約18万7千名もの人が、避難生活を余儀なくされている(11月27日現在、復興庁発表)。加えて、総務省消防庁のまとめでは、平成27年9月1現在、行方不明者がいまだに2600人もいる(死者は1万9335人)。そんな状況を考えると、被災地では、心折れないで希望を持って新年を迎えられる人が増えてきているのか心配だ。今年もまた寒い冬を迎えるが、被災者の皆さんに一日も早く元の平穏な生活が戻ってくることを、願ってやまない。

さて、振り返ってみると、いつもの年と同じで、今年もいろいろな出来事があった。心に残る明るい話題もあった。明るい話題のトップは、何と言っても、昨年に続き日本人がノーベル賞を受賞したことだろう。しかも、二人も。また、ラグビーのワールドカップイングランド大会で、日本チームが大活躍し、日本ばかりでなく世界のラグビーファンに感動を与えてくれたのも、誇らしい記憶として残っている。更に、昨年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」のスイングバイや、金星探査機「あかつき」の金星の衛星軌道への再挑戦など、宇宙への挑戦で成功が相次いだのも記憶に新しい。

一方、暗いニュースとしては、「イスラム国」の捕虜となった、湯川遥菜さんと後藤健二さんが相次いで殺害され、その映像がインターネットで流された事件は、日本国民に大きな衝撃を与えた。また、国内でも、殺人事件の多さが相も変わらず際立っていたように思う。その他、人を殺めたり傷つけたりする凶悪事件ではなかったが、2020年の東京オリンピックに関するゴタゴタは、日本人のみならず世界の人々に日本の恥をさらした格好になった。

こうして鮮明に記憶している出来事だけを拾い出しても、いつものように悲喜こもごもの一年だったことが分かる。そこで、例によって、一年間書き綴った「四方山話」を紐解き、印象深い出来事を拙い狂歌で振り返ってみたい。

過激派は 地球に漂う 引火ガス テロに愛国  爆破の危険

まだお屠蘇気分が抜けきらなかった1月、過激派「イスラム国(ISIS)」を名乗る組織(以降アイエス)が、拘束していた湯川遥菜さんと後藤健二さんを殺害したとみられる映像を、インターネット上に公開し、世界に衝撃を与えた。アイエスは日本政府に身代金を要求していたとも伝えられ、その凶悪かつ卑劣な行為は、その後のテロ行為と共に、犯行の犠牲となった国を中心に、ナショナリズムが台頭するきっかけになり始めている。

10月31日、エジプトのシナイ半島を飛び立ったロシアの旅客機が墜落し、乗客乗員224名が犠牲なった事故の原因が、その後の調査でアイエスによる爆弾テロとの見方が強まった。また、11月13日の夜にはフランスのパリ市とその郊外で凄惨な同時多発テロが発生し、サッカーの親善試合が行われていた国立競技場や、ロックコンサートが開かれていた会場など、6カ所で銃撃や自爆テロが惹き起こされ、多数の死傷者が出た(報道では死者130人、負傷者300人以上)。こういったテロ行為に対する怒りが増大し、多くの国で、ナショナリズムが台頭するきっかけになっているように思える。フランスでは極右政党が躍進しているというし、ハンガリーでもそうらしい。また、アメリカではかなり右寄りの大統領候補が、共和党候補の中でトップの支持率を集めているという。世界の先行きが心配だ

シナの海 資源の蜜に 欲を出し 舐め獲る様に 舌出すチャイナ

中国は、数年前から南シナ海で領有権問題を抱える岩礁などを埋め立て始め、今年の夏ごろには、南沙(英語名スプラトリー)諸島において、造成した人工島に3000m級の滑走路がほぼ完成しているのが衛星写真で確認された。中国が主張する領海線は、地図を見ると、まるで舐め獲るかのように張り出した、舌を彷彿させるいびつな格好をしているのだが、実効支配していることを良いことに、岩礁を埋め立て新たな軍事拠点を構築しようとする動きを顕著化させている。こうした行為に対し、マレーシアやフィリピン、ベトナムなど領有権を主張する周辺国を始め、この海域を重要なシーレーンと位置付けているアメリカや日本などの関係国は、強く非難している。中国はこういった非難にも耳を貸さず強硬を貫いていたが、10月26日、米国がミサイル駆逐艦「ラッセン」を人工島から12カイリの境界内を航行させ、にわかに緊張が走った。今のところ、米国、中国共に平穏を保っているが、戦火の火種は消えずに残ったままだ。中国は、国際法に照らし、秩序ある解決をして欲しいものである。

安倍店主 安保バナナの たたき売り これでどうだと 10本まとめ

集団的自衛権の行使を認めるなど、自衛隊の武力行使や後方支援の範囲を拡大させる「安全保障関連法案」が、9月19日の未明、参院本会議で採決が行われ、自民、公明両党などの賛成多数で法案は可決・成立した。この法案は、「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」(平和安全法制整備法)と「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」(国際平和支援法)を総称して、平和安全法制とも呼ばれている。こう書くと、まるで二つの法案のように聞こえるが、実は、「平和安全法制整備法案」は「自衛隊法」や「国連PKO協力法」など既存の10の法律からなっていて、この10本を一括改正する法案になっていたのだ。

こういった特異な手法や、集団的自衛権については現行憲法の解釈を変えるという強硬手段が、多くの国民の反対と不安を招き、シールズに代表される若い人たちを中心に、各地での反対デモを招く結果となった。ただ、私は現行の自衛隊は必要だと思っている。しかし、国の規範となるべき憲法であるにも拘らず、その解釈はその時代や時の為政者によって変えることができる、ということを示してしまったのは、大きな不安を残すこととなった。ここは、正々堂々と“憲法改正”を国民に問うべきだった、と思っているのだが…。

爆買いに 国の中身も 垣間見え 口では反日 財布親日

今年は、日本を訪れる外国人観光客が増え、どこに行っても旅行客と思しき外国人を良く見かけるようになった。日本政府観光局(JNTO)の12月16日付の報道発表資料によると、1月〜11月の累計訪日外客数(正式にはこう呼ぶらしい)が、1,796万人に達し、過去最高を記録したという(http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20151216.pdf)。前年同期の累計より約580万人も増えている。有り難いことだ。国別では、累計で百万人を超える国と地域が4つあって、中国が約465万人で第1位、2位がお隣の韓国で約359万人、続いて台湾の約341万人、4位が約137万の香港である。

金沢でも外国人観光客が増え、金沢経済を押し上げる大きな要因になっていると聞く。市内では、特に中国語を良く聞くようになった。九谷焼を扱う知人の話だと、中国人の観光客は結構な高額商品も即断で買っていくらしい。本当にありがたい話である。

ただ、反日教育の影響もあって、中国人の多くは日本を嫌っている、というデータが良く報道される。しかし、訪日観光客はそういった素振りもなく、大量の土産品を買っている。今年の流行語大賞にノミネートされた「爆買い」だ。その背景には中国国内で売られている商品への不信感がある、とも言われている。爆買い、大いに結構。そして、滞在中に「習った反日教育どこかおかしいぞ」と思ってくれたなら、なお結構だ。もっと言えば、この旅行をきっかけに、親日になってくれる人が増えてくれるなら、なおさら結構だ。

出てこいや 叫びたくなる 五輪前 誰の責任  白紙撤回

これだけ本番の5年も前に注目を浴びたオリンピックも、これまでなかったのではないだろうか。しかも、国内ばかりでなく海外のメディアにも取り上げられたのだから、話題性だけで言えば、逆説的には大成功なのかもしれない。改めて説明する必要もないが、2020年に開催が決まっている東京オリンピックの話である。メイン会場となる国立競技場をめぐるゴタゴタや、エンブレムに関する盗用疑惑など、開催前にこれだけもたつくと、本番は大丈夫なのかと心配になってしまう。

安倍首相の鶴の一声で、採用された筈のザハ・ハディド氏案の白紙撤回が決定したのだが、その責任の所在は最後まであやふやのままであった。有識者会議と呼ばれる非公開の会議で選ぶその方法そのものに、今のネット社会には合わない、非時代性を感じてしまう。エンブレムの問題もそうだ。エンブレムの問題がネットで世界を駆け巡ったことを考えれば、どちらの問題にしても、今の時代に合うもっと良い選定方法があったと思う。ただ、方法はあったにせよ、「俺が責任を取る」と現れる人がいないのが、なんとも寂しい限りである。永田町なのか霞が関なのか知らないが、これが今の日本の現状なのだろうか…。

花開く 桜ジャージの ラガーメン 咲いたとたんに 花見の人出

最後は明るい話題で行こう。やっぱり、今年の明るい話題の筆頭はこれだろう。9月にイングランドで開かれたラグビーのワールドカップ(以降W杯)で、日本代表「桜ジャパン」が、世界の強豪を相手に3勝1敗と、大活躍した話題だ。日本人でさえ予想しなかった、優勝候補の強豪南アフリカを破った初戦を、「W杯史上最大の衝撃だ」、英メディアはこう伝えたという。相手が優勝候補だったことに加え、ノーサイド直前の劇的な逆転が、日本のファンのみならず、世界のラグビーファンを熱狂させたのだ。

この試合は、ファン投票で「W杯最高の瞬間」に選ばれたのだが、「最高の瞬間」とは勿論、引き分けを狙わず勝ちにこだわった、終了間際の逆転トライの瞬間だ。34対32、よくぞ逆転してくれた。この「W杯最高の瞬間」部門は、今大会から新設された表彰部門で、今大会ばかりでなく過去のW杯の試合も対象にしていて、その中から選ばれたのだから鼻も高い。体格で劣る日本チームが、世界のラグビーファンを完全に虜にした瞬間でもある。そして、日本に再びラグビーファンを呼び戻した瞬間でもあった。

今、日本は空前のラグビーブームになっている。テレビのバラエティー番組でも、代表選手や元日本代表をよく見かけるようになった。是非、このブームを一過性に終わらせることなく、もっともっとファンを増やし、日本で開催される2019年のW杯を大成功させてもらいたいものである。ガンバレ!桜ジャパン!

 

今年もヨレヨレではありましたが、何とか年末を迎えることができました。これも一重に拙い文章にお付き合い下さる皆様のご声援・ご愛読の賜物、と深く感謝しております。本当にありがとうございました。皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2015年の締めと致します。


【文責:知取気亭主人】】】


 読者の皆さんに幸運が舞い込みますように!

  
 

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