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知取気亭主人の四方山話
 

『やったぁ、10年ぶりだ!』

 

2016年1月27日

待ちに待った日本出身力士の優勝だ。そう、24日に千秋楽を迎えた大相撲1月場所で、九州出身の大関琴奨菊が、日本出身の力士として久しぶりに幕内最高優勝を果たした。号外級のトップニュースになっているから誰しも知っていると思われるが、平成18年1月場所の栃東以来丁度10年ぶりだという。改めて言われると、そんなに長い間優勝から遠ざかっていたのかと驚いてしまう。しかも、それまでの場所数も半端な数ではない。1年に6場所だから、10年で60場所にもなる。もっとも、平成23年3月場所が八百長問題で開催が中止されているから、正確に言えば59場所ぶりだ。この間、今回の琴奨菊を除くと、何と58回も外国出身の力士が優勝しているのだ。ところが、記憶力が衰えたせいもあるのか、歴代優勝力士の名前がそんなにたくさん浮かんでこない。

そこで、誰がそんなに優勝しているのか調べてみた。優勝回数の多い順に紹介すると、予想通り白鳳が35回で断然トップを走り、2位が朝青龍の10回、3位は日馬富士の7回、次いで鶴竜が2回を記録している。この4人はすべて横綱になっているから、番付通りの活躍と言っていいだろう。中でも、朝青龍、白鳳、日馬富士の3人で、58場所中52場所、約9割も優勝していて、その強さは際立っている。

4人の横綱以外では、琴欧洲、把瑠都、旭天鵬、照ノ富士が各1回優勝していて、計8人の力士が賜杯を手にしている。人数で見ると58場所で8人だから、そこそこ“ばらけている”ようにも感じるのだが、出身地を見てみると、琴欧洲と把瑠都を除く6人がモンゴルだ。しかも、優勝回数に焦点を当てると、58場所中56場所もモンゴル出身力士が優勝している。つまり、もう殆どモンゴル出身力士の独壇場、と言っても過言ではないのだ。また、ここに名前が載った幕の内の優勝力士以外にも、モンゴル出身者は多い。しかも若い力士が多いのだ。

テレビの相撲放送を観ていると、場内放送で力士の出身地も紹介されるのだが、十両や幕内にはかなりの数のモンゴル出身者がいる。どれほどいるか、琴奨菊が初優勝を飾った1月場所の番付から拾ってみると、幕内が42人中8人で約19%、十両がもう少し多く28人中7人で25%となっている。両方足すと、つまり関取と呼ばれる十両と幕内では、総勢70人の中で15人がモンゴル出身者で占められていることになる。パーセンテージで言うと、21.4%にもなる。5人に1人がモンゴル出身の力士ということだから凄い。

ところが、モンゴル以外の外国出身者にまで目を広げると、その比率は3割を超えるからもっと凄い。15人のモンゴル以外に、ジョージア(旧グルジア)が2人、他にエジプト、ブルガリア、ロシア、中国、ブラジルが各1人の、計7人の幕内力士がいるから、合計22人も外国出身の関取がいることになる。率で言えば、驚くなかれ31.4%という高率だ。凡そ、3人いたら1人は外国出身という勘定だ。

しかし、日本古来の伝統的なスポーツで、しかも外国では全く馴染のない、裸に近い独特の格好で、観衆の目の前で競技しなければならないのに、これだけグローバル化が進んでいるとは驚きだ。外国出身者の比率だけで言えば、多分、外国人選手が目立つサッカーのJリーグやプロ野球よりも進んでいるのではないかと思う。思い起こせば、高見山が1968年(昭和43年)の1月場所で新入幕を果たし、史上初の外国出身の幕内力士となってから約半世紀、ここまで大相撲のグローバル化が進むとは、だれが予想しただろうか。歴代の相撲協会理事長や協会幹部が、優れた経営感覚と国際感覚を持っていたからなのかもしれない。

そのグローバル化のお陰か、一時すたれた大相撲人気も盛り返した感がある。最近では「スー女」と呼ばれる熱烈な女性ファンも増えてきているらしい。NHKラジオに時々出演している女性タレントなどは、(名前は覚えていないが)相撲解説者も驚くほど詳しい。恐らく、アメリカの大リーグではないが、立派な成績を残す選手であれば国籍や出身地を問わない、というスポーツ本来の姿に魅了されているからなのだろう。加えて、言葉も文化も違う異国の地で、日本の国技である相撲に真摯に向かう姿にも、多くのファンは魅了されるのだと思う。中でも、横綱や大関まで上り詰めた外国出身力士には頭が下がる。どれほどの努力をしたのだろう。

そんなグローバル化が進む中での、本当に久し振りの日本出身力士の優勝だ。大いに誇っていい。グローバル化が進んでいるからこそ、日本出身力士の優勝に沸くのだと思う。結婚して意識が変わったと記事で読んだが、「時すでに遅し」と言われないよう、この上を目指してほしいものである。そう横綱だ。ガンバレ、琴奨菊!  


【文責:知取気亭主人】


前にも登場したけど、これでも横綱だからね!

  
 

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