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知取気亭主人の四方山話
 

『諦めるのは早い!』

 

2016年2月3日

30日の夜、というか正確には30日から31日にかけての深夜、歓声を上げ興奮して眠れなかった御仁も多かったのではなかろうか。夜が明けた31日は朝から夜まで何度もハイライトシーンが放映されていたから、知らない日本人はいないのではないかと思えるぐらいだが、当夜はサッカー男子のU-23(23歳以下)アジア選手権の決勝が行われ、日本チームが宿敵韓国を大逆転で破り見事優勝を果たしたのだ。押され気味だった試合展開からは想像もできない結果だけに、試合終了後、美酒に酔いしれたサッカーファンもいたのではないかと思う。何はともあれ、胸のすく思いをさせてくれた一戦であった。

試合会場が遠く離れた中東の地カタールのドーハということもあって、テレビの実況中継開始は、30日(土曜日)の23時過ぎと遅かった。観ずに寝ようかと思ったが、久し振りに日本が決勝にコマを進めたという事もあって、眠気と格闘しながら見ることにした。ところが、試合が始まると、どうも押され気味だ。韓国の積極的な攻撃に、日本が押し込まれるシーンが目立つ。これはやばいなと思っていると、悪い予感は当たり、前半半ばに綺麗に1点を入れられた。入れられた後も、どうも分が悪い。すると、韓国リードのまま後半に突入し、後半開始早々、決定的な2点目を入れられた。2点目を入れられた後も、観ていると日本の攻撃はどうも歯がゆくていけない。「この様子だと多分負ける」と勝手に判断し、日付が変わっていたこともあって、テレビ観戦を諦め布団にもぐりこむことにした。

布団にもぐりこみ5分も経たないうちに、妻と娘の“拍手と遠慮がちな歓声”が居間から聞こえてきた。「きっと1点返したのだな」と想像は付いたのだが、布団から抜け出て階下に降りていく気力が出てこない。ウトウトもしてきた。そのあと、もう一度拍手と歓声を聞いたような気もするのだが、夢だったのか現だったのかハッキリしない。そして朝が来た。朝刊を見て驚いた。一面に「日本優勝」の大きな文字が躍っている。

「まさか!」と急いでテレビを点けると、そのまさかをニュース番組でやっている。韓国に3-2で大逆転勝利をしたというではないか。あの寝る前の劣勢からは予想だにしない展開があったようで、夢うつつで聞いたあの歓声は、どうやら現実だったらしい。こうなると、2点目を入れられ劣勢の状況から逆転勝利に至る、つぶさな試合経過を見逃したのが、残念でたまらない。

しかし、良くぞ逆転したものだ。先のワールドカップでもそうだったが、これまでのサッカー日本代表チームは、一旦リードされるとそのままずるずると負けてしまうパターンがほとんどで、2点差を逆転して勝利した記憶はない。それだけに、本当に驚きだ。観ていた私はあっさりと諦めたのだが、戦っている選手や監督は0-2になっても全く諦めていなかったのが嬉しい。このどんな状況になっても決して諦めない姿勢が、見事な勝利を呼び込んだのだろう。ビジネスでも、「成功する秘訣は成功するまでやり続けることだ」との名言があるが、人生はすべからくそうなのかもしれない。

そう思って、最近のスポーツを振り返ってみると、決してあきらめない姿勢が、勝利につながった戦いが結構多い。駅伝、大相撲、マラソンなどだ。スポーツで頑張る選手の姿に感動や勇気をもらった、という話はよく聞くが、今年の1月に行われた新春スポーツには、そんな感動シーンがひときわ多かったような気がする。

まず。1月17日(日曜日)に京都で行われた、第34回全国都道府県対抗女子駅伝の大逆転劇だ。最終9区(10キロ)にタスキが渡った時点で、2位に1分以上も差をつけ、京都が独走をしていた。誰もが京都の優勝を確信していたのだが、4位でタスキを受けた愛知が、アンカー鈴木亜由子選手の力走で、トップとの1分37秒もの差を逆転し、見事初優勝を果たした。解説者も言っていたが、これだけの差をまさか逆転するとは思ってもいなかった。

女子のロード10キロの日本記録は千葉真子の31分44秒だから、コースや天候によって記録は変わるから断定はできないものの、標準的な記録は33〜35分前後だろうか。すると、1分37秒差は概算で標準的な記録の5%にもなる。距離にすれば凡そ500mだ。ハーフマラソンやフルマラソンと違って、10キロは勝負の時間が短い。その短い時間の中で、凡そ5%もの差が逆転できるとは、恐らく誰も思っていなかったのだろうと思う。しかし、鈴木選手は諦めていなかった。その執念が劇的な大逆転を生んだ、と言っても良いだろう。テレビ観戦しながら、「凄い!凄い!」を連発していたが、本当に凄い戦いを見せてもらった。

また、先日の日曜日(31日)に行われた、大阪国際女子マラソンでの福士加代子選手の優勝も、諦めない彼女の執念が実ったレースだったと言っていいだろう。福士選手は、早くから女子陸上界の長距離選手として名を馳せていて、調べてみると、トラック競技の3000mと5000m、そしてロードレースの15キロと20キロ、それに加えてハーフマラソンまでの日本記録をいまだに持っている。そして、トラック競技種目に限れば3度もオリンピックに出ているトップ選手だ。ところが、マラソンに関しては、これまで何度かオリンピック選考レースに挑戦してきたものの、成績が残せず一度も選ばれたことがなかった。

しかし、諦めることなく挑戦を続け、今回の優勝で、オリンピックへの切符をグッと手繰り寄せた。駅伝の鈴木選手ではないが、福士選手の執念が実ったレースだったと言っていい。前話で取り上げた大相撲の琴奨菊もそうだが、福士選手は、「諦めてはいけない」を見事に体現してくれた。

1月のスポーツは、そんな感動的な試合が多かった。ひょっとして、今年の日本を象徴しているのかもしれない。みんな!諦めないでいこうぜ!  


【文責:知取気亭主人】


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