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知取気亭主人の四方山話
 

『九州で激しい地震活動』

 

2016年4月20日

熊本県を中心に、九州が激しく揺れている。「平成28年(2016年)熊本地震」と命名された今回の地震、最初の激しい揺れは、4月14日の夜だった。21時26分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード(M)6.5の大地震が発生し、震源に近い益城町では、震度7の激しい揺れに襲われた。これまでの大地震と同じように余震が心配されていたのだが、果たして、16日未明に14日を上回る大地震(M7.3)が発生し、震度6強の激しい揺れが14日の地震で傷んだ被災地を再び襲い被害を拡大させた。後に、これが本震とされることになる。

その後も強い揺れを伴う大きな余震が頻発し、避難を余儀なくされている被災者に大きな不安を与えているとともに、被害拡大に追い打ちをかけている。これらの頻発する余震は、震源地が広範囲に亘り移動していて、大分県方向に拡大する様子を見せたり、逆の南西方向に拡大する様子を見せたりしていて、被災者の不安をより一層掻き立てている。気象庁も、熊本県での地震活動の範囲がこれまでよりも南西側に広がっているという見解を示して、この地震活動が今後どうなって行くのか、予断を許さない状況が続いている。

報道で知っての通り、被害は甚大で、20日昼までの情報では、47名の死亡が確認されていて、いまだに4名の方と連絡が取れていない状態だという。死亡した方の死因の多くが、家屋の下敷きになったりしての圧死と窒息だと言い、ニュース映像を見ても、倒壊した家屋や1階が押しつぶされてペシャンコになったアパートや住宅が、揺れの激しさを物語っている。阪神淡路大震災を彷彿とさせる惨状だが、震源が浅い直下型地震の典型的な被害と言っても良い。また、連絡が取れない方が多くいる南阿蘇村では、土砂崩れも頻発している。

九州大学地震火山観測研究センターによれば、九州では、大分・別府から長崎・雲仙に至る「別府−島原地溝帯」に沿っての地震活動が知られていたという。今回も、この地溝帯に位置する「布田川断層帯」と「日奈久断層帯」で地震が多発していて、政府の地震調査委員会は、「16日の本震は『布田川断層帯』がずれたもの」との見解を発表した。

とは言うものの、今回の地震活動は熊本地方に加え大分地方と阿蘇地方でも活発な活動が観測されていて、このように離れた3ヶ所で大きな地震が起こるのは前例がないのだという。確かに、これまでの知見ではそうなのかもしれない。しかし、今回の熊本地震が起こる丁度10日程前(4月3日)に放映された、NHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTERU 日本に迫る脅威 地震列島 見えてきた新たなリスク」を観ると、今回の前例がないと言われる地震活動も、実はそう不思議なことではないのではないか、と思えてくる。東海地震の切迫性が議論されるようになって既に40年近く経つのに(1978年に、地震を予知し、地震による災害を防止・軽減することを目的とした「大規模地震対策特別措置法」が施行された)、いまだに地震予知が確立されていない現状を考えれば、新たな知見をどんどん取り入れて行くのは当然のことなのだが…。

これまで、地球は10数枚のプレートに分かれていて、日本列島は「ユーラシアプレート」と「北米プレート」、南から押してくる「フィリピン海プレート」、東から潜り込んでくる「太平洋プレート」、の合計4枚のプレートの上に乗っている、と考えられてきた。しかし、京都大学の西村卓也准教授が、日本列島各地の地盤の移動方向を、人工衛星を使ったGPS測量の結果を基に整理すると、意外な結果になったという。西日本だけに限ってみても、日本列島が乗る岩盤・プレートが実は移動方向の違いから図-1に示す様に細かなブロックに分かれている、との研究成果を発表したのだ。その研究成果が映し出されたテレビ画面を模写したものが、下の図-1だ。なお、ブロック境界は厳密に正確な位置ではないことをご承知願いたい。一方、ブロックの形は当たらずも遠からず、と考えていただいて結構だ。
 


図-1
西日本のブロック模式図
(NHKスペシャルのテレビ画面より模写)

初めて見る方も多いと思うが、西日本の地盤は、こんなにも細かく分かれているのだという。しかも、番組の中でも言っていたが、今回地震が発生した九州の地盤は、特に複雑な動きをしているらしい。南九州などは反時計回りに回転しているようにも見えた。そんな九州の地図の上に今回の地震の震源域を重ねると( 印)、見事にブロック境界に乗ってくる。ブロックの境界は、接するお互いのブロックの動きが異なるため、歪が溜まりやすく、地震が発生する可能性が高くなるも道理である。

この西村准教授と同じような提言をしている研究者がアメリカにもいて、地震が多発するアメリカの西海岸も、インドプレートから押されているユーラシアプレートも、かなり細かなブロックに分かれている、という研究成果を発表している。こうしたブロックの境界では、サンフランシスコ大地震(1906年)や四川大地震(2008年)に代表されるような大地震が発生する、というのだ。

実際の大地の動きからブロック分けするこの手法は、分かり易く、私のような素人でもすとんと腑に落ちる。より密にGPS測量基地を日本国中に設置できれば、より正確なブロック境界が解明でき、地震防災・減災に大いに役立つに違いない。政府には、今回の熊本地震を教訓に、基地の増設を1日も早く、強力に推し進めてほしいものである。

最後になりましたが、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、 被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、1日も早く心安らかな生活が戻りますことをお祈り致します。



【文責:知取気亭主人】

  
 

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