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知取気亭主人の四方山話
 

『レッドカード』

 

2016年6月1日

先月14日(土曜日)から今月の5日(日曜日)まで、バレーボールのリオデジャネイロ・オリンピック(以下、リオ五輪)世界最終予選兼アジア予選大会が、東京体育館で開催されている。テレビ観戦で歓声を上げている方も多いと思うが、先週全日程を済ませた女子の大会では、全日本チームが待望のオリンピック出場を決め、美味しいお酒を味わうことができた。前回ロンドンオリンピックでの銅メダルに続き、リオ五輪でもメダルの期待が掛かる。2大会続けてのメダル獲得に向け、ぜひ頑張ってほしい。東洋の魔女復活だ。

女子の大会に続き、先月28日の土曜日からは、男子の大会も始まっている。大会に出場しているのは男女共に、開催地日本を含むアジアの4チームに加え、ヨーロッパ大陸予選の2位と3位、南米大陸予選の2位、北中米大陸予選2位の4チーム、都合計8チームが出場し総当たり戦を行う。アジア大陸の予選も兼ねているため、アジアの最上位1チームとそれを除く上位3チームの計4チームが、リオ五輪への出場権を得ることになっている。したがって、各チームとも出場権獲得に向け必死だ。

テレビ放映されている日本チームの試合しか観ていないが、五輪出場権が掛かっているだけあって、どの試合も接戦ばかりで見応えがある。さすが各大陸の上位チーム、と思わせる戦いぶりだ。激しいラリーの応酬など、あの体の大きな選手たちの運動神経の見事さに、ただただ感心するばかりである。高さもスピードも、そして運動神経も抜群の選手たちが躍動する姿は、観る者を魅了すると共に、応援する者を熱くさせる。観る者を熱くさせるのだから、選手やスタッフはそれ以上に熱くなっている。必死に戦っているから当然だ。

そんな熱い思いがそうさせたのか、それとも審判もつられて熱くなったのか、先週終わった女子の試合で、サッカーではお馴染のレッドカードが出され、驚かされた。試合のヒートアップぶりを示す判定だったが、まさかバレーボールの試合にもレッドカードがあるとは思わなかった。5月18日(水曜日)に行われた、日本―タイの試合だ。

五輪初出場を狙うタイとの一戦は、フルセットの最終第5セットにもつれ込む大接戦となった。第4セットからの観戦だったため、それまでの戦いぶりを家族から聞くと、どうやら両チームのスタッフはかなり熱くなっていたらしい。そんな下地があってのことだろう。最終の第5セットでも、互いのチームが次々にビデオ判定を要求する「チャレンジ」をして、その度に試合が中断されるほど熱が入った展開となった。そんな熱い戦いの中で、レッドカードが出されたのだ。しかも2枚も。

調べたところによれば、最初のレッドカードが出たのは、日本が8対12で負けていたときだ。そして、2枚目は日本が13対12と大逆転したときだ。子供たちにバレーボールを教えている知人によれば、いずれも遅延行為によるものだったと言うが、タイミング的に考えれば、この2枚のレッドカードで試合の流れが変わった、といっても過言ではないだろう。それほど重要な意味を持つレッドカードだった。

ところが、時には試合の流れを変えるほどの重要なルールなのに、これまで見たこともなかったこともあり、バレーボールにレッドカードなるものがあることすら知らなかった。しかも、レッドカードと言えば、サッカーと同じように即退場かと思っていたのだが、だれも退場しないではないか。同じレッドカードでも、サッカーとはどうやら罰則が違うらしい。「これを機会に調べてやろう」ということで、バレーボールの罰則を調べてみた。

罰則が掲載されていたウェブサイトによれば、以下に示す、ステージ1,2のような軽度の不法行為は罰則の対象とはせず、罰則が適用されるのは、ステージ2に更に不法行為を重ねたときかららしい(http://volleyjudge.jimdo.com/審判をしよう/不法な行為と罰則/)。

    ・ステージ1:ゲームキャプテンを通じ、口頭で警告を与える
    ・ステージ2:該当選手にイエローカードを使用し警告を与える

このステージ2は罰則がないものの記録は残り、イエローカードをもらって更に不法行為が続けられると、次表に示すような罰則が与えられるのだという。

しかし、この表を見ると、今回の試合のようにレッドカードが2回出された場合の処置が書かれていない。私の記憶では2枚ともタイチームの監督に出されたと思っていて、だとすると「“2回目の無作法な行為”という事になり退場に当たるのではないか」と思うのだが、私の解釈は間違っているのだろうか。それとも記憶が間違っているのだろうか。いずれにしても、イエローカードが一緒に出された訳ではないが、何となく釈然としない。

釈然としないのは私ばかりではないらしい。特にタイの人達には“日本びいきの判定”と映るらしく、ネット上でもかなりヒートアップしているらしい。それはそうだろう、「4点差をつけていて、先に3点取れば勝てる」というところまで来ていたのに、「勝利の女神が手のひらまで舞い降りた」と思ったのもつかの間、あのレッドカードに驚いてするりと指の隙間から逃げていったようなもの、だからだ。日本戦の勝利に加え、目の前まで手繰り寄せていた五輪初出場の夢も(この時点で絶たれた訳ではなかったが)、レッドカードと共に離れて行ってしまった。

私の釈然としない訳と、タイファンの釈然としない訳は大分違う。しかし、どちらにせよ、観ている者には納得の行く判定と判定の説明が必要だ。それでなくては、公平・公正なルールの下で競うスポーツの魅力は半減してしまう。もっとも、無作法な行為が公になっても、なかなか退場しない舛添東京都知事に代表される政治の世界に比べれば、レッドカードが即出せるだけましなのかも知れない。


【文責:知取気亭主人】


“夕闇を飛ぶバレーボール”ではありません

  
 

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