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知取気亭主人の四方山話
 

『溶連菌、まかり通る』

 

2016年7月13日

皆さんは「溶連菌」という細菌をご存じだろうか。最近何かと話題になることの多い腸内フローラの一種、ではない。体に良いと言われる乳酸菌の仲間、でもない。乳酸菌とは逆に、風邪に似た症状を出す、体にとっては有難くない菌である。これまで聞いたことがなかったのだが、医学の世界では名の通った、極ありふれた病原菌らしい。子育て中のお父さんやお母さんにとっても、よく聞く名前かも知れない。保育園や幼稚園、あるいは小学校への登園や登校を控えることになるからだ。

溶連菌は、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌で、いくつかの型があるらしい。中でもヒトに良く感染するのが、A群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)と呼ばれるもので、この菌による感染症が一般的に「溶連菌感染症」として理解されているのだという。主に“のど”に感染して、咽頭炎や扁桃炎、そして驚いたことに「猩紅熱(しょうこうねつ)」も引き起こすらしい。

若い人達は聞いたことのない病名なのかもしれないが、我々年寄りにとっては、「猩紅熱」は懐かしい病名だ。確か、今から50年ほど前、中学か高校の保健体育の授業で習った病名で、命に係わる危険な伝染病だと記憶している。そんな危険な病気も引き起こすのかと調べてみると、発熱に伴って全身に赤い発疹が出る状態のことを「猩紅熱」と言っていて、抗生物質が普及した現代では、きちんと治療をすれば治る病気となった、とある。それを知って一安心だ。というのも、この「溶連菌」が長男の家をまかり通って行ったからだ。

先々週の中ごろから、孫たちが体調を崩し始めた。最初は、1歳と1ヶ月になったばかりの下の孫娘だ。連絡を貰った妻の話だと、37度前後の熱が出て、いつもは元気の塊なのに、何となくだるそうにしていて元気がないという。大した熱ではないのだが、熱があると保育園には出せない、という事で家内が預かることになった。微熱はあるものの、大好きなお婆ちゃんといられたせいか、機嫌は良かったらしい。そのお蔭か、2日ほどで熱は下がり、元気に保育園に登園できるようになった。

ところが、今度はもう直ぐ6歳になる上の孫娘が、続けて体調を崩した。やはり熱が出ていて、掛かりつけの病院で診察を受けると、「溶連菌」が検出されたという。聞きなれない名前でもあるし、下の子の時にはそんなことを言われなかったのにと思い、妻に疑問をぶつけてみた。すると、医師から説明を受けた嫁の説明が、伝言ゲームよろしく伝わってきた。

溶連菌に感染した時の代表的な症状は、“発熱(38〜39℃)”と“のどの痛み”だという。しかし、3歳未満ではそれほど熱が上がらず、他の症状も出にくいらしい。そのせいで、下の孫娘にはハッキリとした診断を下せなかったのかもしれない。しかし、3歳以上になると、子供にも大人にも、症状はバッチリ出るらしい。

ところで、発熱やのどの痛みと聞くと風邪の症状とそっくりだが、風邪と大きく違うところがあって、“咳”や“鼻水”は出ない。確かに、孫もそうだった。また、発熱やのどの痛み以外の症状もあって、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりするという(イチゴ舌)。そのほかには、頭痛や腹痛などを訴えることがあるらしい。潜伏期間は2〜4日と短く、日常生活で出る咳やくしゃみの飛沫で感染するという。勿論、溶連菌に汚染された飲み物やお菓子でも感染する。我が家の1歳、3歳、5歳の3人のちびっ子たちは、お互いに誰彼となく飲み物やお菓子を奪い合っているから、菌にとっては好都合な環境となっていて、上の孫娘の熱が下がったとおもったら、今度は3歳の孫息子が熱を出した。何時の時代もそうだが、子育て中の母親は片時も気が抜けない。

上の子を保育園に出せるようになった先週の半ばごろ、今度は孫息子が熱を出したので病院に連れて行く、と嫁から妻に連絡が入った。暫くしてその診察結果の連絡が入ったのだが、家に帰りそれを聞いた私は、息子たちの家からなかなか出て行かない溶連菌のしつこさに、驚いてしまった。熱を出した孫息子の検査結果は陰性だったのに、「チョット調子が悪いので念のために」と受けた嫁の方が陽性だったというのだ。肉ならば大人顔負けに食べる孫息子はやはり強かったか、と感心すると同時に、いつも3人の世話をしている母親は感染危険地帯の最前線にいるのだな、と改めて認識した次第である。

子供たちの回復が早かっただけに、「さて、これで溶連菌騒動はしまいかな」と期待したのだが、ところがドッコイであった。母の初盆で静岡に行っていた土曜日、嫁から息子に嫌なメールが入った。嫁の調子は戻ったらしいのだが、最初に具合が悪くなった下の孫娘がまた熱を出し、吐いたというのだ。溶連菌感染症は繰り返し罹ることがあり、しかも、別の大きな病気(合併症)の原因になりやすい細菌で、心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、血尿やむくみを伴う急性糸球体腎炎などが挙げられる、というから心配だ。

医療機関の受診日とその翌日は登校・登園できないものの、「有効な抗生物質を内服後24時間経つと感染力はほとんどなくなる」というのだが、まだ安心はできない。何しろ、この菌を完全に退治するには10日間〜2週間ほど抗生物質を飲み続ける必要があり、完治したかどうかは、発症時から2〜3週間後の検査でないと分からないというからだ。症状が治まったからといって油断は大敵なのだ。

初盆の翌日催された施食会(お施餓鬼)に参加した月曜日、妻がメールしたところ、下の孫娘も元気に登園して行ったという。とりあえず“やれやれ”だが、繰り返し罹った実績もあって、2〜3週間後の検査が気に掛かる。恐らく大丈夫、とは思うのだが…。


【文責:知取気亭主人】

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