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知取気亭主人の四方山話
 

『世界は一つに!』

 

2016年8月10日

8月5日(日本時間8月6日)、南米大陸で初となる「リオデジャネイロ・オリンピック」(以下「リオ五輪」と記す)が開幕された。開幕が近付くにつれ開催国ブラジルの課題が顕在化し、開催そのものが危ぶまれていただけに、ヤレヤレだ。というのも、現職の大統領が5月以来最大180日間の職務停止処分になっている上、自国開催に反対するデモが直前まで行われていたり、治安の悪さを懸念されていたり、ジカ熱の脅威や環境の悪さも喧伝されていたり、更には競技場や関連施設の建設遅れが指摘されていたりしていたのだから無理もない。しかし、昔テレビアニメの一休さんがよく言っていた「慌てない、慌てない!」ではないが、南米人特有のケセラセラ精神で、何とかなってしまった。いや、何とかしてしまった。リオのカーニバル同様、ブラジル人は何とも陽気だ。

 「卓球の愛ちゃんが自分でトイレを直した」とのネットニュースが流れているように、まだまだ色々な問題が出てきそうだが、このケセラセラ精神をもってすれば、山積する諸問題もきっと何とかしてしまうだろう。とは言うものの、これから17日間も熱戦・激戦が続くのに、過激派によるテロも心配されていて、このまま何事もなくフィナーレを迎えてほしいと願っている。リオ五輪の後には、パラリンピックも控えている。開催国のブラジルは、是非両大会を成功裏に終わらせ、南米の代表として、経済発展と政治・治安の安定に向け、歩みを速めてほしいものである。

ところで、今回の「リオ五輪」は、史上最多となる205の国と地域に、国際オリンピック委員会(IOC)が創設した「難民選手団」の10選手、個人参加を合わせた1万人を超える選手が参加するそうだ。しかし、この地球上にそんなに多くの国や地域があっただろうか。少し古くはなるが、手元にある2006年発行の地図帳、「帝国書院 最新基本地図 30訂版」を調べてみた。そこには、「国連加盟の動き」という一覧表があって、2002年9月にスイスと東ティモールが加盟して191ヶ国になったとある。1991年9月時点の加盟国が166とあるから、11年間で25ヶ国増えてはいるのだが、205にはまだ届かない。そこで、今現在どれくらいの国が国連に加盟しているのか、外務省ホームページの「世界と日本のデータを見る」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/world.html)を調べてみた。

それによれば、日本が国として承認しているのは、「自国を含め196ヵ国」とある。これらの国のうち「バチカン市国」、「コソボ」、ニュージーランドとの自由連合関係をとっている「クック諸島」と「ニウエ」は国連未加盟となっていて、日本承認国のうち192ヵ国が国連加盟国だ。これと反対に,日本が国として承認していないのに国連に加盟している国もある。北朝鮮だ。この「北朝鮮」を加えると193ヵ国が国連加盟国となる。2002年9月時点で191ヶ国だったから、それ以降の14年間で二つしか増えていないことになる。加盟スピードがこれだけ落ちたという事は、良いように解釈すれば、殆どの国や地域が参加し終わっている、という事なのだろう。

ところで、国連加盟国がすべてリオ五輪に参加しているとすると、205から193を引いた残りの12は国連非加盟の地域だということになる。12地域のうち「台湾」と「香港」、それに「パレスチナ自治区」と「コソボ」の4地区は、直ぐに思い浮かんだが、残りが分からない。ただ、入場式を見ていて、アメリカ領の「サモア」や「グアム」だとか、イギリス領の「ケイマン諸島」や「クック諸島」など、幾つかの島嶼地域が単独で参加していることを知った。原住民の自治意識が高まってきた結果、なのだろう。でも、残念ながら新疆ウイグル自治区やチベット自治区のように問題を抱えている地域は含まれていない。しかし、そういった地域を除けば、地球上のほぼ全ての国と地域が参加していると言ってもいいだろう。しかも戦争ではなく、平和に!

地球を俯瞰すれば紛争が絶えたことなどないのに、肌の色も言葉も、宗教も文化さえも違う国々の選手達が一堂に会し、武器ではなく、相手を傷つけることのないスポーツで競い合うなんて、何と素晴らしいことだろう。過度な競争心で、判定に不服を唱えたり、相手を非難したりすることは多少あっても、体に危害を加えることはない。そんな小さないざこざに目を瞑れば、世界が一か所に集う貴重な瞬間だ。金が掛かり過ぎるとか、商業主義に走り過ぎるとかの批判がないわけではないが、私はオリンピック大賛成だ。何しろ、世界が一つになれる数少ない時だからだ。  

話は変わるが、8月5日の日経新聞に、「独立行政法人海洋研究開発機構が、スーパーコンピューターを用いた計算機シミュレーションによって、2億5千万年後の地球(陸地)の予測姿を発表した」との記事が載った。それによれば、南極大陸を除くほとんどの陸地は、一か所に集まり、「アメイジア」と名付けた超大陸を形成するという。現在の大陸は、2億年前にあったとされる超大陸「パンゲア」の分裂でできたものだとされているから、分裂したものが再び集まって一つになるという訳だ。

こうした大陸の分裂は、これまで人間が犯してきた領土分捕り合戦によく似ている。欲望の赴くままに、弱肉強食を演じてきたというわけだ。「分裂した大陸が2億5千万年後また一つになる」ということは、領土分捕り合戦が無くなっていく、という暗示なのだろうか。そうであって欲しいと願うが、2億5千万年後とはいかでか時間が掛かり過ぎる。となると、スポーツや芸術が持つ可能性に頼るしか無いのかもしれない。世界が一つになるためには。


【文責:知取気亭主人】

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