いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『虫との遭遇』

 

2016年8月31日

まだしばらく猛暑日に悩まされる日々がありそうだが、暦の上では、季節は既に秋だ。「日中に吹く風が肌に心地良くなった」とまではいかないまでも、迷走台風となった台風10号が日本列島を横断する30日頃から朝晩ぐらいは秋めいてくれるだろう、と期待している。それを先取りするかのように、この四方山話を書き始めた28日(日)の金沢は、夕方になって随分と爽やかになった。虫にとっても居心地が良かったのか、19時になろうとしている今の時間、聞こえてくる虫の声も元気がいい。恐らく、秋の虫にとっても、異常なまでの残暑は、人間同様苦手なのだろう。

気になる週間天気予報を見ると、金沢の29日は前日から一転して35度の猛暑日予想だが、今週1週間の最低気温の方は21度〜25度となっていて、人間にとっても秋の虫にとっても、寝不足解消の嬉しい夜となりそうである。これで、新盆を過ぎたあたりから目立つようになってきた夜露も、一段と滴を大きくし、涼を与えてくれるに違いない。虫にとってもこれからが本番、と意を強くしていることだろう。そんな虫たちとの思わぬ遭遇を、先日、楽しませてもらった。お盆の頃から孫娘と虫捕りをしている駐車場で、草刈りをしたところ、色々な虫たちと思わぬ出会いをしたのだ。名前も分からない色鮮やかな虫もいた。

来週の日曜日に次男の結婚式があり、彼の養子先の義弟夫婦が我が家に来ることになっていて、刈り残して伸び放題になった部分がある駐車場が、どうにも気になっていた。そこで、「今日しかない」と27日の土曜日、草刈りをした。手鎌で刈り取って行くと、ブロック塀の根元付近に見慣れたジグモの巣が目に入ってきた。そーっとうまく引き抜くと、運が良いと土色のクモと遭遇できるのだが、今回は生憎逃げ足の方が早かったらしい。クモは普段は巣の地下部にいるのだが、巣の上を餌となる虫が歩くと、駆け上がってきて袋の中から牙を突き立てて捕らえるらしい。ダンゴムシが近くを通ったので観察していたが、残念ながら、期待通りのシャッターチャンスはやってこなかった。

代わりに、食事中のダンゴムシに遭遇できた。他のダンゴムシは逃げて行ったのだが、彼だけは一心不乱に落ち葉を召し上がっている。食事中のダンゴムシに初めて出会ったが、よく観察していると、なかなか迫力ある食べ方だ。

ジグモの巣とダンゴムシ  食事中のダンゴムシ  
ジグモの巣とダンゴムシ     食事中のダンゴムシ  

次に遭遇したのが、かわいらしいカナヘビだ。この駐車場では良く遭遇する、お馴染みの住人だ。こんなに近づいて写真に収めたのは初めてだったのだが、お蔭でカナヘビの耳の位置を知ることができた。目と前足の間にある、灰色がかった窪みがそうらしい。しかし、こうしてまじまじと見ると、愛嬌のある中にも精悍な顔をしているのが分かる。まさに、狩人の顔である。今回、そんな狩人の片鱗を見せた瞬間があった。ショウリョウバッタとのにらみ合いだ。

カナヘビを撮り終って、次に遭遇したのは、ショウリョウバッタのオスだった。このショウリョウバッタも撮り終って草刈りを再開しようとした時、バッタが動いてカナヘビの前を飛んで行った。その瞬間、見事な早業で、バッタの止まった草のすぐそばまで走り寄り、バッタと対峙した。カナヘビは、「餌だ!」と飛びかかろうとしたのだろう。「壮絶なバトルが始まる!」と期待して、暫し観察していたのだが、一向に飛び掛かる気配がない。「他人が見ている前では恥ずかしくて食事できない」という繊細な神経を持ち合わせているのか、近くに寄ってみたら「大きすぎて手におえない」と判断したのか知る由もないが、5分ほどにらみ合ったまま動かない。痺れを切らして目を放してしまったから、その後どんな結末になったか知らないが、にらみ合いの様子をカメラに収めておけばよかった、と悔やまれてならない。

精悍な顔つきのカナヘビ  ショウリョウバッタ  
精悍な顔つきのカナヘビ     ショウリョウバッタ  

苔の上で、のそりとスローモーションのように動いていたナメクジにも遭遇した。撮影の準備をしながら見ていると、逃げ出すことも無く、同じ場所に留まったままゆっくりと、威嚇のポーズなのか写真のように二つ折れになった。こんな動きをしたナメクジは初めてだ。鳥など空中から襲う天敵に対する防御姿勢なのだろうか。殆ど、威嚇にも擬態にもならないと思うのだが…。

次に遭遇したのが、生まれて初めて見た、右下の写真に写っている虫だ。足が6本で、頭と胸と腹に分かれているように見えるから、恐らく昆虫だろう。そう思って、ネット上で公開されている写真などを手掛かりに、いろいろ調べたのだが分からない。ただ、この駐車場でもときどき見かけるマイマイカブリと同じゴミムシの仲間ではないか、と思っている。が自信はない。「ひょっとしたら新種なのかも」などと妄想も生まれてきて、手に載せるなどしてもう少し詳しく観察しておけばよかった、と今になって悔やんでいる。それにしてもド派手な色をしている。草むらの中でもひときわ目立つ。こんなに目立って都合は悪くないのだろうか。敵にすぐ見つかってしまうのに…。

ところが、敵には見つかりやすい色をしているのだが、ネット上では名前は一向に見つからない。いよいよ読者の皆さんに尋ねなければと考え始めた矢先、石川県の白山市(旧鶴来町)に、「石川県ふれあい昆虫館」(http://www.furekon.jp/)という、虫を調べるにはもってこいの施設があることを思い出した。ずうずうしくも写真を送り、調べていただいた。さすがプロである。すぐに解明してくれた。

ナメクジ   サシガメの幼虫  
ナメクジ     サシガメの幼虫  

私が予想したゴミムシの仲間ではなく、サシガメとよばれるカメムシの仲間だそうだ。しかも、私が遭遇したのはその“幼虫”で、幼虫だと同定が困難なので“サシガメの仲間”とまでしか分からないという。私にとってはそれだけでも十分だったのだが、「肉食のカメムシで、他の昆虫の体液を吸うような昆虫だ」と、習性まで教えていただいた。これだけの情報があれば、孫娘に知ったかぶりができ、少しはジージの威厳も保たれるというものだ。有り難い!

ということで、「石川県ふれあい昆虫館」の皆さんには大変お世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。ありがとうございました。


【文責:知取気亭主人】

  
 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.