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知取気亭主人の四方山話
 

『世界寄付指数』

 

2016年12月14日

12月7日、以前人気を博した漫画の主人公、タイガーマスクこと「伊達直人」が、本名を公表した。河村正剛さん(43歳)がその人だ。2010年のクリスマスの日、「伊達直人」を名乗る人物によって、群馬県の児童相談所にランドセル10個が届けられた。これを皮切りに、その後各地で、同じように「伊達直人」を名乗る人物によってランドセルや文房具など寄付が行われるようになり、「タイガーマスク運動」と呼ばれる慈善運動に発展していった。その運動のきっかけを作ったのが河村正剛さんだった、という訳だ。なかなかできる事ではない。同じ「伊達直人」でも、方や漫画の中のヒーロー、河村さんは実在する人、子供たちにとっては正真正銘のヒーローだったに違いない。本当に素晴らしい。

幼少期の経験が、このような慈善活動に繋がったと河村さんは語っていたが、同じようにランドセルを買ってもらえなかったことがあった私なのに、彼のような行動をとることができなかった。多少の寄付は毎月続けているが、足下にも及ばない。恥じるばかりである。ましてや、GDP世界第三位の経済規模を誇るこの日本で、貧困児童が増えているという実態を聞かされると、自分は何をしてきたのだろう、また何をしてこなかったのだろう、と反省しきりである。

実は、丁度その河村さんが名乗り出た頃、NHKラジオから、寄付に関する興味深い話題が聞こえてきた。英国の慈善団体が毎年発表している「世界寄付指数」なるものがあって、先ごろ2016年のランキングが発表され、「日本は140ヵ国中83位だった」というものだ。“世界第三位の経済規模”だとか、“世界屈指の先進国”だとか、他の国家と比べて日本がいかに優れているかが喧伝され、為政者を中心にその気になっている国民が多いようだが、本当に優れているのだろうか。本当に世界に向かって胸を張れるのだろうか。

こと経済に関しては、確かに、世界屈指なのかも知れない。しかし、“優しさ”のひとつのバロメーターである“寄付”に関しては83位、というショッキングな現実を突き付けられた。阪神淡路大震災や東日本大震災、あるいは今年4月に発生した熊本地震など、大きな災害が起こるたびに、ボランティア活動や寄付金のニュースが溢れているのに、140ヵ国の中で下位の方に甘んじているというのは、正直驚きだ。ランキングの高い国々と比べて何が足りないのだろう。そこで、「世界寄付指数」なるもの調べてみた。

ウェブサイトの「ganas」によれば(http://www.ganas.or.jp/20161104charity/)、「世界寄付指数」は、英国の慈善団体「チャリティエイド基金(CAF)」が、3項目の慈善活動について毎年統計を取って、発表しているものだ。ベースとなるのは、調査日までの過去1カ月に、@見知らぬ人を助けたか、A金銭を寄付したか、そしてBボランティアをしたか、について米調査機関ギャラップがそれぞれの国でアンケートを実施したもので、その結果を基にCAFが順位付けしているらしい。

3項目それぞれの点数に応じた順位が付けられていて、先程の「日本は140ヵ国中83位」というのは、Aの「金銭を寄付したか」についてのみで、3項目を平均して付けられる総合順位だと、114位と大きく沈む。「先進国は皆似た様な順位か」というと全くそんな事はなく、世界一の経済大国アメリカは、例年1、2を争うほど慈善事業に積極的で、2016年でも堂々の2位である。その他、上位10位までに入った先進国としては、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリスなどが挙げられ、日本が大きく見劣りしていることが分かる。因みに、日本は先進7か国の中で最低の順位らしい。

なおかつ、上位10位までに、1位のミャンマー、5位のスリランカ、7位にインドネシアの東南アジアの発展途上国が入っているのが目を見張る。これらの国は、日本と違って経済的支援を受けることが多いのに、慈悲深さでは、逆に日本の遥か上位にランクされている。また、「国民総生産」に替わって「国民総幸福量」を提唱しているブータンも、これまた堂々の18位だ。日本の国民は、本当に幸せなのだろうか。そんな疑問を持ってしまうような結果だ。生産性や経済効率を追い求めすぎた結果、なのではないだろうか。下の表-1に、総合順位のベスト10とワースト10、そして日本を含めたランキングを示したので、そんな目で見ていただくと感じるところが有る筈だ。


2016年世界寄付指数ランキング
 

如何だろう。皆さん想像した通りの国が名前を連ねていただろうか。こうして見ると、ワースト10に名前を連ねたのは、大なり小なり紛争地域を抱えた国が殆どだ。そうした国では、他人に慈善活動を施す、そんな余裕は持てないのだろう。そういう目で改めて日本のランクについて考えてみると、血は流されていないものの、紛争とまではいかない何かギスギス感の靄に覆われた国になってしまっているのかもしれない。

河村さんは、「…児童養護の支援拡充に繋がってほしい」と、実名を明かした理由を述べたそうだが、政務活動費を私的に流用したとされる都知事や地方議員たちは真正面を向いて聞くことができたのだろうか。また脱税に心血を注いでいる欲深い人達は、耳が痛くなってこないのだろうか。そうした人達が恥じ入る国になってほしいものである。さすれば、もう少し潤いのある住みやすい国になるのではないか、そう思っている。

オッと、忘れるところだった。最後に、前話の問題の答えを書かなければいけない。我慢できなくなったお姫様は、何と、ザブンと湖に身を躍らせてしまったのだ。「ずぶ濡れになってしまえば分かるめえ!」という訳だ。この話にはまだ先があって、姫を助け事情を知った松平家では、三顧の礼でこの姫を迎えたという。何ともめでたい話である。


【文責:知取気亭主人】
 

生まれたばかりの四人目の孫

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