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知取気亭主人の四方山話
 

『教育界のノーベル賞』

 

2017年3月8日

世界で最も注目度の高い賞である「ノーベル賞」は、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6分野において、人類の発展や平和に貢献をした人物に贈られる賞である。こうして書き出すと分かり易いが、全ての分野を対象にしているわけではない。例えば、対象外の代表例としては、生物学や地学、更には“恋人を取られたから分野を設けなかった”云々の噂がある数学などが挙げられる。そうしたノーベル賞の対象外となっている分野では、独自の賞を創設して表彰している例も少なくない。

例えば、若手数学者に贈られる「フィールズ賞」もその一つである。何年前だったか忘れたが、有名な「フェルマーの最終定理」の証明に成功した数学者が受賞して話題になった賞だ。フィールズ賞は、1936年に始まり4年に1度、優れた業績を上げている若手数学者(基本的には40歳以下という制限があるらしい)に贈られるものだ。因みに、これまでに小平邦彦氏、広中平祐氏、森重文氏の計3名の日本人が受賞している。

また、「建築」という実学の分野ではあるが、よく耳にする賞として、建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」がある。100年以上の歴史があるこの賞は、アメリカの高級ホテルチェーンのオーナー一族が運営する財団が、顕著な業績を上げた建築家に対して表彰しているものだ。これまで丹下健三氏や安藤忠雄氏など日本人6名も受賞していて、日本でも比較的馴染みがある。折しも、3月6日に配信されてきた日経アーキテクチュア・ウェブ会員メールに、2017年の「プリツカー賞」に関する記事が載っていた。初めて、同時に3人の建築家受賞が決まったというものだ。

この様にノーベル賞の対象外となっている分野でも人類に貢献している人達はたくさんいて、そうした分野の人達に光を当て顕彰することは、大変意義のあることだ。しかも、それが世界的に認知され価値のある賞であれば尚更だ。今回のテーマの一部にもなっている教育も、是非とも光を当てたい分野のひとつである。何しろ、これまで述べて来たそれぞれの賞も、教育が無ければ、賞そのものの存在すら無かったのだから。

確か先週の月曜日、もしくは火曜日だったと記憶しているのだが、朝のNHKラジオを聴いていて、「教育界のノーベル賞」と呼ばれる賞があることを知った。「グローバル・ティーチャー賞」と言うらしい。その「グローバル・ティーチャー賞」のファイナリストであるトップ10に、ブラジルの20代の先生が選ばれたというのだ。詳しいことは覚えていないが、恵まれない子供たちの教育に情熱を燃やしている先生らしい。

ファイナリストに選ばれると、中東のドバイに集まって最終選考に臨み、パネルディスカッションなどを行って、最終的に一人が選ばれるのだという。賞金は100万ドルだというから、ノーベル賞と何ら遜色はない。しかし、「教育界のノーベル賞」と、気軽には使えない「ノーベル賞」が付いているにも拘らず、これまで聞いたことがなかった。恥ずかしながら、日本で話題になった記憶もない。昨年には日本人の教諭もトップ10に選ばれたことがあるというのに、である。そこで早速調べてみた。

「グローバル・ティーチャー賞」は、イギリスの非営利団体である「バーキー財団」(公式サイト:https://varkeyfoundation.org/)が2015年に設立した、今年で3回目となる賞である。歴史は浅いのだが、昨年トップ10に選ばれた日本人の教諭、工学院大学付属中学教頭の高橋和也氏のインタビュー記事によれば、昨年のエントリーは8,000人だった、というから凄い人数だ。世界中からエントリーしているらしい。(https://www.blwisdom.com/linkbusiness/linkplace/spinterview/item/10563-24.html?catid=n1607)。

別のネットニュースによれば、昨年は148ヵ国からエントリーがあって、最終的に選ばれたのは、パレスチナのヨルダン川西岸で教鞭を取る女性高校教員だった、とある。遊びを通して学ばせる教育法が評価されたらしい。この賞は、世界各国からの応募者の中から、ファイナリストの前に50人が選ばれ、次にファイナリストして10人にまで絞られ、最終的に一人に贈られるシステムになっている。財団の公式サイトを見ると、今年選ばれたトップ10は、パキスタン(女性)、スペイン、イギリス、ドイツ(女性)、ジャマイカ(女性)、カナダ(女性)、ブラジル、オーストラリア、ケニヤ、中国(女性)の先生たちで、同じ国の先生は一人もいない。また、男女半々だったというのも、この賞の公平さがうかがえる。

さらに、公式サイトには50人の名前と写真も公開されているのだが、出身国を見ると世界各国から選ばれているのが分かる。人種にも、宗教にもとらわれていないのが読み取れる。素晴らしいことだ。世界各地で苦労されている先生たちにとって、これほど励みになる賞はないだろう。ただ、残念なのは今年の50人の中に日本人がいないことだ。いろいろな意味で頑張っている先生はいる筈なのに、英語での応募というのがネックになっているのだろうか。来年は是非、50人に残ってほしいものである。

そういえば、今話題になっている森友学園の籠池理事長は、応募する気はないだろうか。安倍首相が共鳴したという「しつけ」に相当力を入れているというから、その点を強調して応募してみてはどうだろうか。もっとも、応募したとしても、金の臭いばかりが目立ってダメかもしれない。建設費の補助金申請で不正があったことも明らかになり、刑事事件の被告になってしまえば、応募そのものもできない。でも、「教育よりも金」では、“賞金目当て”と思われてしまうのが落ちかな?

【文責:知取気亭主人】

   
梅(下向きに咲くと雨が多いとか?)
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