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知取気亭主人の四方山話
 

『生命力』

 

2017年9月20日

自慢できることではないが、昨年の春頃から急に病院にお世話になることが増えて来た。昨年4月に「めまい病」で救急搬送されて以来(詳しくは、四方山話667話「救急搬送顛末記(1/2)」と668話「救急搬送顛末記(2/2)」)、病院の敷居が随分と低くなってしまった様だ。同じ年の9月末には、入院こそしなかったが肺炎に罹り連日点滴に通うことになってしまったし(第690話「CRP15」)、今年になると5月の下旬に再び肺炎に罹り、この時は空きベッドが在った事もあって、しっかりと入院治療することになってしまった。そして、先週の検査入院である。

第732話「病は異なもの縁なもの」で紹介した、長い間我が家の掛かりつけ医としてお世話になった故土谷先生の御存命時、いつもの雑談時に、「レントゲンでも冠動脈の石灰化が分かるんですよ」と言いながら私の胸部レントゲン写真を改めて見てくれた。すると、「少し石灰化がありますね」と言う。しかし、検査を進められることもなかったので、気にも留めずにいた。昨年9月に肺炎になった時だ。この後紹介状を書いてもらい、肺炎治療のため総合病院に掛かることになるのだが、その総合病院で、レントゲンに続き胸のCT検査をしてもらった。そして、もうこれで通わなくてもいいですよと言われた最終日、土谷先生の話を思い出し、冠動脈の石灰化があるのか聞いてみた。

肺炎の病巣ばかり注視していた担当医は、改めてCT写真を見ながら、「ありますね」と驚いた様子も見せず言った。「循環器で詳しく検査してもらいますか?」と聞かれたのだが、土谷先生の息子さんが循環器の専門医だったこともあり、まずその息子さんに相談することにした。そして、肺炎も癒えて1か月後ぐらいだっただろうか、息子さんに石灰化の話をすると、「65歳以上の人は多少なりとも石灰化していますよ。胸が痛いとか自覚症状はないんでしょ。だったら心配ないですよ」と、あっさりしたものだ。でも、その物言いのお蔭で、さして深刻に考えずにいられた。

ところが、土谷先生が亡くなり、新しい掛かりつけ医として診てもらうことにした転院先のO先生に石灰化の話をしたところ、私の無頓着さは一掃されることになる。先生の話では、確かに加齢とともに石灰化の人は増えるが、念のために検査をしておいた方が良いとのこと。結局、紹介状を書いてもらい、くだんの総合病院に掛かることになった。

造影剤による検査をしたところ、確かに石灰化が進んでいることと、左右2本ある冠動脈(左は根元で2本に枝分けれしている)の右が極端に細いことを指摘された。ただ、造影剤による検査だけでは細部については分からないので、更にカテーテル検査をした方が良いと言う。その結果によって、ステントを入れるか投薬治療にするか、決めましょうとのこと。そのカテーテル検査のための検査入院が先週だったのだ。

左手首の動脈から細い管(カテーテル)を入れての検査だ。手頸に局部麻酔をするだけだから、じっと身動きしないでいる必要はあるのだが、目も耳も普段と変わらない。そこで、興味津々、モニターを見ようとしたのだが、メガネを外してきたのを忘れていた。加えてモニターの位置が悪く、さっぱり見えない。仕方なく、耳をダンボにして先生たちの話を聞くことにした。すると、どうやらそんなに深刻ではない様子が伝わってくる。検査前に「ステント治療が必要な状況なら一挙にステント挿入までやりましょう」と言われていたのだが、その必要はないらしい。一安心だ。結局、検査は20分そこそこで終えることができた。

その日の夕方、検査結果の説明に担当医の先生が病室まで来てくれた。その説明によると、まず極端に細い右の冠動脈は、先の方で詰まってはいるが、それを補うようにバイパスができているという。カテーテルが入らないぐらい細いのは、生まれつきらしい。しかし、人間の持つ生命力なのだろう、その細さを補うようにバイパスが発達し、詰まった先までもそのバイパスが伸びていっているという。何という生命力だ。“ノミの心臓”だとばかり思っていたのに、どっこいそうでもないらしい。アッパレ我が心臓、である。

もう一方の右冠動脈については、枝分かれした2本ともに、1カ所ずつ石灰化したところに多少の狭窄がみられるという。しかし、今すぐステントを入れなければいけない程ではないらしい。ひと安心だ。締め付けられるような胸の痛みはこれまで一度も経験していないから大丈夫だろう、と内心思ってはいたものの、「カテーテル検査をしなければ…」と言われた時には、正直不安になった。念には念を入れての検査だったのだが、これで冠動脈に関しては、しばらく自信をもって過ごせそうだ。

もっとも、これまで飲んでいた高脂血症の薬は継続する必要があるし、「お酒もほどほどに」との生活指導が耳に痛い。やはり、何事もほどほどに、というのが健康の王道かもしれない。しかし、頭では分かっていても、何かあっても持ち前の生命力で体の方が自衛措置を講じてくれるのではないか、との甘い囁きも聞こえてくる。今回の検査で、その囁きは勢いを増しそうだ。特に、お酒については“今の量がほどほど”なのだろう、と密かに思っている。そんな変な自信を持たせてくれた、今回の検査だった。

なお、インターネットで「心臓 冠動脈 画像」と入力して検索すると、リアルな画像が見られるので、興味のある方は是非ご覧あれ。

【文責:知取気亭主人】


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