いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『校下運動会』

 

2017年10月18日

まだ10月とは思えない冷たい霧雨が時々白髪頭を濡らしていた15日の日曜日、そんなハッキリしない秋寒の天候とは真逆の、楽しく健康的な催し物に参加してきた。「杜(もり)の里りんぴっく」と名付けられた校下運動会だ。孫娘が通う小学校で開催された、在校生は勿論、父兄や未就学児、そして高齢者も参加できる地区対抗運動会である。しかも、見物人としてではなく、今年1年生になったばかりの孫娘の保護者としての参加だ。運動会そのものへの参加も保護者としての参加も、疎遠になって随分と久しい。確かなことは記憶していないが、凡そ20年ぶりぐらいだろうか。

今回、保護者として参加したのには訳がある。父親である私の長男が膝を手術してその術後が思わしくないのと、嫁のお母さんが運動会前夜に緊急入院するアクシデントがあって、孫娘の両親が揃って参加できなかったのだ。そこで、体力はないが気持ちだけは昔のまんまのスーパーサブ登場、という訳である。ただ、元々見物には行くつもりでいたから、代役といってもそんなに違和感はない。それよりも、前の週末に聞いていた、くだんの運動会の様子に興味があって、かえって積極的に参加してきたのに近い。というのも、情報によると、私が以前経験した地区対抗の校下運動会とどうも様子が違うからだ。

情報源は、以前その運動会に関わった経験のある、同じ町内に住む元町会長の奥さんだ。その話によれば、孫娘が通う小学校は開校間もない(平成19年4月開校)ということもあってか、地区対抗の運動会ではあるものの、3地区にしか分かれてないのだという。子供の数が減ったのは分からないでもないが、3地区だけとはいかにも寂しい。私の子供達が通っていた小学校での校下運動会(その頃は、「社会体育大会」と呼んでいた)は、確か5地区以上の対抗戦で行われていて、結構盛り上がっていたと記憶している。尤も、賑やかな対抗戦を楽しんだその小学校は、生徒数が減って統廃合の対象となり、数年前ついに廃校になってしまったから、寂しさという点ではこちらの方がインパクトはあるかもしれない。

さて、その校下運動会。参加地区は確かに3地区と少なかったのだが、運営に携わっていた人達が賑やかに盛り上げてくれていて、孫娘も色々な競技に出場して大はしゃぎの楽しい一日となった。聞いてはいたが、運営には近くにある大学の学生達も参加していて、何とか盛大に盛り上げようとする主催者の熱意が心地良く伝わってくる、そんな運動会であった。長男からもらったプログラムによると、主催は「杜の里リンピック実行委員会(杜の里子ども会連合会、杜の里小学校育友会、NPO法人クラブぽっと)」とある。私が町会役員をやっていた20年ほど前を思い返してみると、「子ども会連合会」と「育友会」は恐らく当時もあったと記憶しているが、残りのひとつ「NPO法人クラブぽっと」は、初めて聞く名前だ。

初めて聞くのはこればかりではない。進行役から良く出ていた名前に、「杜もり青年隊」というのがあった。どうやら、背中に派手な文字が書かれている、揃いの緑色のTシャツを着ている元気の良いお父さん達だ。ネット情報によれば、当該小学校に通う児童の父親有志で構成された会で、現在20名の隊員がいるとある。そして、行事の企画運営、当該小学校育友会行事のサポート、地域や学生たちとの交流、地域行事への参加やサポート等の活動を行っている、と説明されている。どうやら、こうしたサポートをしてくれている人達が、皆元気に溌剌としていて、運動会を盛り上げてくれているのだ。揃いのユニホームを着た大学生達も、若々しくて見ていて気持ちが良い。お蔭で、これまで経験した校下運動会も楽しかったが、それに負けず劣らず楽しい運動会となった。孫もご満悦だ。

さて最後に、名前だけ出して飛ばしてしまった、「NPO法人クラブぽっと」(以下、クラブ)についても紹介しておきたい。内閣府のNPO法人ポータルサイトに書かれている同クラブの目的は、「この法人は、地域住民に対して運動・スポーツ・文化活動を中心とした事業を行い、会員の資質向上及び会員相互の親睦と交流を図り、子どもたちをはじめ地域住民の健全な心身の育成に寄与すること、健康あふれる楽しいまちづくりに貢献することを目的とする。」と書かれている(https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/017000357)。つまり、スポーツを通しての“まちづくり”が主な目的となっているクラブらしい。

その確認にと、クラブのホームページ(http://mori-spo.wixsite.com/clubpot)も覗いてみた。そこに掲載されている【設立までの経緯】を読むと、目的の再確認ができたばかりでなく、主催者の中にクラブの名前が入っていることや、大学生や「杜もり青年隊」が積極的に参加している理由も、良く分かる。以下にその原文の一部を紹介する。

私たちは,「ちょっと運動がしたいけど、機会がない」と感じる住民の想いと「子どもたちと関わり,指導できる機会がない」と感じる大学生の想いに応えるため,「ちょっとした時間に気軽に運動ができ」,「関わり方や指導のスキルアップができる」場と機会を提供する「杜の里スポーツクラブ」を平成21年3月に設立しました。そして今日までの3年半の間に,地域の子どもたちが夢中で取り組む学習と運動・スポーツの機会を,子どもたちの指導を通して地域の中で大学生が学べる機会を,中高年が気持ちよく健康づくりに向かい合う機会を提供することができました。 …中略…  平成24年度総会において,杜の里スポーツクラブをさらに発展させるための検討をしようとの決議に基づき,理事会と作業部会での検討を重ねた結果,地域を支える組織として責任ある法人となることが必要であると決断いたしました。

成る程である。この経緯を読むと、これまで私が経験してきた校下運動会と違って、笑いに包まれる楽しい競技が多いのも頷ける。「がんこな大声コンテスト」のように地区全員が参加するものもあるし、主婦垂涎の競技「バーゲンセール」のように、主婦の逞しさをとことん見せてくれる競技もある。勿論、応援団からは笑いの渦だ。このように、いずれの競技も一味違った趣向が凝らされていて、見ている者の表情筋を緩めてくれる。愉快な運動会だ。

こうした趣向を凝らした競技や、大学生がスタッフとして積極的に関わっている姿を見ると、「子どもたちの指導を通して地域の中で大学生が学べる機会を…」にも納得だ。そして、クラブのホームページに「卒業生スタッフ」が掲載されている意味も理解できる。まさに、地域づくり、人づくりのクラブだ、と言っていい。

とかく世知辛い世の中、また地域コミュニティーの崩壊が叫ばれている現代、こうしたクラブの存在は大変意義がある。また、できて間もない校下であることや地域の団結力を生むお祭りがないなど、当該校下の特殊性を考えると、このクラブの存在が既に地域づくりには欠かせないものになって来ている、と感じるのは私だけではないだろう。ガンバレ、クラブぽっと!

【文責:知取気亭主人】

 

ガンバレ、未来のオリンピック選手!
ガンバレ、未来のオリンピック選手!  

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.