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知取気亭主人の四方山話
 

『1980年代後半に何があった?』

 

2018年1月24日

私が住む金沢市では、先々週の週末に西日本の日本海側を襲った寒波によって、雪には慣れている街だった筈なのに、至る所で市民生活に影響が出た。片側2車線の幹線道路は、雪が雨に変わった先週の半ばが過ぎても1.5車線状態が続いていた。幹線道路から一歩脇道にそれれば、除雪が追い付かない道が多く、ガタガタですれ違いもままならない。そんな脇道では、立ち往生している車が多く、そこかしこで脱出に四苦八苦している。会社の周りでも例に漏れずで、雪道の運転に慣れている筈の宅配の車もはまっている。コンビニの商品が入らない、との話も聞く。

金沢市は戦災に会っていないため狭い道が多い。しかも新興住宅街でないところは、住民の高齢化が進んでいて、日本海側特有の湿った重い雪の除雪はままならない。そしてもうひとつ、すっかり車社会になってしまっていることも、雪に弱い街になってしまっている原因なのだろう。当社にも、いつもであれば宅配便が集荷に来てくれるのだが、12日の金曜日から19日の金曜日まで、ヤマト運輸も佐川急便も集荷に来られないとの連絡が入った。久しぶりの大雪なのと例年より随分と早く本格的な雪になったことで、まだ除雪に慣れていない時期だったことも混乱に拍車をかけていたのだろう。

今回の寒波での金沢における最深積雪は、62cmと発表されている。最深積雪が50cmを超えたのは2011年以来だというが、そんなに前になるのか記憶が定かでない。そこで、気象台の金沢におけるデータを調べてみた(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php)。雪に関して連続したデータのある1961年以降の、最深積雪と合計降雪量をグラフにしてみた。それが、次のグラフだ。なお、2018年は1月16日までのデータで作成してある。

図-1、金沢市の最深積雪と合計降雪量
図-1、金沢市の最深積雪と合計降雪量

このグラフを見ると、1980年代後半を境に、前後でグラフの形が全く違うことが分かる。金沢気象台の庁舎が標高の低いところに移転(官署の海面上の高さが26.1mの旧庁舎から5.7mの現庁舎に移転)している影響かと思ったのだが、「気象官署履歴」によれば移転は1991年の10月とあるから、多少はあるかもしれないが根本原因ではなさそうだ。また、観測方法や機器の違いによる可能性もあるが、この図を作成した元データには、前後のデータが均質でないのは2005年と2006年の間とある。そうすると、やはり降り方が違うということになる。ただ、金沢だけの現象の可能性もあるので、お隣の富山市と福井市のグラフも作成してみた。

図-2、富山市の最深積雪と合計降雪量
図-2、富山市の最深積雪と合計降雪量
図-3、福井市の最深積雪と合計降雪量
図-3、福井市の最深積雪と合計降雪量

この両市のグラフを見ると、金沢市ほど顕著ではないが、同じように1980年代後半を境に前後で降り方が違う。以降は最深積雪も合計降雪量も明らかに少なくなってきていて、特に合計降雪量の経年変化が少ないところで安定している。この時期に一体何があったのだろう。ラニーニャやエルニーニョ現象が影響している可能性もある。ということで、気象庁ホームページに掲載されている「エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)」(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/elnino_table.html)を調べてみたが、北陸三県に限ってみれば、1980年代後半以前も以降も同じように出現していて、特に相関関係は認められない(表-1参照)。結局、何が原因でこのようなグラフになったかは不明のままだ。ただ、今シーズンの雪の季節はまだ2カ月近くもある。グラフはこのまま落ち着いてくれるのか、それとも以前と同じように大きく跳ね上がるのか、今(24日)も今季最強の寒波が襲来しているだけに気がもめる。

もっとも、1980年代後半から数えて、たかだか30年しか経っていない。地球規模の気候変動から比べれば、30年などクシャミの一瞬でしかない。これから先、1980年代後半以前と同じように、あるいはそれ以上の大雪になっても不思議ではない。外の景色を見ると、そう考えておくのが良さそうだ。だって、外は吹雪で真っ白だ!

表-1、エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)
表-1、エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)
気象庁ホームページより転載(※表中の差とは、エルニーニョ監視海域海面の基準水温との差)

【文責:知取気亭主人】

雪には苦労もするが、こんな楽しみもある。
雪には苦労もするが、こんな楽しみもある。

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