いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『仮想通貨?』

 

2018年2月7日

石、貝、獣皮、金、銀、紙、これらは、これまでの人類の長い歴史の中で、貨幣として使用されてきた代表的な材料だ。この他に、珍しい宝石や、鋳造技術が確立した間もない頃の青銅など金属が使われていた歴史もある。そのいずれもが、実在し目に見える材質のものが使われてきた。それなりに希少価値があり目に見えて確認できる物なら、信用ができ、安心もできるからだ。しかし、その信用や安心の裏返しとして、偽造とのイタチごっこの歴史を歩むことになる。今我々現代人が日常使っている貨幣もそうだ。

皮肉なことだが、これまでのそうしたイタチごっこによって、貨幣の製造技術は格段に進歩を遂げてきた。進歩したことによって偽造に金が掛かり過ぎメリットが無くなってきた為なのか、最近の日本では偽造事件など殆ど聞かなくなった。数年に一度、「カラーコピーされた紙幣を使って逮捕された」などの、単純な手口の犯罪が報道されるだけだ。一時良く囁かれた“スーパーK”なる偽造ドル紙幣の噂も、最近はとんと耳にしなくなった。もっとも、ドル紙幣を扱う世界や業界では、今もこの偽造貨幣に手を焼いているのかもしれない。

いずれにしても、これまでの貨幣の偽造は、実際手に取って確認できるからこその犯罪だったのだ。逆に言えば、目で見てその価値が確認できるからこそ貨幣だ、と思っていた。ところが、今世間を騒がしているのは、そうした認識とは明らかに違う。目に見えなくてもやり取りされている通貨があるのだ。目に見えなくてもやり取りされている、一体仕組みはどうなっているのだろう。錆び付いた頭では皆目見当がつかない。仮想通貨のことだ。

ところで、“偽造云々”の話の時に使用していたのは、“貨幣”であった。これから頻繁に出てくるのは、“通貨”である。貨幣と通貨、どう違うのだろう。広辞苑で調べてみたが、広義の意味では大きな違いはなさそうだ。ただ、多国間でやり取りされるという意味では、“通貨”の方がしっくりくる。したがって、少々ややこしいかも知れないが、このまま使い分けることにする。

その仮想通貨、交換業業者のコインチェック社から580億円分もの仮想通貨(NEM)が不正流出して、大騒ぎになっている。しかも、くだんの交換業者が値下がり分を考慮した顧客の損失460億円を自己資金で賄う、というから二度ビックリだ。良くそんな大金があったものだと感心したが、3日の日本経済新聞朝刊(以下日経)を読んで腑に落ちた。顧客と売買する際に、売買の往復で最大10%の利ザヤを上乗せしているビジネスモデルが、大きな収益をもたらしているのだという。日経によれば、コインチェック社の資本金は0.47億円だというから、(仮想通貨が世に出てまだ間もない)僅かな期間のうちに巨万の富を得たことになる。マイナス金利がとやかく言われているこのご時世に10%とは、何とも美味しいビジネスだ。上手いことを考えるものである。

さて、今年の流行語大賞になりそうなこの仮想通貨、ネットで調べてみると、ビックリするほどたくさんの種類があることに驚かされる。「仮想通貨ランキング(時価総額上位100通貨)(http://www.morningstar.co.jp/vc/index.html)」(以下、ランキングサイト)には、そのタイトル通り100通貨が掲載されているが、実際にはそれ以上の通貨が流通していることになる。一体どれほどの種類の仮想通貨が出回っているのだろう。ネットでは1500以上という説明もある。「仮想通貨なるものがあってネット上では既に使われている」ということは知っていたが、ここまでその数が多いとは、実態が把握されているのか不安になってくる。

不安と言えば、今回のような不正に対する安全性もそうだが、仮想通貨そのものの信頼性は大丈夫なのだろうか。上位にランクされているものはさすがに大丈夫そうな気もするが、どうなのだろう。因みに、今回不正流出したNEMは、100社中第10位にランクされているから、それなりに信頼を得ているのだろう。もう一つ私が知っている、数年前同じように不正流出したビットコイン(Bitcoin)は、堂々の1位である。

仮想通貨で驚かされるのがもう一つある。その値動きの激しさだ。コインチェック社がNEMの不正流出を発表したのが1月26日、その6日後の2月1日と11日後の2月6日の昼ごろにランキングサイトを見たところ、上記2通貨の時価総額は急激に下落していたのだ。次表がそれをまとめたものだが、たった5日間で4割〜5割近くも下落している(次表参照)。恐らく、発表する直前から比べれば、それ以上下落しているのだろう。まるで博打の様だ。


仮想通貨?

しかも、時価総額も思いの外莫大で、第1位のBitcoinは、2月6日時点で11兆6593億円もある。これが多いのか少ないのか皆目見当もつかないが、実際の商取引も含め、かなりの人が利用しているのだろう。ただ、投資目的の人にとっては、急激な下落は人生に狂いを生じかねない由々しき事態だ。実際、流出事件でインタビューを受けていた人の中には、かなりの金額をつぎ込んでいた人もいたらしい。

手軽に短期間で多額の利益を得ることができる、そんな虫のいい話はこの世の中には無い。私と同じように宝くじで一獲千金を夢見る皆さん、やっぱり額に汗して働くのが一番ですぞ!

【文責:知取気亭主人】


一円だって、恋もしたけりゃ夢もある…

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.