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知取気亭主人の四方山話
 

『“書き換え”と“改ざん”』

 

2018年3月21日

安倍政権、中でも総理、副総理の周りがかまびすしい。言わずと知れた、森友問題に関する文書書き換え騒動だ。公文書の書き換え疑惑が朝日新聞に報じられて以来、暫くはくすぶっていただけだったのだが、先週になって事実だと分かり、大炎上している。それはそうだろう、書き換えられる筈のない公文書が書き換えられてしまったのだから。政治家の意向があったのか、それとも異常なまでの忖度だけだったのか、これから明らかにされるのだと思うが、民主主義の根幹を揺るがす大騒動になっている。加えて、麻生副総理兼財務大臣のやや上から目線の答弁や、前理財局長だった佐川氏一人を悪者にしたような姿勢が、火に油を注ぐ事態になっている。

また、先週末には、文部科学省(以後、文科省)前事務次官だった前川氏が名古屋市内の中学で行った講演内容について、文科省が教育委員会に問い合わせしたことが明らかになり、行き過ぎだとの批判が相次いでいる。文科省は「政治家の意向はなかった」と否定しているが、自民党議員の照会に応じて問い合わせしたとの見方が報じられていて、「教育現場への政治介入だ」との声が大きくなり始めている。しかしそこまでするとは、一体何が気掛かりなのだろう。

こんな報道ばかり続くと、この国の官僚たちはどちらを向いて仕事をしているのだろう、と訝ってしまう。皆が皆とは思いたくないが、少なくとも我々国民の方に向いていない人がいたということだ。我々国民は、彼らにとってどうでもよい存在なのだろうか。確かに、彼らの出世には全く影響しない存在ではある。しかし、彼らの給料は我々国民の税金だということを忘れているのではないだろうか。言えるものなら、『庶民をないがしろにするとしっぺ返しを食らうぞ!』と声を大にして言ってやりたい。とまあ、粋がってはみても、選挙で選ばれている人達ではないから、我々に何ができるという訳でもない。しかも自分の保身や出世のための忖度であれば、顔を向けている方向が人事権者の方であっても仕方がないか、と諦めてしまいそうだ。

ただ、この森友問題については、立派な先生たちが集まっている国会や、真実を報じるという矜持を持ったジャーナリストが、いずれ必ずや詳らかにしてくれるに違いない。と、思う。(心配ではあるが)信じて、その時を待っていたい。したがって、詳細な経過情報はテレビや新聞に任せることにして、ここではちょっと視点を変え、菅官房長官がこだわる“言い回し”について考えてみたい。

菅官房長官は、今回財務省が行った行為を「“改ざん”ではなく“書き換え”だ」とこだわっているという。どうやら、「主文が書き換えられていないから改ざんではない」という考えらしい。決裁済みの文章や文言を削除してしまったりしたのだから“改ざん”でも“書き換え”でも同じようなものだと思うのだが、こだわらなければならない程、意味に違いがあるというのだろうか。そこで、国語辞典で調べてみた。

まず、困った時の広辞苑(第四版)を調べてみると、“改ざん”は、「字句などを改めなおすこと。多く不当に改める場合に用いられる。」と説明されている。一方“書き換え”は、「@書き改めること。A効力を失った証書に代えて、同じ効力を持つ証書を作成すること。また、その新たな証書。」と書かれている。こうして比べてみると、“改ざん”という言葉には「不当に」という装飾が付いている。つまり、「悪意を持って書き改める」ということになるのだ。官房長官の言い分は、この「不当に」には当たらない、ということなのだろう。

ではもう一つ、手元にある旺文社国語辞典(第八版)ではどう説明されているだろう。同辞典によれば、“改ざん”は、「自分のつごうのよいように文書の文字・語句を書きかえること。」とある。まさに、今回の事案そのものを端的な表現で言い表している。一方の“書き換え”は、「@書き改めること。書き直すこと。A証書などの内容を書き改めること。」と書かれていて、前述の広辞苑とほぼ同じ説明だ。この説明を読めば、“書き換え”にはより良いものにしようとする意識も含まれているのに対し、“改ざん”には悪意が含まれていることが分かる。それは二つの辞典ともほぼ同じだ。

こうして二つの説明を並べてみると、官房長官が一生懸命官僚をかばおうとしても、今回の事案は、どう考えても“改ざん”である。しかも、公文書を書き換えれば「公文書偽造・変造」の罪(作成権限のある人なら「虚偽公文書作成罪」)に問われることは公務員であれば百も承知で、不当であることを承知の上で行った筈である。また、不当であるからこそ、「文書は残っておりません」などと嘘の国会答弁を繰り返し、隠ぺいしようとしたのだろう。

しかし、ここまで国民をバカにした事実が明らかになっているのだから、表現をどう言い換えてもやったことが許される訳ではない。だとすれば、ここは潔く、「“書き換え”よりは“改ざん”が当たっています」と認めた方が良い。だって、国民はみんな“改ざん”だと思っていますよ!

【文責:知取気亭主人】

土筆(後から後から出てくる)
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