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知取気亭主人の四方山話
 

『日本人とアルコール』

 

2018年5月2日

人気グループTOKIOの山口メンバー(腑には落ちていないがメディアに合わせてこう表現しておく)による強制わいせつ騒動で、芸能関連を得意とするワイドショー番組がかまびすしい。東京オリンピックのフラッグアンバサダーに決まっているほどの人気グループだけに、影響は熱狂的なファンのみならず、多方面に広がる様相を呈している。どうやら酒に酔ったうえでの醜態らしいが、何とも情けない話だ。ニュースで伝え聞くところによると、事件を起こす前もアルコールに起因すると思われる肝臓の治療で入院していたというから、酒に関しては結構だらしなかったらしい。私もとやかく言える立場ではないが、諸々のストレスから酒に逃げたのだろう。ただ、酒の上のこととは言え、犯した罪は重い。典型的な呑兵衛がやらかした失態、と一言で片づけられる問題ではない。

アイドルであるからには、自らの行動には人一倍気を使っていた筈なのに、なぜ酩酊するほど飲んでしまったのだろう。元々、日本人にはアルコール分解酵素を持っていない人が多く、分解酵素を持っている欧米人に比べてアルコール中毒になり易い、と聞いたことがある。「山口メンバーもそうだ」と断言できる訳ではないが、我々の先祖であるモンゴリアンのご婦人にたまたま分解酵素を持たない人がいて、日本人の多くがそのDNAを受け継いでいるためだというのだ。確かに、私の周りでも酒に弱い知り合いが多い。家内もそうだし、長男の嫁も、長女の婿殿一家も晩酌の習慣は全くないという。

家内について言えば、学生の頃は多少飲めていたと言うのだが、私と知り合ってからは、飲めてビールコップ半分だ。それでいい気分になるのだから、燃費はすこぶる良い。いつの頃からか記憶は定かでないが、僅か注射の時のアルコール消毒でさえ、赤くなるようになってしまったらしい。その分私の飲める分が増えて有り難いのだが、多少はたしなめる方が人生豊かになる、と勝手に思っている。

ただ、飲めない人から言わせれば、「それは左党の勝手な言い分で、飲めなくても一向に平気」と啖呵を切られるのに違いない。恐らく、酒に代わる、と言うよりは酒に勝る楽しみを持っているのだ。それに比べると呑兵衛は、酒に意地汚いのに加え、山口メンバーではないが意志が弱くていけない。しかし、意志が弱いのはさて置いても、日本人はどうして欧米人に比べて酒にも弱いのだろう。そんな他愛もない疑問の答えの一端が、先日、ネットニュースに載った。日本人が欧米人に比べて酒に弱いのは進化の結果である、との私にとって驚きのニュースである。

先月の26日、YAHOO!ニュースに、「酒に弱い日本人が増えるよう『進化』 遺伝子情報から判明」とのタイトルの記事が載った(https://news.yahoo.co.jp/pickup/6280509)。理化学研究所などの分析でわかったものだ。体内でのアルコール分解には、2種類の代謝酵素が関わっていて、それぞれの酵素には働きが強いタイプと弱いタイプがあるのだという。欧米人などには2種類共に強いタイプが多いのに比べ、日本人には弱いタイプの酵素の方が多いのだという。ただ、“どうしてなのか”は不明らしい。

原因は特定できないものの、期間にして数千年、世代数にして凡そ100世代かけて進化してきた結果だという。進化した結果だというからには、酒に弱くなると何らかのメリットが有った筈なのだが、今となっては想像を働かせるしかない。貴重な呑兵衛遺伝子を受け継いでいる者の責務として、ここはとっておきの想像を働かせるしかないだろう。そこで、ここからは呑兵衛の勝手な、そして楽しい想像を広げてみたい。

数千年前と言えば、日本はまだ弥生時代である。当時の酒の使い方としては、神への捧げ物やハレの日の飲み物として、つまり“特別なもの”として使われていたのだろう。しかし、当時から酒に意地汚い輩がいて、台所の料理酒にも手を出すようなもので、神仏をも恐れぬ不届き者が手当たり次第に盗み呑みをしていたことは想像に難くない。彼らは現代のアル中と同じように、グウタラぐうたら、飲んだら働きもしないで日柄一日だらだらと過ごしていたに違いない。それを見ていたのが、幼子を抱えた相方だ。腹が立つやら悔しいやら、もう金輪際飲ましてやらない、との怒りがメラメラと燃え上がってきた。

その怒りは、やがて酒に向けられたとしても不思議はない。そんな酒に怒りを持ったご婦人の、その後に生まれてくる子供は、みんな酒に弱い酵素をたくさん持って生まれてくることになってしまった。一度そうした子供が生まれれば、その後は相方の思うつぼ。代々弱い酵素が受け継がれることになる。恐らくこのようにして、度を越した呑兵衛の子孫ほど酒に弱くなっていく、と言う因果な遺伝が成り立ってしまったのだ。

したがって、今酒に弱い日本人の多くは、遥か昔の先祖はかなりの呑兵衛だったに違いない。逆に、今でもそこそこ飲める私の先祖は、相方を困らせるほどの呑兵衛ではなかったということである。さすれば、相方がそんなに迷惑そうにしていない今の私の飲み方であれば、今暫くは酒に弱い遺伝子は増えないのではないか、と密かに期待している。

とまあ、こんな勝手な想像をしてみたのだが、意外と当たっているのではないか、と思っている。だって、想像だけなら罪にならないからね。

【文責:知取気亭主人】

散歩コースのツツジ
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