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知取気亭主人の四方山話
 

『オシッコの臭い』

 

2018年6月20日

今年もまた父の日がやってきた。これを書き始めた日(17日)がまさにその日だったのだが、街ではプレゼント商戦真っ盛りで、あの手この手の売り込みが熱を帯びている。我が家の子供たちも、土曜日に一日早いお祝いの会を開いてくれて、素敵なプレゼントまでくれた。子供が四人もいると、こういう時にはラッキーだ。エッ、何をプレゼントしてもらったか教えてほしいですって、イヤイヤそんな無粋なことは聞かないでいただきたい。

ただ、そうは言いながらも、内心教えたい気持ちもある。そこで、恐らくこれだったら羨ましがられないだろうと思われる、変わり種を一つ紹介しよう。それは長女から贈られた、形のないプレゼントである。当然、形がないのだから“物”ではない。“物”ではないのだが、私にとっては何ともありがたいモノであった。それは、「四方山話のネタにどう?」と教えてくれた、毎週のどから手が出るほど欲している話のネタである。

察するところ、お産で里帰りしている娘が、ネタ探しに苦労している私の姿を見て、助け船を出してくれたらしい。父の日の2週間近くも前に言ってくれたこともあって、本人はそのつもりもないようだが、私は父の日の素敵なプレゼントのひとつだと思っている。しかも、私好みのネタときている。迷うことなく、早速今回使わせてもらっている、という訳である。さてその情報だが、オシッコの臭いを感知する能力に関するもので、娘の話を再現するとこうだ。

「アスパラガスを食べた後、オシッコの臭いが変わるのだけど、それに気が付く人と気が付かない人がいて、それはどうやら遺伝らしいの」
 「私は違いが分かるけど、お父さんとお母さんはどう?」

かいつまんで言えば、オシッコの臭いの嗅ぎ分け能力で遺伝子が受け継がれているかどうか分かる、というものだ。しかし、全ての遺伝子の受け継ぎが分かるということではないにしても、オシッコで遺伝子が受け継がれているかどうかの証明ができるとは、目から鱗である。ただ、食事中にオシッコの話ということもあって、その場に居合わせた家内と思わず顔を見合わせてしまった。

しかし、私がいくら前立腺肥大と親しくお付き合いをしているからと言っても、オシッコについてそんなに真剣に考えた事はない。当然ながら、食べた物によってオシッコの臭いが変わるなど、考えたこともない。そこで、娘には「どうかな?」と曖昧な返事をしていたのだが、時々嫌な臭いがすることを思い出した。そのことを伝え、「でも、薬のせいかと思っていた」と答えていたのだが、たまたまその日の夕食にアスパラガス料理が出ていて食後2時間ほど経ってトイレに行くと、確かに青臭いような独特な臭いがするではないか。時々感じていたあの嫌な臭いと同じだ。

早速、娘に報告をすると彼女も体験していたらしく、「ネー、でしょっ!」と嬉しそうな返事が返ってきた。家内はというと、「分からない?」という。どうやら家内は、私と違ってオシッコの臭いの違いが分からないらしい。その後、兄弟やその連れ合いにもLINEで質問したらしいのだが、17日現在、反応は無いという。まだアスパラガスを食べていないか、感知できないかのどちらかだが、早く知りたいものである。

と言うのも、四人ともしっかり受け継いでくれている白髪は、私も家内も白髪頭だからどちらの遺伝子が色濃く反映されているか分からないのだが、嗅覚に関しては、オシッコの臭いを嗅ぎ分けられるかどうかで、私の遺伝子、家内の遺伝子、どちらを受け継いでいるのか分かることになるからだ。恐らくジグゾーパズルの様に、私と家内の遺伝子が複雑に組み合わさっているのだと思うが、「オシッコの臭いを嗅ぎ分ける能力に関しては、俺の遺伝子だ」と言い切れるのが痛快だ。

ところでこの問題、真剣に研究している人達がいて、娘が教えてくれたウェブサイトの「未知のなかば」(http://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/michi/25689)には、その辺りのことが載っている。それによれば、2016年にアメリカの研究チームがヨーロッパ系アメリカ人の男女6,909人を調査した結果、男女ともに60%前後もの人たちが嗅ぎ分けられなかったというのだ。半数以上の人が嗅ぎ分けられないとはビックリだが、どうしてそうなるかというと、嗅ぎ分けられなかった人たちには嗅覚の遺伝子に変異が見つかるらしい。こうした傾向は日本人にも見られるという。さすれば娘と私は、嗅覚遺伝に変異の無い劣勢グループの貴重な存在、ということになりそうだ。

またこの問題、命に係わる問題でもないのに、「臭い」「臭くない」と今から120年以上も前の1890年代から議論が続いていたというから面白い。「DIAMOND 男の健康」にそうした内容の事が書かれているが(http://diamond.jp/articles/-/154624)、この話題は英国医師会誌に掲載された、立派な研究だという。同医師会誌のクリスマス号には毎年ユーモラスな研究を載せるのが習わしになっているらしいのだが、2016年に掲載されたのがこの「アスパラガス問題」だった。120年以上に亘る熱いバトル(?)に、ようやく終止符を打つことができたという訳である。オシッコの話題だけに、議論の垂れ流しは我慢できなかったのかな?

【文責:知取気亭主人】

ドクダミ(この花の匂いも結構強烈だ)
ドクダミ(この花の匂いも結構強烈だ)

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