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知取気亭主人の四方山話
 

『赤ちゃん誕生の神秘と愛着ホルモン』

 

2018年6月27日

今、我が家には長女が里帰りしている。初めてのお産に向けての里帰りだ。予定日は来月の15日、後3週間もすると、私たち夫婦にとって5人目の孫の誕生となる。今は本人も我々夫婦も、「アッ、動いた」とか「シャックリしている」などと一喜一憂しながら、その日が来るのを楽しみに待っている。

その長女が先日、珍しいものを見せてくれた。今住んでいる長野県安曇野市からもらったという、「ママの妊娠・出産を応援するみなさんへ」と題する、妊娠初期から出産までの、“胎児の成長”と“お母さんのからだの変化”をイラスト入りで説明している、言うなれば“妊娠・出産の手引書”である。その裏側には、「赤ちゃんを育てるためにお母さんのからだはどう変化するの?」とのタイトルで、“赤ちゃんのからだ”と“お母さんのからだ”について、箇条書きながら細かに説明されている。私たちが子供を産み育てた時にも、また先に生まれた4人の孫の出産時にも、お目に掛かったことがない。家内も初めて見るものだ。

恐らくだが、昔に比べると今の時代は、若夫婦だけで出産・子育てする世帯が増えたことに加え、共稼ぎがごく一般的になってきていることから、出産前も出産後も夫の協力が必要不可欠になってきているからだろう。また、最近とみに耳にするようになってきた“配偶者などによるDVや乳幼児に対する虐待”の増加も、こうした資料を配布するようになった一因なのかも知れない。とにかく、そうした背景を意識して書かれているとしか思えない内容で、 明らかに“夫向けに書かれている”と思われる表現が使われているのだ。

したがって、家内の妊娠・出産を傍で見て来た私でも、その多くが初めて知ることばかりだ。と言うよりも、記載されているのは、これまでの日本人男性にとって触れることのなかった情報ばかりだ、と言い換えても良いのかも知れない。「産み育てるのは女の仕事」とばかりに、子供の事は奥さんに“おんぶと抱っこ”を決め込んできたこれまでの日本の社会では、“男には特に教える必要のない事”と考えられていたのだろう。事実、我々が中学・高校で習った保健体育には、性教育などでさえ習った記憶はない。

ではどんなことが書かれているかと言うと、表には、妊娠初期症状に出てくる“つわり”について、その代表的な症状と共に、その対策や工夫が、「つわりのある時は、空腹を避け、食べたいものを食べたい時に食べる」や「家事や仕事で無理をしない」などと書かれている。そして中期には、お腹の中で赤ちゃんが大きくなることによって、臓器が圧迫されて生じるお母さんの体調変化として、息切れ、動機、腰痛、食欲低下、頻尿などがあると説明されている。どれも、本人以外は実感できない事ばかりだ。要するに、「妊婦さんはこうした辛い思いをしているのだよ、だから大事にいたわってやって!」と男性パートナーに訴えているのだ。

勿論妊娠後期から出産にかけてもその変化が書かれていて、特に出産前後でホルモンバランスが急激に変化するため、出産後「マタニティブルーズ」と呼ばれる軽いうつ状態に陥る人が30〜50%もの頻度でいることや、「産後うつ病」と言われる強い抑うつ症状が見られる人も約3%程度いるという。何となく聞いてはいたが、こんなにも高い確率だとはビックリだ。こうしてみると、妊娠・出産・育児には男性パートナーの理解と支えが必要だ、と改めて再認識させられる。振り返ってみると、私など全くの失格パートナーだったと反省するばかりである。

一方、赤ちゃんについてはどうかというと、表にも裏にも赤ちゃんのからだの成長・発達の概要が一目でわかるように書かれていて、改めて“赤ちゃんは神様からの授かりもの”を実感させられる。3週目ぐらいに心臓と脳の原型ができ、次に肝臓と目耳鼻ができ、6週目に入ると手足ができ、肺ができ始めるなど、徐々に人間としてのからだの機能を獲得していく様子が良く分かって、大変興味深い。そして、32週目に入ると『肺の表面に、空気が入ってもつぶれないようにするための物質が付き始める』など、お母さんのおなかから出ても大丈夫なように準備をし始めるというから凄い。その成長過程たるや、まさに神秘である。5人目の孫を授かるに至って初めて、“赤ちゃんの神秘的な成長”を知った。

こうした、“お母さんのからだの変化”と神秘的な“胎児の成長”を知ると、“母体の大切さ”と“母子の絆の強さ”に気付かされ、そして生まれてくる我が子への愛情がどんどん深まっていく、筈である。私も改めて気付かされたが、赤ちゃん誕生までの道のりは、まさに奇跡の連続であるからだ。母と子に愛着ホルモンが生まれる理由もここにあるのだと思うが、そうした“命の奇跡”を知ることで、父親の愛着ホルモンのその量もぐんと増えるのではないだろうか。

最近、父親は言うに及ばず、絆がより強い筈の母親から虐待を受け、亡くなる乳幼児が後を絶たない。心が荒んでいると言ってしまうのは簡単だが、そんな批判をしても問題は解決しない。娘が見せてくれたこの資料が意図するように、母体の変化に気遣い、生まれてくる赤ちゃんは奇跡の存在であることを理解して愛情を注ぐ、そんな両親になれるようにお互いが理解し合い、助け合うことが重要なのだと思う。こんなロートルにもそんなことを考えさせてくれた、大変意味のある資料であった。

なお、娘が見せてくれたのと全く同じ資料は見つけられなかったが、西宮市が「父子手帳」なるものを配布しているのを娘が見つけてくれた。気になる方は、そちらをどうぞ。(https://www.nishi.or.jp/kosodate/ninshin/ninshingawakattara/hajimeni/fushitetyo.
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【文責:知取気亭主人】

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