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雪崩防災週間とは?

 雪崩防災週間は現在の国土交通省(当時の建設省)が「雪崩災害に対する国民の理解と関心を高める」ことを理由に平成元年に制定されました。期間は毎年12/1〜12/7の一週間を雪崩防災週間と位置づけ、ポスターの掲示やパンフレットの配布および広報誌への掲載や雪崩防災シンポジウムを開催し、広報活動を行っています 。
雪崩とは?

 最近では、映像として簡単にお茶の間で見ることが多くなりました。残念ながら、その映像の殆どは悲劇的なものが多いように思われます。しかし、その映像を通じて雪崩というものが、どういったものかが実際に体感してない方々でも似たような想像をすることはできるようになりました。雪崩を不意に手元にあった古い広辞苑で調べたところ「表層雪崩と底雪崩とがある。」と記載されています。日本雪氷学会では雪崩形態として表層雪崩と全層雪崩に大別されます。広辞苑でいう、底雪崩とは全層雪崩の事だと思われます。実際にモデル図を記しますが、簡単に説明すると積雪した中で弱い層(以後弱層という)ができ、その弱層が滑り落ちる形態を表層雪崩。地表面が滑り面となって、積雪全ての層が滑り落ちる形態を全層雪崩としています。

表層雪崩モデル図

全層雪崩モデル図

 
雪崩の種類は約30万種!

 「雪崩の世界から」(新田隆三著 古今書院出版)を読んだ方なら、ご存じかと思いますが、その中で「国際分類(1973年)は出来過ぎている感じがする」と前置きしながらも、以下のように分類されています。
・ 発生の原因(4種類)
・ 発生の形態(5種類)
・ 滑り面の位置(6種類)
・ 発生時の雪の水分(3種類)
・ 通過区の形態(3種類)
・ 堆積区内の混入物(6種類)
・ 運動形(3種類)
・ デブリの粗さ(5種類)
・ 堆積した雪の水分(3種類)
・ 堆積区内の混入物(6種類)
 以上の組み合わせによって、約30万種類の雪崩形態が完成します。日本雪氷学会では、雪崩の発生時の状況に主体を置き、雪崩発生の形・雪崩層の雪質・滑り面の位置の3つから、区分した結果次のような分類をしています。

表1 雪崩の分類

出典:「道路防雪便覧」(日本道路協会)

表2 雪崩の名称と解説

雪崩の名称

解説

点発生
乾雪表層雪崩

気温が低いとき、降雪中に起こりやすい。雪庇、樹枝、露岩などから落ちた小雪塊がきっかけとなることが多い。乾いた雪が雪煙となってなだれる。雪崩後は判別しにくい。斜面上の一点から、くさび状に動き出す。小規模なものが多い。
面発生
乾雪表層雪崩
 気温が低いとき、既に積もったかなりの積雪の上に、数10cm以上の新雪があるときに起こりやすい。低い気温が続く間、降雪中、降雪後を問わず起こる。斜面上のかなり広い面積にわたり、一斉に動き出し大規模であるものが多い。巨大な雪煙を伴い、山麓から数kmに達することがある。大災害を起こすことがある。
面発生
乾雪全層雪崩
 本州に起こるものと北海道に起こるものでは発生の機構が異なる。本州では斜面上の既に積もった雪の上に、気温が低いとき急速に多量の新雪が積る際、その荷重で斜面上の積雪全層が幅広くなだれ落ちることがある。表層の乾いた新雪層は雪煙となって山麓から遠くにまで達する。新雪層の下の雪が古い雪の場合は、その雪は雪煙とならず、流れるようになだれて行く。北海道では、きびしい寒気が長い間続くと、地面付近の雪層がくずれやすいもの(しもざらめ層)に変わり、それが崩れて全層がなだれ落ちる。表層の乾いた雪の層は雪煙となりやすく、山麓から遠くにまで達する。両者のなだれとも、なだれた雪が山麓から遠くにまで達するということで、面発生湿雪全層なだれと異なる。
点発生
湿雪表層雪崩
 20〜30cm積もった新雪層が、好天暖気にさらされた時に起こる。スノー・ボールがきっかけとなり、湿った雪の層がくさび状にしかも縮まるように運動を始め、斜面が長ければ、崩れて流れるような運動をする。小規模なものが多い。春先の、表面がざらめ雪となった積雪が、十分な暖気にさらされた場合にも起こる。
面発生
湿雪表層雪崩
 降雪後、天気が良く気温が上がった時に、発生しやすい。面発生乾雪表層雪崩の雪崩層の雪が水気を含んでいる場合である。なだれる雪は、雪煙とならず、流れるように落ちて行く。
発生
湿雪全層雪崩
 春先の融雪期に多いが、冬でも気温が高いと起こりやすい。斜面上の頂上近くに、雪の表面から地面まで割れ目ができ、地面と積雪下部との間に雪解け水が流れて隙間ができてくると、雨の日とか暖かい日にこの雪崩が発生しやすい。大規模のものが多く斜面上の固い雪が、時には地はだを削り取って行く。雪煙は伴わず、流れるように運動する。大きな災害を伴うことが多い。

出典:「道路防雪便覧」(日本道路協会)

点発生表層雪崩のモデル

面発生全層雪崩のモデル

 雪崩の種類には表1、2のような分類がされています。表2の解説には「乾いた雪が雪煙となってなだれる。」とか「雪煙は伴わず、流れるように運動する。」といった運動形態の説明がされています。日本道路協会では、雪崩の運動形態を3種類としています。下図がその運動形態のモデル図とその特徴です。
湯之谷村 湿雪全層雪崩 91年

(写真提供:新潟大学 和泉薫 助教授)
 

表3 運動形態のモデル図と特徴

名称 モデル図 特徴
煙り型  
 雪煙状になり、その高さは数10mに達することもある。その速度は速い。一般に気温が低く降雪中に発生することが多い。
流れ型
 外見では、水流状で雪面に沿って流下する。気温が高い時に発生する全層雪崩に多く見られる。
混合型
煙り型と流れ型が一緒になって発生する。不安定な積雪の上に多量の新雪が積もり一緒になって発生する場合が多い。
 
もし雪崩にあったら

雪崩によって、遭難者が出た場合は次のような対処法が望まれます。
●雪崩に遭難した人が、どの位置に遭難しているかを確認しておく。
 確認しておくことで、捜索時間を短縮することが可能となります。一般的に雪崩に巻き込まれた人の救出は15分を境にして生存率が減少すると言われています。この時、ビーコン(発信機・受信機)を持っている方は、それを使って遭難者を見つけてください。持っていない方はコールしながら捜索を開始します。相手からの応答を伺うようにして捜索してください。手がかりとしては、遭難者の持ち物が見つかった場合、巻き込まれた地点との延長線上に遭難者がいることが多く、それをヒントに捜索を行うとよいでしょう。また、ゾンデという金属製の棒で、遭難者の位置を確かめる方法もあります。

●救助隊を要請する。
 遭難者を救出したら救助隊を要請します。(救出者の状態によっては、人口蘇生を行うことも必要です。) 救助を要請する場合は有料となる可能性が高く、ヘリコプターを1回出動させると、150〜200万円程費用がかかります。また、捜索活動を要請すると活動を行う人達への費用(日当+危険手当+宿泊費用等)が加算されますので、保険等への加入がお勧めです。

 

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