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設計VEのねらいと効果

VEのねらい

■イニシャルコストの縮減だけがVE ではない
 VE とコスト縮減を同一視する方が多いが、これは間違い。
 VE は生産物や生産活動のバリュー(価値)を改善、向上、保証するためのエンジニアリングであり、価値工学とも呼ばれている。その第一の特徴は、対象とするモノやサービスの機能を徹底的に解明するステップを踏むところにある。これまでと同じ機能をこれまでとは異なる手段で実現することによって、必要な機能を確保しながら、コストダウンを追求する。

■本質は国民が何を望むかである
 つまりVE は、「物の本質」を捉えて、エンドユーザーである国民が何を望んでいて、その要求に対して、コスト縮減と機能向上を両立させながら最適な調達を実現することに他ならない。必要なのは徹底した目的思考と柔軟な発想であり、少しでも良いモノを作ろうと願う全ての技術者が行うべき行為なのである。

期待される効果

■様々な段階における建設VE
 では建設におけるVE では、具体的にどの段階で適用されるべきなのだろうか。原理的には企画・計画、設計、施工、維持管理のいずれの段階でも適用できるが、国土交通省では、大きく分けると設計VE(設計段階)、入札時VE(工事入札段階)、契約後VE(施工段階)の3 段階において推進している。
 それぞれの段階において検討項目が異なるのでどの段階でVE を実施するのがいいとは単純に言えないが、一般には、建設コストや維持管理コストを決定するのは企画・計画、設計段階であり、また、詳細設計が出来上がった後の抜本的な見直しは大きな手戻りを伴うため、プロジェクトの早い段階でVE 検討を実施することが効果的と言われている。

■設計段階のVE の特徴
 設計段階のVE のやり方であるが、現設計図面を見ながら改善のためのアイデアを考えることもできるが、それでは現設計案にとらわれてアイデア発想の範囲が限定されがちになる。改善によって大きな成果を得るためには、原設計案にとらわれない自由な発想が望まれ、それを実現する最適な手法が設計VE である。
 設計段階においてVE を実施することは、設計条件が曖昧であったり、対象物のコストが詳細に算出できない段階であったりすることから、VE 検討をどのように取り組んだらいいのかが分かりにくい段階であると言える。しかし逆に見直しの自由度が高いため、要求仕様に対する機能・品質及び維持管理費も含めたコストとのバランスを考慮した設計の最適化を図ることが容易な段階であるとも言える。
 また、設計段階においてVE を取り組むことにより、発注者に限らず、受注者等に対しても、施工及び維持管理段階への設計意図の伝達や組織的かつ個人的な技術力向上にも繋がることが期待できる。

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