ISOと公共事業 ミニ知識 |
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1. これまでの検討の流れ(経緯) |
国土交通省では、公共工事へのISO9001適用の検討のため、平成6年度から各種調査やパイロット工事(平成8-9年度)および試行工事(平成12-14年度)を実施し、適用の効果や運用方針等について検討を進めてきました。
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平成6年度 |
・検討方針、内容等の検討 |
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平成7年度 |
・ISO9001パイロット工事(平成8-9年度)実施に関する検討 |
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平成8〜9年度 |
・公共工事における品質システム運用状況の把握 ・請負者の品質システム文書の審査、現地調査 |
パイロット工事(約50件) |
平成10年度 |
・ISO9001適用パイロット工事(平成8-9年度)における効果と課題検討 |
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平成11年度 |
・公共工事へのISO9001の適用方法と実施に関する検討 |
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平成12〜14年度 |
・公共工事へのISO9001の適用(試行) ・試行工事(平成12-14年度)の効果検証 |
試行工事 |
平成15年度 |
・ISO9001試行工事(平成12-14年度)の検証と今後の適用方針の検討 |
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2.
ISO9001パイロット工事(平成8-9年度)の実施により確認されたこと |
【公共工事に適用した場合の効果】 |
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【公共工事に適用した場合の課題】 |
(1)企業の品質に対する意識の向上 |
(1)工事関係書類の簡素化・標準化 |
(2)企業の品質に関する活動の透明性の向上 |
(2)ISO9001に対する発注者の理解の向上 |
(3)品質に関するアカウンタビリティーの向上 |
(3)品質システム運用状況の確認の必要性 |
【効果と課題】
課題はあるものの、公共工事にISO9001を適用することは、 ●公共工事の品質保証がシステムとして明確になる。 ●公共工事の品質に関する透明性が確保される。 と言える。したがって、公共工事にISO9001を適用することについては、発注者、受注者が積極的に対応することが望まれる。
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平成11年6月記者発表 |
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3. 試行工事(平成12-14年度)により確認されたこと |
【品質面への影響について】
試行工事(平成12-14年度)(監督業務を効率化した場合)での工事成績評点は、従来の監督業務を実施した場合と比べ、「出来形」「品質」「出来栄え」「総合評点」の点数において、ほぼ同等であった。 → 監督業務を効率化しても品質面への負の影響は認められない。
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【監督業務の効率化について】
段階確認等に監督業務を「請負者の検査記録」の確認等に置き換えることにより、監督業務の効率化がほぼ図られた。
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4.平成16年度からの実施方針 |
国土交通省では、これまでの検討結果を基に、ISO9001の公共工事への今後の適用方針を定め、平成16年9月に通達しました。
【取扱い方針の要点】
平成16年度以降の活用について ●
一般競争入札工事の場合
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・ISO9001認証取得を活用して監督業務の効率化を図る。 ・対象は全ての工事とする。 ・取扱いの適用は、請負者が希望し、発注者が承認したもの。
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公募型・工事希望型指名競争入札工事の場合
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・ISO9001認証取得を活用して監督業務の効率化を図る。 ・対象は、当面、発注総件数の1割以上とする。 ・取扱いの適用は、請負者が希望し、発注者が承認したもの。
| ただし、監督業務を実施する工事(重点監督工事)は対象としない(従来の監督を実施する)
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【活用のポイント】
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1. |
試行工事(平成12-14年度)に比べて、活用件数が大幅に拡大されます。 |
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2. |
受発注者における監督業務の効率化(試行工事(平成12-14年度)と同様の内容)を図ります。 → 請負者においては、自らの品質管理により円滑な工程管理を実施します。
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3. |
ISO9001の認証取得を入札参加条件としません。 | |
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