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 気象地震
災害で苦労されているすべての方々にエールを 〜災害映画特集〜
令和6年8月15日

 今回は、災害で苦労されているすべての方々にエールをお送りするために、災害映画特集として、いさぼうネット事務局おすすめの災害映画 4作品についてご紹介します。

【1.『シン・ゴジラ』】

<映画基本情報>

【公開日】:2016年7月29日
【監督】:樋口真嗣、庵野秀明
【配給】:東宝
【公式URL】:http://www.shin-godzilla.jp/

<あらすじ>

 東京湾・羽田沖で、東京湾アクアトンネルが突如大量の浸水に巻き込まれ、崩壊する原因不明の事故が発生した。首相官邸では総理大臣以下閣僚が緊急会議を開き、内閣官房副長官・矢口蘭堂は海中に棲む巨大生物による可能性を指摘。その後、海上に巨大不明生物の姿が現れ、政府関係者は慌てふためく。謎の巨大不明生物は上陸し、街を破壊し続ける。政府は緊急対策本部を設置し、自衛隊に防衛出動命令を発動。そして、川崎市街にて、“ゴジラ”と名付けられたその巨大不明生物と、自衛隊との一大決戦の火蓋が切られた。

<災害の種類>

地震、津波、ゴジラ災(人災)

<災害映画としてのポイント>

 この映画は、東日本大震災や福島原発事故、その当時の内閣の対応等をモデルとした映画です。ゴジラが上陸した際に逃げ惑う人々や想定外の事態と法律に縛られ、対応に遅れる政府の様子がリアルに描かれています。この映画の日本は災害(ゴジラ)と共存しなければならないという形になっているので、福島原発の問題や様々な災害問題を抱えた我々の日本と重なるのも災害映画としてのポイントだと思います。

<感想>

 見どころの一つ目は、ゴジラが熱線を放つシーンです。熱線で、赤坂・新橋・国会議事堂周辺が暗闇と炎に包まれ、そこを蹂躙するゴジラはまさに破壊神そのものです。
 見どころの二つ目は、ゴジラを駆除するために主人公の矢口とその仲間達はあるプランを完成するために必死に進めていた所、アメリカを始めとする世界各国がゴジラに対して熱核兵器を使用する事に批准しました。仲間達は、深く絶望していた所、矢口が「必ず間に合わせるんだ。諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう。」と言い放ち、活気づけるシーンが個人的に印象に残りました。
 この映画を通して、主人公のような最後の最後まで諦めない姿勢や心が少しでも、災害で苦労されている方々や復興支援で頑張っている方々への励みになれば幸いです。


【2.『The Day After Tomorrow(デイ・アフター・トゥモロー)』】

<映画基本情報>

【公開日】:2004年6月5日
【監督】:ローランド・エメリッヒ
【配給】:20世紀FOX
【公式URL】:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/day-after-tomorrow

<あらすじ>

 二酸化炭素の大量排出で温暖化の進む地球。南極の氷河を研究する古代気象学者はある日、自らの調査結果から氷河期の再来を予見する。彼は迫りくる危機を訴えるが、政府には相手にされず。やがて、その恐れが現実となり、巨大な竜巻などの猛威が世界中を襲い、急速な寒冷化が・・・

<災害の種類>

豪雨、暴風、竜巻、高潮、寒波、氷河期到来?

<災害映画としてのポイント>

 映画では、大西洋南北熱塩循環(Atlantic Meridional Overturning Circulation:AMOC)と呼ばれる海流の循環システムが突然停止したことで、急速な寒冷化が進み氷河期に突入するというストーリーが描かれています。この寒冷化のスピードや気温低下の激しさは、SF映画として、かなり誇張されて描かれていますが、AMCOは実際に存在し、気候変動の結果として実際にその循環が停滞し始めている可能性があることが、研究により判明しているそうです。

 そもそも地球は、その誕生以来少なくとも3回、氷河時代と呼ばれる寒冷な時代を経験しています。現在も「新生代後期氷河時代」であり、最近1万年間は、比較的温暖な間氷期であると考えられています。さらに、過去の超氷河期には、全球凍結(スノーボールアース)とよばれる、地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態をにあったとも考えられています。全休凍結時の地球の平均気温は−40℃、海の氷の厚さは平均で1400mとも推定する研究もあります。

 まさに、映画の中の想定外は、長い地球の歴史では想定内なのかもしれないと気づかされます。

<感想>

 ここまでいろいろそれらしくうんちくを並べましたが、今回、記事を書くにあたり、20年ぶりに新たな気持ちで見返してみました。感想は・・・単純に面白いです。今見ると、どうしても父親目線でつい見入ってしまいます。明日も父ちゃんガンバルゾーと思える作品です。頑張ってるすべての父ちゃんにエールを!


【3.『インターステラー』】

<映画基本情報>

【公開日】:2014年11月22日
【監督】:クリストファー・ノーラン
【配給】:ワーナー・ブラザース映画
【公式URL】:https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=4366

<あらすじ>

 舞台は異常気象によって食料飢饉が発生し、人類の滅亡が目前に迫っている近未来。元宇宙飛行士の経歴を持つ主人公ジョセフ・クーパーは、人類が居住可能な惑星を見つけ移住を行う「ラザロ計画」への参加を要請される。愛する家族を残し宇宙へ旅立つ彼は、人類を救う事ができるのか。

<災害の種類>

砂嵐

<災害映画としてのポイント>

 本作品で人類を滅亡寸前に追いやった災害(砂嵐)は、アメリカ中西部で実際に発生し、農業を崩壊させたダストボウル※から発想を得ているそうです。家の中のいたるところに砂が入りこんでくる、茹でたトウモロコシが主食として食卓に並ぶなどの劇中描写から、当時の方々が過酷な生活を強いられていた事が伺えます。
※)ダストボウルとは 1931年から1939年にかけてアメリカ中西部で発生した災害。環境よりも収穫を優先した過度な農地開発と干ばつが重なり、土壌が風で飛ばされる「砂嵐」が頻発した事で農作物が壊滅し、多くの農民が生活基盤を失いました。特にオクラホマ州やテキサス州が影響を受け、数十万人が移住を余儀なくされました。

<感想>

 主人公のクーパー(男性・35歳)が宇宙に旅立つ内容なのでジャンルはSF映画なのですが、私はクーパーとその娘マーフの親子愛が大きな見どころであると感じました。このままではマーフの代で世界が滅びると知らされた上で『家族と共に滅亡の日を迎えるか』『計画に参加し子供の未来を守る可能性に賭けるか』の2択を迫られたクーパーは葛藤の末に後者を選択しますが、マーフは猛反対します。説得を続けるものの最後まで娘の理解を得ることは出来ず、「必ず帰る」と言い残し、喧嘩別れの状態で出発する事となります。
 出発後もアクシデントは絶えず、『地球との通信は送信が行えず受信のみしか行えない』、『相対性理論により地球と時間の流れが違う』事が親子を苦しめます。周囲がクーパーの生存を諦めていく中、それでも父の生存を信じてビデオメッセージを送り続けるマーフと、自分が生存している事を伝える事も帰る事もできない状況で娘からのビデオメッセージをただ見続ける事しかできないクーパーの姿は、胸が締め付けられる思いになります。その後も到着する星々でトラブルが起こりますが、どれだけ絶望的な状況でも、約束を果たそうと諦めずに行動し続けるクーパーの姿と、マーフと交わした約束の結末は必見です。
 壮大な宇宙を舞台にした本作品は、専門家による科学的な考察と家族愛を見事に融合させた心に残るストーリーとしておすすめの1本です。災害で苦しめられる中でも希望に向かって突き進むクーパーの姿に、皆さまが少しでも元気づけられればと願います。


【4.『君の名は。』】

<映画基本情報>

【公開日】:2016年8月26日
【監督】:新海誠
【配給】:東宝
【公式URL】:http://www.kiminona.com/

<あらすじ>

 東京に暮らす少年・瀧(たき)と飛騨地方の山深い田舎町で暮らす少女・三葉(みつは)の身に起きた「入れ替わり」という謎の現象と、1200年ぶりに地球に接近するという「ティアマト彗星」をめぐる出来事を描く。 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

<災害の種類>

隕石落下 (衝撃波、爆風、地震、山火事、湖氾濫)

<災害映画としてのポイント>

 1200年周期で太陽を周る「ティアマト彗星」(作中に登場する架空の彗星)が地球に最接近した際、近地点で核が想定外に分裂し、三葉の住む岐阜県の糸守湖(架空の湖)付近に落下し、これにより、衝撃波、爆風、地震、山火事、湖氾濫が起こり新隕石湖が出来上がります。この災害で死者・行方不明者500人以上の被害を出し、一夜にして町は水に沈みました。
瀧と三葉は、この災害(隕石落下)が起こることを知り、この被害を回避すべく、仲間と共に被災地となる地域の人々を事前に避難させることに向かって動き出すところが、この作品の災害映画としての見どころだと思います。

<感想>

 作中では災害発生中の描写は少なく、被害状況は瀧が災害発生3年後に新聞、雑誌、書籍等で知ることになりますが、一瞬アップになった記事等を一時停止してよく見ると、細かく災害状況が記されていました。一瞬しか流れない部分も細部まで作り込まれているところはさすがだと感じました。
 また、全体にわたって大切な言葉の一つに、“むすび”があり、土地の氏神様を古い言葉で“むすび”と呼び、糸を繋ぐこと、人を繋ぐこと、時間が流れること全て“むすび”と言うとあります。この映画では復興は描かれていませんが、この“むすび”の概念で言うと、災害の起こった場所と人を繋ぐことや、被災して止まった時間を未来に繋ぐことなど、復興も“むすび”と言えるのかもしれないと感じました。
 また、「入れ替わり」がなぜ起こるのか答えを探す中で、自分の役目に気付き、この役目を果たすために行動を起こし、大災害の被害を最小限に食い止めるという目的を達成する部分の軸にあるものは、私たちが実際に災害に備えて行動する際にも必要となる準備なのではないかと思いました。
 いま災害が起こった場所で復興のために動いてくれている全ての皆さんへ、感謝と応援の気持ちを込めて、この「君の名は。」について、簡単ではありますが災害の側面から感想を送らせていただきます。

 最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ下記アンケートに回答いただけましたら幸いです。

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