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 「第57回 地盤工学研究発表会」参加レポート
2022.07.28

 はじめまして。わたしは、いさぼうネット新人取材班のMKです。
現在入社5年目、まだまだ土木勉強中の土木女子です。
 今回は、新潟県で行われた第57回 地盤工学研究発表会に参加してきましたので、その様子を報告します。

<「第57回 地盤工学研究発表会」概要>
開催日:2022年7月20日〜22日
会 場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
リンク:https://confit.atlas.jp/jgs57

 口頭発表は対面(現地)と、オンライン(Zoom)のハイブリッド方式で行われ、技術展示コーナーは3年ぶりに会場で行われました。
 講演数は特別セッションやディスカッションセッションを含め839件で、技術展示コーナーには60機関がブースを出展していました。
 カテゴリ別のセッション数と、その中で講演数の多かった主なセッション(3セッション以上あったもの)は以下のとおりです。

主なカテゴリ 総セッション数 主なセッション
調査・分類 8 サウンディング・物理探査
地盤材料 20 粘性土・中間土、砂質土・礫質土、リサイクル材料、改良土・軽量土
地盤挙動 10 圧密・圧縮、地盤改良
地盤中の物質挙動 5 浸透
地盤と構造物 29 ダム・堤防、杭、地中構造物
地盤防災 21 斜面、液状化

 地盤防災カテゴリの「斜面」セッションには計48本の講演があり、AIを活用した研究や、地下水・地表水の解析、画像を使った地すべり調査などの論文がありました。

 一般セッションの中でわたしは、「補強土②」と「降雨・浸透」のセッションを聴講しました。
 「補強土②」セッションでは、リサイクル材料(クリンカアッシュ)の引抜き試験、補強材のリブの有無による引抜き試験、スクリュー付き補強材の引抜き試験、引抜き速度による土層の挙動解析、クリープ変位量と引抜き抵抗の関係、路面下の空洞に関する実験、マットレス工法の大きさによる鉛直荷重の実験、マットレス工法の最適な大きさを測るための実験、計8本の発表がありました。
 このセッションでわたしが気になったのは、クリンカアッシュという材料です。
 わたしはこの材料を知らなかったので調べました。クリンカアッシュとは、「石炭を燃焼させた時に発生する石炭灰のうち、ボイラの底部に落下した石炭灰の塊を回収し、脱水・粉砕した灰のこと」(https://www.rikuden.co.jp/ash/clinker.html 北陸電力HPより)で、砂質土の代わりに使用するそうです。

 「降雨・浸透」セッションでは、斜面上部の溢水による実験、豪雨時の斜面崩壊検知センサの実験、降雨の連続性による斜面崩壊の実験、キャピラリーバリア構造の浸透流解析、降雨強度と地盤の透水性による鉛直浸透実験、プラスチック光ファイバーと携帯端末による計測実験、砂防ダムの捕捉実験、不飽和浸透特性の実験、計8本の発表がありました。
 このセッションでわたしが気になったのは、キャピラリーバリア構造です。主に廃棄物処理場で使用されているそうですが、盛土への適用性を検討した実験の発表ということで、興味がありました。また、模型実験で斜面が降雨により崩壊するまでの映像などは観ていて興味深かったです。

 両セッションを聴講して、模型実験や解析の動画がある発表は、わたしのように知識が浅くても分かりやすいと感じました。観られてよかったと思いました。

 最後に、現地の様子についてお伝えします。
 各セッションの会場および技術展示コーナーの出入口など各所にアルコール消毒液が設置されており、技術展示コーナーの出入口では検温も行われていました。
 わたしが参加したセッションでは、発表者の対面:オンラインの比率は半分ほどで、会場の席は5〜6割ほど埋まっているかな、という印象でした。
 質疑応答では、まず会場の聴講者から質疑を受け付け、スタッフがマイクを渡してから発言していました。(オンラインの発表者もいるため必ずマイクを使用する決まりで、使用されたマイクはスタッフが都度除菌シート等で拭き上げを行っていました。)その後オンラインの聴講者から質疑を受け付ける際はZoomの挙手機能を使い、座長から指摘された後に発言していました。対面オンライン問わず、質疑応答で先生方が使用材料や実験項目の選定理由、模型の形状や作成方法など、積極的に話し合いをされていたのが印象的でした。

 技術展示コーナーは適度に人の出入りがあるように見受けられましたが、やはりコロナ前に比べると少ないようです。技術展示コーナー内の休憩スペースは広くて利用しやすかったです。定期的にスタッフの方が清掃してくださっており、安心して利用できました。
 技術展示コーナー出入口で配布される会場案内図にはドリンク引換券が付属しており、無料でドリンク1本(水、お茶、コーヒーなど複数種類)を貰えました。

 以上で報告を終わります。今回は都合上2つのセッションしか聴講できませんでしたが、良い勉強の機会になるので、次はより多くのセッションを聴講したいと思いました。また、技術展示コーナーもコロナ前のような賑わいを見られると良いなと思います。

 

<参考リンク>

▽公益社団法人地盤工学会
https://www.jiban.or.jp/

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