いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
 便利ツール   
 土木屋の視点でのWindows Vista、果たして導入すべきか?
 

 

  Windows Vistaが1月より販売されました。
  Windows Vistaが1月より販売されました。ニュースなどでも話題となり、ご存知の方も多いと思います。当初2003年予定から数回の延期を経て、満を持して販売されたこの新OS、今までと何が違い、何をもたらすのでしょうか。
  これまでのOSと何がちがう?
  Windows Vistaでは、様々な点で改良が施されていますが、使う側の視点からみて次の2点があげられます。

・デスクトップデザインの変更
まず、新デザインのタスクバーや、新たに導入されたサイドバー、半透明のフレームなど、見た目のカッコ良さが目を惹きます。これはWindows Aero(エアロ)と呼ばれています。単にかっこ良いというだけではなく、一度に多くのプログラムを動かしていても、ウィンドウ間を難なく移動できるようにと意図されたものです。

・セキュリティの強化
UAC(User Acount Control)機構により、プログラムの実行やシステムフォルダへのアクセスを制限したことで、ユーザーが誤ってシステムを壊すのを防止しています。またインターネットセキュリティ、マルウェア対策など、これまでのOSでもっとも安全性が高いとされています。

まあセキュリティが高くなるのはいいことですが、これら2つの特徴は土木技術者に必要かというと疑問です。

  ハードがつらい
  Windows Vistaに必要なコンピュータの最低スペックは下記のとおりです。当然ですが古いコンピュータでは動きません。1〜2年内に購入したものでも、メモリやCPUなどのリソースを大量に消費するため、WindowsXPにくらべてパフォーマンスが低下することは避けられません。ストレスのない動作を期待するのであれば新たに購入するするしかないことになります。

CPU:クロック1GHz以上の32bitプロセッサ/64bitプロセッサ
メモリ:1GB
グラフィック:DirectX 9サポート(WDDMドライバ、Pixel Shader 2.0のハードウェア・サポート)128Mbytes
HDD容量:40GB 以上
DVD-ROMドライブ、インターネット接続必須
  つ、使いづらい・・・
  これは使用感というより愚痴といったほうがよいかもしれません

・UACによってセキュリティ対策が施された反面、何か操作を行うたびにしつこいほど確認画面が表示されます。セキュリティ強化とのトレードオフですから仕方ないといえばそうなのですが・・・。

・エクスプローラのデザインが大幅に変更されています。シンボリックリンクとよばれる仮想フォルダが沢山あり、これをクリックするとよく「アクセスできません」と警告されます。これもUACによるセキュリティ対策によるものですが、これまでの操作に慣れた人にとってはイライラがつのります。

・[スタート]ボタンがありません。その変わりWindowsロゴボタンになっています。また、[スタート]メニューの階層構造がないために、プログラムにアクセスするのに3回クリックが必要です。デザイン優先なのでしょうが、必要性を感じません。

・日本語変換に難があります。例えば”よみます”と入れて” 読みます”が出ません。”きょうか”と入れて”強化”が出ません。” 1かげつ”と入れて”1ヶ月”が出ません。これまでの蓄積で変換エンジンは相当鍛えられているはずですが?。学習機能に期待したいところです。

  各社ソフトウェアの対応状況は?
  Windows Vistaでは、Program Filesの直下にフォルダやファイルを直接コピーすることができません。そのためプログラムの設定ファイルなどをインストールフォルダに入れて共有するプログラムは正常に動かない可能性があります。特にフリーウェアやWin98,Me時代からあるプログラムにはこのタイプが多いようです。

ソフトウェアメーカー各社の対応状況はというと、Windows Vista SP1がすでに予定されていることや、ハードウェアメーカーのデバイスドライバの成熟の度合いがまだ低いこと、また、対応にコストがかかることなどから、販売から1ヶ月が経とうとしている今の時点で、まだほとんどされていないのが実情と思われます。
  では土木技術者にとってはどうか!

今、Windows Vistaにしてよいものか?会社で新しいパソコンを買った...せっかくだからOSはVistaにしたいけれど支障はないか?

  一部のメディアではVistaの登場でパソコンの買い換え需要が一気に高まると言っています。果たしてそうでしょうか。特に土木の仕事を営む者にとってどうなのでしょうか。

そんなときいさぼうはこう答えています。「今すぐはやめたほうがいいですよ。特に、ビジネス向けであれば、SP1(サービスパック)が出るまでは様子を見た方がいいですよ」

実際過去のWindows2000、WindowsXpなどの時もSP1まではかなりのバグが発生し、仕事の効率は上がるどころかいらいらの連続でした。Vistaはバグが少ない・・・実際は逆でしょう。操作性も変わることから業務の効率ダウンに繋がります。

また実際にWindows Vistaが発売された途端に、様々なサイトで、提供中のサービスがVistaで利用するための注意を促すページが一斉に表示され始めています。特に電子入札サイトではほとんどのところでそうなっています。現時点ではVistaでは仕事が出来ないのです。

【例】

○○県土木部技術管理課○○県土木部監理課で行っている業務についてお知らせします。 ... FZ-1350(COM)障害事例ありSP2適用禁止。

 ※電子入札クライアントへのInternet Explorer7,Windows Vistaは検証されていませんので使用しないでください。


もちろん、個人ユースで興味ある方はVistaを買うのもいいでしょう。ただ、WindowsXPをバージョンアップしてVistaにするのであれば、ちょっと待ったほうがいいかもしれない。過去の例ではバージョンアップの際に最もトラブルが生じているのです。
 
そうなると会社のパソコンを今、一斉にVistaに変える必要はないというのが当然です。ただ、どうしてもVistaを使いたいという戦略があれば別ですが...土木ではほとんどないでしょう。メリットがほとんどない一方、今まで使えていたサービスが使えなくなったり、手を加えなければ使えないというデメリットもあります。使用しているソフトなどのバージョンアップ料金もその一つ。
 
では、いつVistaに手をつけるか...特に手をつけなくてもなんら問題はないでしょう。仮に手をつけるとしてもやはり、SP1が出た後、様子見として1台くらいVistaを会社で購入する程度でしょう。何が使えて、何が使えなくて、どうメンテナンスしたら使えるようになるのかを、今の業務で利用しているフローの中で、確認することは有意なのかもしれません。
 

Vistaについては土木の世界でもう一つ問題があるとされています。それはVistaの日本語フォントです。
この日本語フォント環境において1998年以来の大きな変化となっています。

例えば皆さんが最も馴染みのある「MS明朝」「MSゴシック」に対する次の二点です。

 1.印刷標準字体への変更
 2.拡張漢字の文字の追加

これらのフォントを使用した文書や図面などのデータを第三者と共有するような場合、異なるOS間(自分がVistaで相手がXP)では文字化けが起こることがあります。電子納品時に問題となるだろうと言われています。

これらを回避するには、マイクロソフトが無償で提供するフォントを入手してトラブルを回避するとされています。

●WindowsXP用JIS2004互換フォント
WindowsXP上で印刷標準字体やJIS X 0213で追加された漢字や記号を利用可能とするフォント・・・XP上で作成した文書の表示や印刷がVistaと同じになる。

●WindowsVista用JIS90互換フォント
WindowsVista上でJIS90字体を利用可能とするフォント・・・Vista上で作成した文書の表示や印刷がXPと同じになる。

 

土木の世界において、これらの代償を払ってでも導入すべき理由がVistaには見あたらないのです。マイクロソフトさんには非常に申し訳ないのですが、あまりにもデメリットの方が大きすぎると思われるのです。

   
 
便利ツールへ戻る  

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.