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 『いさぼう技術ニュース』   http://isabou.net/   平成15年6月5日号

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 「高速土砂流動」、先月の三陸南地震で一気に注目を浴びた現象です。

 築館町で発生した地すべりは関係者の間でも大きな議論を呼んでいます。

京都大防災研究所や日本地すべり学会などの共同研究チームの現地調査後の

調査結果は「すべり面液状化」という現象ということでした。

 この現象を我々の現場レベルで検証してみます。

まず規模ですが、幅約20メートル、長さ約60メートルで約190メートル移動して

います。規模の割に移動距離が長い、土砂到達範囲がきわめて広いといえます。

被害は、車庫が倒壊するなど民家2軒に被害が出たほか、2本の道路が分断され

数本の電柱がなぎ倒されて流されたなどかなりの破壊力があったことが伺えます。

 一方、当該地区がこれまでどのような評価をされていたかというと、斜面の傾斜は

11度前後と小さいため、土砂災害防止法などが想定する警戒区域には一切該当

しない斜面として見られていました。

この斜面は、谷地形を1970年代前半に盛土(盛土土砂は火山砕屑物)した斜面

で、高い地下水位条件にあったと推定されています。

この条件は、まさに我々が今まで行ってきた沖積低地での液状化の検討で危険と

していた条件です。

 

 今回築館町で発生した地すべりは、ある意味大きな投げかけをしています。

バブル期前の住宅地の造成の中には谷を軟弱土で埋めたケースが全国的にも

非常に多いはずです。このような緩斜面で従来の安定計算をすれば、傾斜が緩い

ことから安全率は高い。そんな斜面でも条件次第で地震の揺れなどで地下水を

多く含んだ砂の層が液状化する危険があることを示唆しています。

また「クイッククレイ」で注目されたように、砂に限らず細粒分を含んだ場合も注意が

必要ということになります。

 今後我々には斜面のプロフェッショナルとして以下の役割を負わされたといえます。

 ・危険斜面を抽出する(古い地形図、空中写真の入手)

 ・破壊想定、被害想定をシュミレートする(解析可能ソフトの見極め)

 ・対策を行う

▽地すべり学会「宮城県築館町 緊急調査団派遣速報」

http://japan.landslide-soc.org/

▽こちらにも踏査写真が掲載されています。

http://www.disaster-i.net/

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