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『いさぼう技術ニュース』 http://isabou.net/ 平成15年12月
11日号
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☆ 切土補強土工法の低減係数μをどのように決めていますか?☆
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今回は、切土のり面を鉄筋などで補強する「切土補強土工法」の設計、
特にのり面工とのり面工の低減係数μに関する技術情報です。
切土補強土工法は、「鉄筋やロックボルトなど比較的短い棒状補強材を
地山に多数挿入することにより、地山と補強材との相互作用によって切土
のり面全体の安定性を高める」工法です。
(JH「切土補強土工法設計・施工指針」平成14年7月)
のり面・斜面に鉄筋を挿入するという比較的シンプルな構造ですので、施工
機械の軽量化、小規模化ができ、グラウンドアンカー工法と比べ施工の省力
化をはかることができる工法です。
補強材(鉄筋等)は、一般にのり面工と一体化して使用する場合が多く、
のり面工を設計する場合、のり面工に作用する補強材引張り力Toの値が
必要になります。その値は、
To=μ・Td
μ:低減係数
Td:設計引張り力 (kN/本)
で求めることができます。
ここで、μの値を決める必要性が出てきます。これについて、上記の指針
では、以下のように書かれています。
(1)のり面工別の低減係数μの目安表から決定する
(2)のり面工係数faと低減係数μとの関係から決定する
(1)の場合、「のり枠工」では、μ=0.7〜1.0となっています。そしていさぼうが
知る限り、技術者の多くは、安全側という理由でμ=0.7を採用しています。
皆様はこの値をどう使い分けていますか?
いさぼうでは、(2)の考えで補強材長やのり枠規模を変化させてμを試算して
みました。
<条件>
補強材 L=3.0m〜5.0m
のり枠 F300(300×300×1500×1500)
F200(200×200×1200×1200)
その結果、結果以下の傾向が見られました。
μ ≒ 0.7 L=7.0 (F300)
L=5.0 (F200)
μ ≒ 0.8 L=5.0 (F300)
L=4.0 (F200)
μ ≒ 0.9 L=4.0 (F300)
L=3.0 (F200)
▽低減係数μについて
http://isabou.net/soft/Q-A/faq/teigen.asp
このように、実際に検討する条件によってμはかなり変化し、一概に「安全側
で・・・」という考え方をとる理由が薄いと考えられます。
ぜひ皆さんも指針を熟読し、十分に説明できるμで設計を行なっていただきた
いと思います。
ちなみに「五大開発の補強土Ver4」は、この点でμが試算できるように改良
されています。
▽五大開発株式会社
http://www.godai.co.jp/jpn/products/index_flame.asp?url=rfcut/index.htm
また、最近、省力化、コスト縮減に役立つ補強土用の2次製品が多数
出てきました。この場合も低減係数μについては、必要ですので、その
決定には十分検討してください。事業者によっては、根拠資料を求められ
ることがあります。
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