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 『いさぼう技術ニュース』 http://isabou.net/ 平成19年03月08日号

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今回は会計検査に関わるホットな情報です。

今年に入り会計検査などで、切土補強土工法の「ある設計定数の設定」についての
質疑・応答が多くされています。
その設計定数とは、「のり面工低減係数」のことであります。

設計・施工されたのり面工のμが比較的バラバラで設定されているため、検査官が
「μをどのようにして決定しているのですか?」という質問を投げらたのに対して、
受検側は、「設定がバラバラ」→「設計の不統一性・不備」という悲しい職業病のような
ものにはまってしまっているのです。
今回はこの問題について検証しました。

まず一般的にはどのように設計されているかというと、ほとんどの場合第1優先の参考
文献として、「切土補強土工法設計・施工指針」によっています。そしてμの設計の部分
については本文献のp49−51を引用して設計しています。

本文献によれば、「低減係数μ は一般の場合、表 4.10.1(詳しくは後でいさぼうページ
で参照してください)より求めることができる。しかし、設計抑止力が大きい場合や
重要度の高い場合は、図4.10.4、図4.10.5より求めてもよいものとする」となっています。

のり枠工や独立板の設計をする場合は、表 4.10.1からμ=0.7〜1.0で設定します。
上記指針がでた当初は独立板の存在はほとんどなく、のり枠工はほとんどのケースで
μ=0.7で設計されていました。

しかしその後さまざまな独立板などの出現、また0.7〜1.0の間でより有効な設定をしたい
などの理由で、図4.10.5を理由としてμが設定される流れになってきたのです。さてそうなると
計算し始めます。その際にのり面工有効幅(補強材一本当たりの受圧面積をとる範囲)は、
のり枠工の十字の交差部分のみなのか、アームも含めた部分なのかということになってきます。
この辺の考え方がバラバラとなっているため、指摘され、どうしよう、ということになっているのです。

正解はどうなのでしょうか。
おそらく正解は「現場毎の判断」ということになると思います。問題はのり面工の有効な
載荷範囲ということであるので、補強鉄筋からの荷重のかかり方やのり面工を設置する地
盤の堅さによってもこの範囲は変わってきます。それに加え、通常の補強鉄筋工は各段の
長さが異なるケースもかなりあります。検討にはその代表モデルで行わざるをえないという
こともあります。

会計検査などを考え、公共の構造物としてもう少し一義的な決め方をしてもよいのではないか
という意見もあります。でも今回のμの問題は果たしてそうなのでしょうか。これを議論するには
μの値の前に補強土そのものの考え方を理解する必要があります。

上記の「切土補強土工法設計・施工指針」の、p.47-48に基本的な考え方が書いてあります。
直接的な式などのないある程度抽象的な部分ですので読み飛ばしがちですが、本質論は
このようなところに書いてあるのです。

これを読めば明快のように、μの設定は、実は「こののり面の設計をのり面工重視で考えるのか、
補強鉄筋工を重視で考えるのか」という設計思想の話なのです。現場を踏査し、安定度の特性を
把握し、そして設計思想を決定する。これが正規の考え方であり、μの値によって過大設計になる、
小設計になるという話ではないのです。

このような考え方を是非会計検査などで議論されている話の中で説明していただきたいと思います。

という話と、実質、μを0.7と1.0の双方で設計した場合で比較しても経済性はあまり変化しません。
したがって過大設計、、過小設計の話は議論の外におくべきと考えますがいかがでしょうか。

という内容の会計検査限定版です。お早めにアクセスして内容を確認することをお薦めします。

▽会計検査情報「切土補強土工法のμの決定方法」
http://isabou.net/Audit/Now/index.asp


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☆ いさぼう今週の更新ページ ☆
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ここでは、今週の更新ページ(工法関連以外)をお知らせします。

■【企画書・提案書を書くヒント】 − Story34.「都市計画マスタープラン」
http://isabou.net/knowhow/kikaku/index.asp
その計画的な実現に向けて定める指針が都市計画マスタープランであり、都市の骨格を
決める重要な計画です・・・

■【のり枠工の性能照査】− 「第4話 全特が質問と回答を公開」
http://isabou.net/Convenience/Tool/noriwaku/index.asp
「のり枠工の設計・施工指針(改訂版)平成18年11月」、「のり面緑化工の手引き」が出され
て以来、発行元の全国特定法面保護協会には数多くの質問が寄せられています。 ...

■【いさぼう通達・業界ニュース】− 「改正!技術士法」
http://isabou.net/Convenience/Tool/index.asp
技術士法が改正され、技術士の第二次試験が平成19年度から大幅に変更になります。
これまで最も多くが配点されていた経験論文が筆記試験からなくなり、筆記試験は専門論文
と一般論文だけになります。 ...

■【知取気亭主人の四方山話】 − 第193話 「暖冬」
http://isabou.net/refresh/yomoyama.asp
 3月5日、金沢市の隣町白山市(旧松任市)で、今年初の桜の花を見た。まだチラホラだが、
膨らんだつぼみに混じってあの薄いピンク色の花が咲いていた。例年だと金沢辺りではまだ
雪が残っている時季なのに、もう桜の開花とはビックリだ。平年より一月も早い。前日の3月
4日は西日本各地で気温が上昇し、熊本市では最高気温が26.1℃と何と3月上旬で夏日を
記録した。金沢でも17.6℃と4月中旬頃の気温となり、5日は更にそれを上回りとうとう22℃
を超え5月上旬の暖かさとなった。この陽気に誘われて桜も咲き出したのだろうが、まだ3月
になったばかりだ。いくら暖冬とはいえ、ちょっとばかり早すぎる。 ...


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