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 『いさぼう技術ニュース』 http://isabou.net/ 平成20年04月17日号

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今年の会計検査で、土留めアンカーの腹起こし工、特にブラケット部分の質問がされ
ています。

先に発生した愛媛県・新長浜大橋の耐震補強工事で発生した、H形鋼の落下事故の
関連で安全確認をしているようです。
この事故は、愛媛県の新長浜大橋で3月22日午後5時ごろ、橋脚の耐震補強のため
に水中で仮締め切りの工事をしていた作業員が1人、落下してきたH形鋼で右肩付近
を強打して死亡したものです。原因はまだ特定できていませんが、下位で作業員がい
ることが多い構造下で、重量物であるH形鋼の取付けは、仮設が多いこともあり、これ
まであまり着目はされていませんでした。

これを期にブラケットの、特に溶接長の計算について技術的なおさらいをしておくのも
いいでしょう。

このブラケットの計算は、ブラケットそのものの強度計算と、それを設置するための現
場溶接長の計算があります。ブラケットそのものの強度計算は、二次製品もあり考え
方は統一されています(グラウンドアンカー施工のための手引き書(社団法人日本ア
ンカー協会)にも書かれている)が、現場溶接長の計算の考え方(同文献に書かれて
いない)はバラバラかもしれません。
基本的にこのブラケットの溶接長の計算に対して、土木の世界では明確に指示され
た指針などがないのです。

熟練技術者にたずねてみると、昔はせん断力のみを受ける構造として設計されてい
たようです。一方、最近では安全側に曲げとせん断を同時に受けることを想定して設
計されることが多くなってきたようです。
この考え方は、建築関係の文献「建築地盤アンカー設計施工指針・同解説(日本建
築学会)P.108-109」や「山留め設計施工指針(日本建築学会)P.194-195」に書か
れています。

周囲の工事屋さんにインタビューすると、現場では重要性によって曲げを考えるか否
かを決めている技術者もおられました。
しかし仮設といえど、下位に作業員が位置するということ、事実建設事故も発生して
いること、また溶接が溶接条件の悪い現場溶接であることなどを考えると、曲げとせ
ん断と同時に作用すると考え、更に溶接部の許容応力度を低減するなど、十分な安
全を考えた設計に移行していくと思われます。ブラケットの縦材長さを10cm長くする
ことで、溶接の安全性は各段に上がるのです。

わずかな努力で格段の安全性を得ることができる、そのような効率の良い領域を見
極め、実行する。技術者としてはその本質を十分に理解した上での設計、施工が望
まれます。

詳しくは下記ページで

▽「会計検査速報!ブラケットの構造計算」
http://isabou.net/index.asp?jump=/Audit/Now/news.asp

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☆ いさぼう今週の更新ページ ☆
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ここでは、今週の更新ページ(工法関連以外)をお知らせします。

■【講習会情報】
http://isabou.net/index.asp?jump=/event/index.asp
「平成20年度(社)砂防学会通常総会並びに研究発表会(北海道大会)」掲載。

■【企画書・提案書を書くヒント】−No.70 「灯り」
http://isabou.net/index.asp?jump=/knowhow/kikaku/index.asp
挨拶装置、集客装置、迎客装置としての「花」「手書き看板」「ベンチ」の設置が効果があると聞
きました。いずれにせよ、「あきない」の基本は「おもてなし」であり、手作り感なのでしょう。その
意味で歴史ある「あきない街」には「もてなしの心」がいっぱいあります ...

■【知取気亭主人の四方山話】−第250話 「父さんの歌」
http://isabou.net/index.asp?jump=/refresh/yomoyama.asp
 今年の桜は綺麗だ。開花のセンサーが壊れたのではないかと疑ってしまった昨年に比べると、
今年の金沢の桜は5日の土曜日から一斉に咲き始め、これを書き始めた13日の日曜日まで見
事な花を楽しませてくれている。私の家の周辺では13日の午後から降り始めた冷たい雨でぽつ
ぽつと散り始めている木もあるが、まだ山の手はこれからというところもあり、もう少し楽しめそう
だ。これだけ長く見頃が続いているのは北陸だけかも知れないが、今年は開花してから ...

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