どうなる　国交省の出先機関の地方への移管

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『いさぼう技術ニュース』　平成24年1月5日号
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          ★　どうなる　国交省の出先機関の地方への移管　★
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 あけましておめでとうございます。 
昨年は歴史上最も災害に見舞われた年といっても過言ではない年でした。
その反省や対策などの影響は今年度以降に如実に現れていきます。
いさぼうネットでは、その点を見逃さず、また今年１年、建設・土木に関する
情報を伝えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 

 本日、関東地方整備局から総括防災調整官を新設することが発表されています。
これは、4月1日の関東地方整備局の組織変更に伴うもので、災害時の対応強化
を図るため、部に属さない新設ポストとして、地方自治体と連絡調整しながら
災害対応全般を担当する「総括防災調整官」が設置される、というものです。
また東日本大震災で茨城県を中心に大きな被害が発生したことを踏まえ、常陸
河川国道事務所には災害時の対応を取りまとめる「地域防災調整官」を設けま
す。

 この問題は国交省内部の問題か、と思うとそうでもありません。
国の出先機関の地方への移管の話が絡んでいるのです。 

 昨年の12/20に、国土交通省の地方整備局など国の出先機関の事務・権限を地
方自治体で構成する広域的実施体制に移管する問題で、国交省が考え方を示し
ています。 
その内容は以下の通りです。 

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 国交省は、大規模地震など緊急時に迅速な復旧対応を行うために広域的実施
体制に対して、国が直接指示できる権限を付与するよう訴えたほか、国と広域
的実施体制の意思伝達・決定を迅速に行えるように広域的実施体制を指揮する
「長」を、構成する自治体の首長とは別に選ぶことも求めた。
 会合で国交省は、全国を複数のブロックに分けて「広域的実施体制」を構築。
国と自治体間の調整役を果たすため、各ブロックにはエリア内の自治体とは異
なる独立した「長」を置くことを法律に明記するとし、基本的には広域的実施
体制に国の権限や財源を移す一方、無駄を省くために地方の同種の権限も広域
実施体制に移すよう訴えた。さらに広域的実施体制に対して国が指示を与えら
れる権限のほか、広域的実施体制のエリアの固定と意思決定者となる「長」の
固定も求めた。
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 国交省は、国の事務・権限の地方移譲に向けては緊急時に迅速に動ける体制
が不可欠だと指摘しています。エリア内の自治体間の首長が広域的実施体制の
「長」を務める持ち回りによる合議制では迅速な対応が難しく、利害が衝突し
た際にも収拾が困難になるとして、構成自治体とは異なる「長」が必要だと提
案しているのです。その上で東日本大震災を教訓に、全国から復旧支援の人員
などを円滑に集めるためには、広域的実施体制に対して国が指示できる権限も
持つことが重要になると指摘し、広いエリアで安定的な事業執行体制を確保す
るために、参加した自治体が簡単に広域的実施体制を抜けることができない仕
組みも求めています。 

 これからすると、国交省は出先機関の地方への移管ではなく、地方の吸収、
権限の拡大を目指しているように見えてしまいます。
それに対して地方はどうするのか、本来の防災論とは別のような気もします
が、そこでメシを食べている企業にとっては、早めに流れを把握することが
重要です。

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 明けましておめでとうございます。旧年中は“いさぼう”ならびに“四方山
話”をご愛顧賜り、誠に有り難うございました。2003年6月にスタートしまし
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