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『いさぼう技術ニュース』 平成24年1月26日号

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      ★ ためになる現場話 「第36話 吹付のり枠工の話 」 ★
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 今週は、いさぼうコーナーから、ためになる現場話「第36話 吹付のり枠工の
話」をご紹介します。

 今は日本中の何処でも見れるようになった吹付のり枠工。実は海外ではあま
り見ることはできません。日本生まれの日本の工法ですが、どのような経緯で
誕生し、どのように成長してきたのか、吹付のり枠工を設計される技術者には
まさにためになる現場話です。

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 「フリーフレーム」と言う商品名で吹付のり枠工が市場に出始めたのは、
昭和40年代も終わり頃だっただろうか?その名の意味するところは、凹凸のあ
る法面や自然斜面に自在に(フリーに)施工できる法枠工ということであった。

 そのセールスポイントは、
(1)型枠に金網を用いることにより、自在に、簡単に法枠工を構築することが
   出来、しかも吹付コンクリートを用いるため高所でも移動性に優れている。
(2)モルタル吹付工と比較して、枠工にすることにより、同じ吹付コンクリー
   トボリュームより強度の大きな風化防止工を構築することが出来る。

(1)の金網を型枠に用いることは、固練りの吹付コンクリートだから出来るこ
とであり、枠工の中で一番手間が掛かる、通常の木製型枠を作る作業が無くな
る事が非常に大きなメリットであった。数十cmの大きさの型枠を、凹凸のある
斜面上に莫大な数量設置することの煩雑さを考えれば、金網を用いて自在の型
枠を構築できることは大きなメリットであった。しかも、金網を組み立て式に
することにより、作業効率はいっそう上がることになった。

(2)の利点と言うのは、モルタル吹付工や吹付のり枠工の工事費は、金網や鉄
筋の材料費や設置手間等はあるものの、基本的には、その吹付コンクリート
のボリュームによって決まる。たとえば今、7cmの厚さのモルタル吹付工にお
いて、法面1m2当たりに要する吹付コンクリートボリュームは0.07m3である。
一方、0.3×0.3mの断面の法枠工を、2.5×2.5mの格子で施工した場合の法面
1m2当たりに要する吹付コンクリートボリュームは、0.3×0.3×5÷(2.5×2.5
m)=0.072m3となり、7cmのモルタル吹付工コンクリートボリュームとほぼ変
わりがない。枠工と言う工法は、より少ないコンクリートボリュームで、より
強度の大きな法面保護工が施工できると言うことである。

 このことは、フリーフレーム工が出る前から分かっていたことであるが、前
述したように凹凸のある斜面に型枠を作ることの煩雑さと、そのために生ずる
工事費の高騰がネックになっていた訳である。法枠工におけるこれらの問題点
が、金網型枠と吹付コンクリートを用いることにより解決されたと言うことで
ある。
 
 このようなメリットが、当時の道路建設ブームと斜面崩壊防止工事の増大と
いう状況も相まって、市場における吹付のり枠工の工事量は飛躍的に伸びてい
った。
 
 しかし、フリーフレーム工の当初の効用は、あくまで法面の風化防止のため
であって、枠工自体に力が作用する梁という考え方はなかった。従って、枠工
の設計はコンクリート標準仕様からは大きく逸脱するものであった。すなわち、
鉄筋の被りの問題や、スターラップの問題や、鉄筋比の問題は無視されていた
訳である。当初の吹付のり枠工は、型枠金網の中に鉄筋が1本だけ入ったもの
であった。また、フリーフレーム工の場合は金網自体の強度は無視してあった
が、擬似工法の中には、金網としてエキスパンションメタルを使用し、それ自
体の強度を設計値の中にカウントする物も出てきた。そうなると鉄筋の被りだ
けではなく、型枠の被りにも問題が出てくる。しかし法枠工が単なる風化防止
工として使用されている内は特に問題とされることはなかった。
 
 そのような状況の中で、吹付のり枠工の施工量は年々伸びていったが、その
うちに、当然のことであるが、枠工にアンカー工あるいはロックボルト工を併
用することにより、枠工が単なる風化防止工ではなく、大きな抑止力を持つ抑
止工法として使えることが分かってきた。そうなると...
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このつづきは下記ページで

▽いさぼう ためになる現場話「第36話 吹付のり枠工の話 」
http://isabou.net/KnowHow/genba/no036.asp

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  ☆ いさぼう今週の更新ページ ☆
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■【経済まめ知識】
http://isabou.net/improve/knowledge/index.asp
「貿易赤字で日本が破綻する〜!!」ほか掲載しました。

■【知取気亭主人の四方山話】−第446話「厄払い」
http://isabou.net/refresh/yomoyama.asp
 21日の土曜日、娘達の厄払いにお供して、近くの神社に行ってきた。嫁33歳
の本厄、長女は32歳の前厄だ。所謂、女性の大厄と言われる数え年33歳に当た
る(年齢は、以降も全て数え年)。男の大厄である42歳は「死に」に通じ、
女の33歳は「散々」に通じるという事で、一生の内でも大厄とされているらし
い...
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