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実務

解析ソフトと解析条件

  解析は、「GGRAPH」で専用機能があり、解析できます。

 先ずしきい実効雨量の計算方法を選定します。

 地盤変位しきい実効雨量(地盤伸縮計か多層移動量計)か水位上昇しきい実効雨量かを選定します。水位上昇しきい実効雨量の場合、変位の判定方法として「前日からの差」か「期間最高水位からの差」を選定できます。これまでの解析経験上どちらの選定が良いかについては現場によって異なるようですので、それぞれ試してみるのもよいでしょう。

 次に解析に使用する地盤伸縮計(孔内水位)と”変位あり”と判定する変動量を選定・入力します。

 変動量については、「地すべり地下水排除工効果判定マニュアル(案)」での事例では、変位データは0.1mm、水位データは、0.1 m/日、0.5 m/日、1.0 m/日が示されています。ただこれらについては、地域、期間などの差があることから、本システムはこの他の値の入力も可能としていますので、トライアルしつつ、適合性の高い解析をしていただきたいと思います。

 次に実効雨量データを入力します。しきい実効雨量解析には実効雨量データが必要です。このシステムでは2種類の選択ができます。
既に作成済の実効雨量データがある場合は、下の「作成済の実効雨量データをしていする」を選びそのデータファイルを指定します。
 一方作成済の実効雨量データがない場合は、降雨量データを選定すれば、逓減係数と累積日数をトライアル計算できます。しきい実効雨量解析は統計解析であり、ぜひこのトライアル計算を有効に利用していただきたいと思います。

解析期間

 次に解析期間の設定を行います。 「地すべり地下水排除工効果判定マニュアル(案)」では解析に必要な下記 3種類のデータ期間は以下のように書かれています。

@降雨量・・・降雨量のデータ期間は、対策工施工前の1年と60日から、対策工施工後1年までの期間とする。
A地すべり変位量・・・変位量のデータ期間は、対策工施工の1年前から1年間と対策工施工後の1年間とする。
B地下水位・・・地下水位のデータ期間は、対策工施工の1年前から1年間と対策工施工後の1年間とする。

 データ期間は、対策工施工前、施工中、施工後が明確となっているものが良いですが、特に、施工後のデータについては、 「施工中」の効果が完全に現れた後とすることが最良です。 試してみるとこの解析期間 の設定を変えると解析結果は結構変わります。上記のトライアルとともにいろいろ試すのだいいようです。
 解析上は、例えば
地盤変位しきい実効雨量解析の場合、ここで設定した期間に地盤伸縮計データ、降雨量データがあることが前提となります。このプログラムでは選定済のそれぞれのデータファイルのデータ期間がビジュアル的に表示されますので参考にしてください。また「簡易設定」ボタンを押すと下図のように選択されているファイルの重なっている期間の最初1年間と最後1年間が設定されます。

トライアル結果

  計算ボタンを押すとトライアル結果が表示されます。この表の上部項目部分をクリックするとソート機能が実行されます。例えば「増加分」をクリックし、昇順でソートし、増加分最大値の計算ケースをチェックし採用ケースとします。

 

変位度数分布表

  次に採用ケースに対する変位度数分布表を確認します。

K−S検定結果

  次に採用ケースに対するK−S検定結果を確認します。基本、K−S検定がOKとなることが望ましいですが、統計学における仮説検定の一種であり他にも方法が存在することから、NGの場合は議論が必要です。

 

作図

  設定、解析、確認が全て終了すると作図します。しきい実効雨量(下図で赤線)が対策工施工後に上昇し、これが対策工の効果として評価することができます。

 GGRAPH」の機能を使うと、例えば「水位上昇しきい実効雨量」と回帰分析と、2種の評価方法で対策工の効果を表すことも可能です。

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