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しきい実効雨量を求める

データの種類

 データは、@降雨量、A地すべり変位量、B地下水位 の3種です。組み合わせとしては、@−A、あるいは@-Bということになります。

@降雨量
 解析には実効雨量が必要です。雨量データ(日雨量)を実効雨量に換算します。

 半減期は、降雨と地すべり地内で観測されている地下水位の変動傾向から適切と思われる半減期
をいくつか選定し、それぞれの半減期により算出した実効雨量と地下水位の変動が最も相関が良い
時の半減期を設定します。

A地すべり変位量
 地すべり変位量は、地すべり地内に設置された動態観測機器の内、日変位量を時系列に得られる
機器(地盤伸縮計、孔内傾斜計、縦型伸縮計等)からの観測データを収集します。使用するデータ精
度については、0.1mm/日以上が必要です。

B地下水位
 地下水位は、地すべり地内に設置された孔内水位計の観測データを収集します。収集するデータは
日水位(その日の最高水位データ)が必要です。
 

データ量(期間)

  解析に必要な3種類のデータ期間は、以下の様です。降雨量で対策前がやや長いのは実効雨量を算出するためのものです。

@降雨量
 降雨量のデータ期間は、対策工施工前の1年と60日から、対策工施工後1年までの期間。
A地すべり変位量
 変位量のデータ期間は、対策工施工の1年前から1年間と対策工施工後の1年間。
B地下水位
 地下水位のデータ期間は、対策工施工の1年前から1年間と対策工施工後の1年間。

 

解析方法(地盤しきい実効雨量)

  地盤伸縮計で検知可能な0.1mm/日以上の地盤変位があった日および地盤変位がなかった日の実効雨量について、度数をそれぞれ実効雨量1mm毎に集計し、地盤変位を観測した日の累積相対度数と観測日全体の累積相対度数との差が最大となる実効雨量(地盤変位しきい実効雨量)を求めます。

 具体的な解析の流れは以下のようになります。

 

解析

 地盤変位しきい実効雨量および水位上昇しきい実効雨量の解析結果から、Kolmogorov-Smirnov の1試料検定により「有意あり」と判断されるしきい実効雨量を用いて効果判定を行います。効果の判定は、対策工施工前と施工後を比較して施工後のしきい実効雨量が増加したものについて「効果あり」と判定し、施工後に増加した実効雨量分だけ対策工の効果があったと考えることができるのです。


「地すべり地下水排除工効果判定マニュアル(案)」から引用

 上図は、「地すべり地下水排除工効果判定マニュアル(案) 独立行政法人土木研究所」で載せられている参考例ですが、施工前と施工後の期間において、地下水位上昇しきい実効雨量が増加していることがわかります。この時、施工後に増加した実効雨量76 mm 分が対策工の効果といえるのです。

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