いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
 便利ツール 
 火山の危険度ランク
 

 

  活断層には危険度が存在しますが、火山についてはどうなのでしょう。
「火山」と「活火山」の違い
   先ずは活火山の定義です。私たちが一般的に「火山」と呼んでいるもののうち、過去10000年のうちに噴火などの活動があった火山を「活火山」といいます 。そのため、同じ火山でも活火山の方が危険度は高いと考えられます。

 

活火山の活動度
 

 活火山は危険、それは明瞭です。ところが、さらにその活火山のランク分けとなりますと一筋縄ではいかないのです。なぜなら、現在、わが国には108の活火山がありますが、この 中には活発な噴火活動や火山性地震を繰り返しているものから数百年何もなかったのに突然噴火するものまで、実に多種多様な状態の火山が混在しているのです。そのため、ある程度の危険度ランクの設定は可能ですが、定量的に火山の危険度をランク分けすることは 難しいと思われます。ただし、観測対象などによる区分・分類が設けられている例はあります。

 例えば、気象庁では20火山を常時観測対象火中として監視しています。
 特に活動の活発な浅間山、伊豆大島、阿蘇山、雲仙岳、桜島の5火山は精密観測を実施しています。また、文部省の測地学審議会の分類によると上記 5火山に大雪山、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、草津白根山、伊豆東部火山群、三宅島、霧島山を加えた13火山を「活動的で特に重点的観測研究を行うべき火山」、 23火山を「活動的火山及び潜在的爆発的活力を有する火山」としています。

 以上の分類からある程度、火山の活動度をランキングすることはできます。
しかし、日本列島から遥か遠方の無人島で火山が噴火しても「危険度が高い」とはいえないでしょう。やはり、火山の危険度ランクは、火山そのものが活発であるか否かだけでなく、その活動によって予想される社会に対しての影響が大きいか否かが問題となるのです。

 

活火山のランク分け
 

 試行段階の案ではありますが1999年2月に活火山の社会的な影響を考慮した危険度ランクについて、気象庁長官の私的諮問機関である「火山噴火予知連絡会」の火山情報サブグループが検討した「火山活動度のレベル化に関する一般的な指針」について表で紹介したいと思います。

 火山活動度のレベル化に関する一般的な指針

活動レベル 火山の状態 災害の危険性 監視観測体制
0(白) 静穏、長期間火山活動の兆候なし きわめて低い 活動度の変化を把握
1(水) 噴気があるか、最近群発地震などが発生 低い。火山ガス災害の可能性 活動度の変化を迅速に把握する常時監視
2(緑) 噴火の可能性を示す異常現象を検出 突発的な噴火で不慮の災害の可能性 観測強化。社会に注意を呼びかけ
3(黄) 既存の火口で小〜中噴火が発生か可能性大 火口の周辺で災害が発生する可能性 活動推移の評価。社会に警戒呼びかけ
4(橙) 火山周辺に影響の及ぶ中〜大噴火が発生か可能性大 居住地などで災害が発生する可能性 活動推移の評価。社会に厳重な警戒呼びかけ
5(赤) 極めて大規模な噴火が発生か可能性大 居住地などで災害が発生する可能性 活動推移の評価。社会に厳重な警戒呼びかけ

 とはいっても、火山活動は噴火に先立ち前兆現象があるとは限らないこと、過去に前兆現象があった火山でも必ず前兆があるとは限らないなど、その予知は 非常にむずかしいことには変わりありません。

 そのためにも、火山、特に活火山についての正しい知識と、地元自治体や防災機関が出すハザードマップや火山情報により火山災害発生時には的確な避難行動を取りたいものです。

 

参考資料
 

▽気象庁 気象統計情報 火山 のページ
http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/volcano.html

▽NPO法人 日本火山学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/kazan/J/

▽世界の火山のリンクページ

 
 
便利ツールへ戻る  

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.