<初回打ち合わせが重要(目的、ニーズを把握する)>
前回は、段取り(準備)が如何に重要か,
といった内容でした。今回は、その段取りの中でも、(a)受注した業務の全体像を把握したり、(b)業務の目的を明確にする
ために必ずやらなければならない「初回打ち合わせ」についてです。打ち合わせは、どの様な業務にも付きもので大変重要なことですが、中でも初めての打ち合わせは、その後の業務遂行の成否の鍵を握る、といっても過言ではありません。
そこで、重要な打ち合わせを失敗しないために前回と同様、初回打ち合わせの段取りをもう少し具体的に考えてみました。
(1)仕様書や設計図書の精読
(2)業務目的の把握
(3)疑問点・質問・確認内容の整理
(4)業務遂行に必要な貸与請求資料の書き出し
(5)打ち合わせ簿の原稿作成
以上が、いさぼうが考える通常業務における一般的な初回打ち合わせの段取りです。ここまでできれば八部です。あと二部が残っていますが、この残り二部は何でしょうか。
いさぼうでは、仕様書や設計図書に表されていない本来の目的やニーズを把握できる打ち合わせを行うことが、残りの二部だと考えています。例えば、公園の整備計画があったとしますと、「何のための、誰のための公園か」が大変重要になってきますし、それによっては公園の設備も維持管理に対する考え方も随分と変わってきます。ところが、仕様書や設計図書にはそういったところまで言及されてないものが多く見受けられます。また、内容によっては書ききれないこともあるでしょう。或いは、打ち合わせの場で話題としてでるまで、発注者側でも気付いていないこともあるでしょう。
ではどの様にしたら、そういった本来の目的やニーズを把握することができるのでしょうか。顧客満足を向上させるための基本といわれている「顧客の立場になりきり、顧客の視点で業務を見ること」、が確実に実行できれば把握することは可能と考えられます。ところが、このような表現は良く聞かれるところですが、実はこれが意外と難しく、特に若手技術者の不得手とするところではないでしょうか。「言われたこと」や「仕様書に書かれたこと」はできるが、背後にある本質的なところまで掘り下げることが出来ない、こういった若手技術者の指導に苦労されている管理技術者の方も多いのではないかと思います。
いさぼうでは、その様な若手技術者が「顧客の立場になりきり、顧客の視点で業務を見ることができるようになるための段取り」を考えてみました。少し時間は掛かりますが、次のことを試してみてください。
(a)本を読む、ラジオで音楽番組以外を聴く(想像力を養う)
(b)積極的に色々な人と話をする(情報を増やす、柔軟な思考訓練)
(c)積極的に色々な体験をする(情報を増やす→判断基準の幅を広げる)
(d)担当業務を楽しむ(業務ごとに目標を定め、達成感を味わう)
(e)日々の出来事を反省と感謝で終わる(改善意識、気配りの訓練)
要するに、一言で言えば「感性を磨く」ことです。感性が錆び付いていますと、相手(顧客)の立場を考えるとことはできませんし、ましてやどの様なことをしてあげれば相手に喜んでもらえるか、などは考えもつかないでしょう。自らが感動して、初めて相手の感動する喜びが理解できるのです。時間は多少掛かるでしょうが実践してみてください。効果は上がるはずです。また、(d)、(e)は日々の活動の中で実践してみてください。「やらされている」という感じ方が無くなり、ストレスを和らげる効果もあるはずです。
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