実体視の原理
1枚の航空写真を見ただけでは、その写真に写っている物体の奥行感を感じることはできません。しかし重複して撮影された2枚の航空写真を、左側の写真を左目で右側の写真を右目で同時に見ていると、2枚の写真があたかも1枚の写真に融合して物体の奥行感が感じられるようになります。これを実体視といいます。
実体視の練習
航空写真をならべて実体視する場合は、比較的至近距離でありながら視線は平行に近い状態としなければなりません。これは生理的な本来の動きを意識的に変えることになり、訓練をしなければできないとともに長時間行うととても疲れます。
先ずは第1段階 |

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人間の目はどうしても両眼で同じものを見ようとします。先ずはこれを打破しなければなりません。有効な方法としては仕切を利用して強制的に両眼で同じものが見えないようにすると有効です。この際視点はわざとぼんやりさせます。左右の画像が徐々に近寄ってきてついには1つになります。この瞬間に立体画像がぐわ〜と浮き出ます。一度経験すると、「こんな世界もあったのか(おおげさ)」と病みつきになります。 |
次に第2段階 |

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第1段階をスムーズにこなせるようになったら第2段階に移ります。第一段階で実体視したまま、仕切をとってみましょう。仕切をとった瞬間に両目はまた同じものを見ようとします。これをぐっと我慢して実体視を維持できるようになりましょう。これができたら、最初から仕切なしでの実体視に挑戦しましょう。 |
実体視をしてみよう
実体視の練習です。

(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
先ずは比較的簡単なもの。タンクがそびえ立てば合格です。 |

(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
護岸の勾配が変わるところまでわかるかな。 |
特異な地形を見てみよう
地形解析をする場合はある程度の地形に対する知識が必要となります。

(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
リニアメント。直線構造のこと。断層や地質の境界線など弱線であることが多い。 |

(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
海岸段丘面。かっての海面が浸食した海蝕面。海のものは海岸段丘面。川のものは河岸段丘面。 |

(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
崩壊地形。滑落面がなまなましい。 |
 
(写真は「空中写真の見方−土木学会」から引用) |
地すべり。実体視すると滑落崖が非常に明瞭。 |
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