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  地質屋として知っておきたいキーワード
 

地質屋として最低限度知っておきたいキーワードがあります。ここでは図や写真を交えてわかりやすく説明します。

地質と土質と地学 地質・・・
地殻を構成する岩石や地層の種類・性質、またはそれらの状態。土地の性質。
土質・・・
土の性質。特に、地盤・土層の状況、土の物理的・力学的性質をいう。または土を構成する物質。
地学・・・
(1)地球を研究対象とする自然科学の総称。地質学・地球物理学・鉱物学・岩石学・気象学・海洋学・古生物学などを含む。地球科学。
(2)高等学校の理科の科目の一。(1)のほか、天文・宇宙・環境などを含む。
(3)地質学・鉱物学・地理学の総称。
地層
 
地層とは、平板状にひろがっている岩体。土砂などが堆積してできた層。化石を含むことがある。
火山灰
火山の噴火のときに噴出する火山灰やスコリアなどを総称してテフラといいます。テフラの色や粒子の大きさは1噴火の度に異なるので、何回も噴火が起きると堆積したテフラが層状の模様を作り出します。写真の 露頭は、まるでバウムクーヘンを思わせる地層で主に伊豆大島火山の噴火によってできたものです。全部で95枚の層があり、これが1万4000年の間に積もったことが知られており、平均百数十年に一度の割で大噴火が起きていることがわかります。この地層は一見、褶曲のように見えますが、これはもとの地面に凹凸があり、それに従って火山灰が堆積しただけで褶曲ではありません。
級化層理 地層を構成する粒子に着目してください。この粒子の大きさを比較すると、下の方が大きく、上に行くにつれて小さくなっていることがわかります。このように岩石を構成する粒子がその大きさの順に並んだ状態を級化層理といいます。これは、水中で粒子が沈降するときに、粒子が大きいものほど速く沈むためです。そのため、級化層理がある地層では、粒子の大きい方が下側になりますので、地層ができたときの上下関係が確かめられます。城ヶ島では場所によっては粒子の大きい方が上になっているところがあります。これは褶曲によって地層が逆転したことを示しています

 

クロスラミナ
層理面に対して斜めに堆積した地質構造をクロスラミナと呼びます。斜層理、斜交葉理、偽層などともよばれ 、英語の名称はクロスラミネーションで、クロスラミナは和製英語です。層理面に対して下流側に傾斜する場合が多く、傾斜方向からこの層理ができたときの水の流れの方向が推定できます。
火山岩 昭和新山は、その名の通り昭和18年に有珠山という火山の隣の畑が突然に盛り上がり始め、粘性の高いマグマがドーム上に固まってできた溶岩円頂丘という形式の火山です。現在の標高は407mで、現在でも昭和新山は白い噴煙をあげて活発に活動しています。なお、昭和新山のできかたについては、多くの教科書では溶岩円頂丘となっていますが、固まった溶岩が隆起した溶岩岩尖(火山岩尖)であるという説もあります。
溶岩 溶岩流(火山が噴火して溶岩が流れ出したもの)は玄武岩質のものは粘性が低く、安山岩質のものは粘性が高い。,粘性の低い玄武岩質のものでは、 左側の写真にあるようなアア溶岩と、右側にあるパホイホイ溶岩のパターンになることがあります。アア、パホイホイともハワイの人々がこれらの溶岩を指して使っていた言葉をそのまま学術用語として使っています。アア溶岩は表面ががさがさででこぼこしているのに対し,パホイホイ溶岩は表面が比較的平滑で丸みを帯び、写真のように縄のような模様をしています。パホイホイ溶岩は流れていたときの速度がアア溶岩より速く、流れた方向もよくわかります。写真の溶岩はどちらも富士山の青木ヶ原溶岩で、大部分はアア溶岩でパホイホイ溶岩は西湖の湖岸など一部にしかないようです。 ※余談ですが火山岩は層をなしていないので地層とは呼びません!
 
断層
断層とは、地震などで地層に力が加わって地層面がずれたものです。ずれが垂直方向に傾斜している場合、ずれの面(断層面)の上側に当たる部分を上盤、下側を下盤といいます。正断層は上盤が下盤に対して下側にずれた断層で、主として地層が引っ張られたように力が働いた場合にできます。逆断層は上盤が下盤に対して上側にずれた断層で、主として地層が圧縮されたように力が働いた場合にできます。ずれが水平方向に傾斜しているものは横ずれ断層といい、断層面に立って向こう側が右にずれているものを右横ずれ断層、左にずれているものを左横ずれ断層といいます。実際の断層は、垂直方向と水平方向の両方にずれているものが少なくありません。
正断層と逆断層
 
断層とは、その名のごとく地層になんらかの力が加わって地層面が切れてずれたものです。断層面に対して上側に当たる部分を上盤、下側を下盤といいます。正断層は上盤が下盤に対して下側にずれた断層で、主として地層が引っ張られたように力が働いた場合にできます。 重力的に動きやすい方向と覚えればいいでしょう。逆断層は上盤が下盤に対して上側にずれた断層で、主として地層が圧縮されたように力が働いた場合にできます。ずれが水平方向に傾斜しているものは横ずれ断層といい、断層面に立って向こう側が右にずれているものを右横ずれ断層、左にずれているものを左横ずれ断層といいます。実際の断層は、垂直方向と水平方向の両方にずれているものが少なくありません。
 
活断層−根尾谷断層

 
1891年(明治24年)10月28日6時37分、東海地方を襲った濃尾地震は、根尾谷を震央として大きな爪跡を残しました。根尾村の犠牲者145名。全家屋1319戸の内、8戸を残してほぼ全壊。村は、一瞬にして壊滅的な打撃を受けたのでした。
この地震のマグニチュードは8.0と推定され、わが国内陸部に起こった地震としては史上最大のものです。 根尾谷断層は、濃尾地震で生じた6mもの地層の上下ズレが明白にわかる珍しいものとして国の特別天然記念物に指定されています。 有料ですが、資料館内で保存されているので見に行ったらどうでしょうか。
断層の痕跡?−V字谷
傾斜が急な斜面を川の水が流れると、川の底の部分に大きな力が働くため、川の側方より川底のほうが強く侵食されていきます。これを下方侵食といい 、これによって、谷はどんどん深くなり、横から見るとアルファベットのVの字のように見えるので、V字谷と呼びます。
断層である場合や地質の境界線である場合も多いですが、むしろ地層に対して直行方向に発達したりで断層とは限らないというのが実状でしょう。
褶曲(向斜)
地層になんらかの力が加わり、地層が波を打ったように曲げられてしまったものを褶曲といいます。褶曲には 凹の形になっている向斜と上に凸になった背斜があります。
褶曲(背斜)
上の向斜のすぐ隣にあるのがこの背斜です。 大きな褶曲の軸部では、小さな褶曲が向斜と背斜がペアになっていることがよくあります。この背斜はあまりきれいな形ではありませんが、上に凸の形になっているのはよくわかるでしょう。
不整合
地層が堆積したあとに海面上に隆起し、そこで風化や侵食が起こり、その後再び沈降しその侵食面の上に新しい地層が堆積したとき、もとの地層と新しい地層の間の関係を不整合と呼びます。 堆積の時代が切れているという意味です。写真の露頭は、下側の地層が平行に堆積した後に傾き、それが浸食され、そのあとに上側の地層が堆積したことになります。
節理(柱状節理、方状節理 ) 節理は断層などのような構造性の節理と、火山に伴う冷却性の節理に分けることができます。柱状節理とは、その名のとおり岩石に柱状に割れ目が入ったもので 、まだ固まっていない溶岩などが冷却さたときに堆積が縮まり、冷却面に対して垂直方向に節理が入るためにできたものです。また、柱状の岩は六角形の断面をしているのも特徴です。
 

 

透水層と不透水層
写真を見ると2つの地層の間から地下水が流れて滝になっています。地層には水を通しやすい透水層と、水を通しにくい不透水層とがあります。これは、地層を作る構成粒子の間にある空隙の多さと間隙の大小によって決まり、空隙が多く、間隙が広い地層ほど水を通しやすくなります。この白糸の滝では、下部の地層が古富士山の集塊岩質泥流層で緻密な不透水層であり、上部新富士火山の玄武岩質溶岩流で 構成されています。
浅間山の麓にある軽井沢の白糸の滝でも同様な様子が見られます。
ボーリング調査 ボーリング調査は実際に孔を掘って現地の地質の状態を確認する地質調査方法です。大規模な構造物を建てるとき、地下資源の探査、地盤沈下や地すべりなどの災害対策、これら地質の状態を知る必要がある場合には実施されます。
ボーリング調査の歴史は意外に古く、最初は炭坑での石炭調査に用いられました。明治時代の中期頃のことだそうです。100年以上の歴史を持った技術 です。ボーリング調査はいろいろなところで実施されており、ダムの調査では深い山の中、ビルや道路の基礎調査では市街地、港や防波堤の調査では海上から、地下資源の探査では地球全てが調査対象と言えるでしょう。
 
ボーリングコア ボーリング調査は孔を掘って地層を採取 します。採取した資料はコアと呼び通常はコア箱に収納して、コア写真および地質柱状図を作成して成果とします。
 一般にはボーリングというと地層の掘削ではなく、玉転がしゲームと思われる人が多いと思います。英語では地層の掘削はBoring、玉転がしゲームはBowlingとなっています。日本語では前者をボーリング、後者をボウリングとしていることが多いようですが、全国的に統一されているのでしょうか?
 「****ボーリング」というゲーム場がありましたら、ご一報下さい。
 
地質図

地質の情報は地質図として表されます。踏査してルートマップを作成し、地質図学を利用して地質図を作成します。そのために地層や断層の走向・傾斜を計ることが重要です。

地質図の読み方、書き方 地形線と地層線を読みとる。設計の切土、盛土の作図に似ています。
 

 

  

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