| 道路土工指針による擁壁工の耐震設計の考え方 |
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■なぜ8mか、8mという数字はどこから出てきたのでしょうか 8mという数字については、以下の理由といわれています。 (1)「道路土工指針」では、擁壁などの項が追加された昭和42年改訂版から、土圧としてテルツアギー・ペックの経験土圧図表に基づいた土圧が採用されてきた経緯があり、この土圧の適用範囲は、我が国の経験に照らして8mまでの高さとして用いられてきたこと 。 (2)前述のような経験的に地震の影響が少ないと認識されている範囲は、今までに我が国で用いられてきた設計指針や標準断面図などの適用範囲から考えると8m程度の高さまでは問題ないということ 。
なお、土圧の計算方法は、その後現行の「道路土工指針」においてクーロン系土圧の一般形である試行くさび法に移行しましたが、土質定数の標準値(内部摩擦35゜、30゜および25゜の3分類、 (粘着力は無視)を用いると、従来のテルツアギー・ペックの土圧とほぼ同じになります。試行くさび法に移行したのは、各種擁壁型式(特にもたれ式擁壁)への適用性、および静的設計と耐震設計の計算方式の整合性をはかったためです。
8m以上の場合は、前述のような経験的な範囲を超えると考えられるので、耐震計算を行い耐震性のチェックを行うことになっています。 その方法としては、動的現象を静的に評価する震度法(試行くさび法の土くさびに慣性力を作用させた土圧および壁自体の慣性力を考慮)が用いられていますが、その評価にはまだ多くの問題があり、一つの参考値程度を示すにすぎず、なお各ケースに応じた技術者の判断にゆだねられているのが現状です。構造物の耐震設計、特に擁壁のように片押し土と壁と地盤の3者の系による動的挙動は複雑で、今後よく研究を進めていかねばならない課題となっています。
なお、「道路土工指針」では8m以下の場合でも擁壁の重要度によっては、耐震計算を行うことになっています。それには次のような目安を与えています。 (1)倒壊が付近に重大な損害を与えたり、その復旧がきわめて困難であるような擁壁。 |
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