地震災害の復旧計画。
なかなか精通した人はいないと思います。新潟県中越地震の復旧計画を検討するに当たり、少しでも参考となればということでこのコーナーを作りました。 |
![](images/isabou_039.gif) |
■■■一般的な留意事項■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
★ポイント1・・・突然発生するのが地震!それを理解しましょう。
地震は突然発生し、その規模によっては公共土木施設全般にわたり災害が発生することがありますが、地震による被災は、被災程度、形態が多種多様にわたっており、十分な調査に基づき復旧工法を検討することが重要です。 |
★ポイント2・・・重要なのは道路の仮復旧と二次災害の防止対策!
地震被災直後に必要な事は、社会的影響の大きい道路等の仮復旧、降雨、洪水による河川堤防等の決壊による二次災害の防止対策を早急に実施する事が重要です。 |
★ポイント3・・・被災写真は重要!土部分の亀裂には特に注意!
被災状況調査で注意すべき点は、被災程度を明らかにできる写真等の資料を十分揃えておくことですが、道路及び河川堤防の土工部分は、亀裂の深さ等の損傷程度が分かりにくいので、石灰水を注入し、試掘等で確認することが、復旧工法の検討資料とする上で有効な方法です。特に応急工事を実施する場合には消滅してしまうことがあるので、十分注意する必要があります。 |
■■■応急仮工事の留意事項■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
★ポイント1・・・道路の仮復旧。路床、路体にまで及ぶ損傷かがキー。
道路のクラック等の軽微な被災箇所は、クラック等の充填や、オーバーレイ等で仮復旧を行います。
道路の路床、路体にまで及ぶ損傷を受けた場合は、ただちに交通止め等の処置後、迂回路、仮道の検討を行う必要となります。また、損傷部分を中心にシートによる被覆、仮排水路、場合によっては水抜きボーリング等を行い、脆弱化している施設を降雨等からの二次災害防止に努めましょう。 |
★ポイント2・・・橋梁の被災は交通止め後仮道仮橋の検討へ!
橋梁の被災についてはその程度によって変わりますが、交通止めの処置後、仮道仮橋の検討を行うのが一般的です。 |
★ポイント3・・・応急工事を実施するには、資材の手配が重要なポイント!
河川堤防の比較的小さなクラック等の軽微な被災箇所については、道路と同様にクラック等を土砂で充填し、シート被覆する程度で十分であると考えられます。
被災程度が比較的大きな場合、激甚な場合は応急、工法も慎重に検討する必要があります。この場合被災施設、隣接する一連の施設、背後地の状況等を考慮しつつ、予想される洪水に十分に安全な工法とする必要があります。工法としては、遮水シート張、ブロック張、ブロック投入、矢板打込み等による決壊防止工事が考えられますが、被災及び、背後地の状況によっては計画高水位に余裕高を加えた堤防高まで、二重鋼矢板等による仮締切工事を行います。なお、応急工事を実施するには、資材の手配が重要なポイントでとなります。 |
■■■本復旧工事の留意事項■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
復旧は従前の効用を回復することを原則としますが、被災程度、形態によっては、再度災害防止のために十分な検討をする必要があります。
★ポイント1・・・道路災の場合、液状化、地すべり、壊滅的、大規模被災には再度災害防止を考慮!
道路の舗装、路盤までの比較的小さなクラック等は、影響範囲を路盤材の充填、又は入れ換え後、舗装の打ち換えを行うことで十分でありますが、路面が平坦性を失っている場合、クラック等が路床まで及んでいる場合は影響範囲までの路床の切り返し、舗装(路盤を含む)の全面打換となるので、その影響範囲、支持力等の調査試験が必要となります。
基礎地盤が液状化している場合、盛土のり面が壊滅的な被災を受けている場合、地すべりが発生している等、被災程度が大きい場合は、再度災害防止上から、地下水排除、盛土材料の置き換え、押え盛土、地盤改良、地すべり防止対策等を検討する必要があります。 |
★ポイント2・・・河川の場合、液状化、壊滅的破壊、基礎地盤の破壊には再度災害防止を考慮!
河川堤防の比較的小さなクラック等の場合は、その影響範囲までの堤体の切り返しで十分ですが、クラック、沈下等が計画高水位以下に及んでいる場合や、のりすべり破壊をおこしている等の場合は、大幅な堤体の切り返しが必要になります、この場合背後地の状況等を考慮しつつ、開削時予想される洪水に対しての仮締切、切り返した堤体はコンクリートブロック等によるのり覆工を検討する必要があります。
堤体が壊滅的な被災を受けている、基礎地盤が破壊、または液状化等をおこしている場合は、再度災害防止上から、地下水排除、盛土材料の置き換え、押え盛土、地盤改良等を検討する必要がある。 |
![](../../../images/finger_back.gif) |