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四川大地震の関連情報

概要過去の地震主なニュース震度階級 【2008.07.10】 「主なニュース」更新。

 
四川大地震の概要

中国四川省で5月12日午後2時半(日本時間同午後3時半)にM8.0の強い地震が発生。震源は成都より北西に約90km、震源の深さは約10km。被災者1000万人以上、死傷者は10万人を超え、多くの命を奪う大惨事になった。
強い揺れが発生した地域に山間部が多いことも影響し、各地で道路や通信網が寸断されたことで、被害状況の把握や救援活動に遅れが出ている。

■四川大地震の原因
四川大地震の原因は以下のように考えられています。
@インドプレートがアジアプレートの下にもぐり込み、青蔵高原が急速に隆起した。高原の物質がゆっくり東へ流れ込み、東端の竜門山断層帯に沿って押し出されたが、四川盆地の下の固い断層地塊に遮られ、構造応力エネルギーが長く蓄積。最終的に竜門山北川ー映秀地区で放出された。
A右旋・圧縮型の逆断層地震。地震を引き起こしたのは竜門山断層帯で、圧縮応力で南西から北東へ逆断層が生じた。単走行の破裂地震で、南西から北東へ走り、余震も北東へ広がった。圧縮型の逆断層地震は本震後の応力の伝わりと放出が比較的緩やかで、長時間続く大きな余震を引き起こすおそれがある。
B浅い震源。四川大地震はプレート深部ではなく、脆い地殻の境界、深さ10〜20キロで生じたため、破壊力が大きくなった。
 

■意外と地震が多い中国
世界的に「地震最多国」などとされる日本に比べれば少ないが、中国は地震の多い国に属する。
中国には歴史資料が多く、その中には地震の記録も多く残っている。1556年1月13日の華県地震では2004年のスマトラ沖地震の津波被害を合わせた死者、行方不明者約30万人の約2.5倍に相当する83万人が死亡した。また20世紀になってからも、中国ではしばしば大地震が発生している。

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過去に中国で発生した主な地震(Mはマグニチュード)
 
地震名 発生年月日 マグニチュード 被害 概要
華県地震 1556年1月13日 不明 死者83万人 2004年のスマトラ沖地震の津波被害を合わせた死者、行方不明者約30万人の約2.5倍に相当する83万人が死亡した。陜西省には窰洞(ヤオトン)と呼ばれる崖を利用した横穴式住居が多く、地震が発生したのが夜中だったため就寝中、地盤の崩壊で生き埋めになった人が多かったためとされる。
海原地震 1920年12月16日 M8.5 死者約24万人 甘粛省南部の海原県(現在は寧夏回族自治区)で発生。被災地は山間部で、山崩れなどで村全体が埋まったケースが多かった。救援活動もほとんどなく、死傷者数が増加したとされる。
古浪地震 1927年5月23日 M8 死者約4万人 甘粛省の古浪県で発生。海原地震と同様、山崩れによる死者が多かったとされる。
昌馬地震 1932年12月25日 M7.6 死者約7万人 甘粛省の昌馬堡で発生。近隣都市の酒泉に大きな被害をもたらした。地域によっては家屋の9割が倒壊したという。上海の天文台と北京地震台も揺れを観測した。
畳渓地震 1933年8月25日 M7.5 死者2万人以上 四川省の四川県茂県畳溪鎮で発生。茂県地震とも呼ばれる。震源は2008年5月12日の地震に近い。
察隅地震 1950年8月15日 M8.5 死者4000人 ヒマラヤ山脈一帯のチベットのザユル(察隅)で発生。山崩れで、村ごと谷を流れるヤルツァンポ川中に流された例もあったという。
ケイ台地震 1966年3月8日、22日 M6.8、M7.2 死者計8064人 河北省のケイ台地区で発生。中華人民居和国成立以後、人口密集地帯で発生した初めての大地震。同省・隆堯県で発生した地震の2週間後、規模が更に大きい地震が近隣の寧普県で発生して被害が拡大した。
通海地震 1970年1月5日 M7.7 死者1万5621人 雲南省・通海県で発生。当時の中国は文化大革命期で、重大な事件については極端「秘密主義」を取る場合も多かった。新華社は地震発生後4日目になって報道したが、被災状況などは伏せられた。
海城地震 1975年2月4日 M7.3 死者1328人 遼寧省の海城市で発生。中国国家地震局に「ネズミの大群が走り回っている」、「ニワトリが群れで飛んだ」、「井戸から水があふれ出た」など、地殻の異常を示す情報が次々と寄せられたことなどで、同局は地震発生が近いと判断。住民100人を緊急避難させていたため、被害が最小限に抑えられたという。
唐山地震 1976年7月28日 M7.8 死者24.2万人 河北省唐山市で発生。地震規模が大きい上、いわゆる直下型地震であったため、甚大な被害が出た。唐山市は石炭産業も発達し、中国有数の工業都市として人口100万人を有していたが、地震によって壊滅状態となった。中国は「自力更生の精神で困難を克服する」として、外国の救援を固辞した。
瀾滄・耿馬地震 1988年11月6日 M7.6、M7.2 死者743人 1回目の地震は雲南省臨滄市瀾滄ワー族自治県を中心に午後9時3分、2回目は約120キロメートル離れた同市耿馬タイ族ワー族自治県で13分後の午後9時16分に発生した。

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主なニュース(斜面防災技術関連)
 
H20.07.09 四川地震:被災地の通信網がおおむね復旧
四川地震から間もなく2カ月。被災地の通信復旧作業は予定より早く完成し、現在はほぼ全面的に通信が回復している。復旧作業には、6月30日までに合計27.4億元が費やされた。人民郵電報が伝えた。
被災した21県で既に復旧が確認されたのは、モバイル通信基地が2957基で、復旧率は99%。小霊通の通信基地が6023基で93.4%。通信局は1458カ所、94.7%となっている。21県に設置された避難所のうち、公共通信が利用できるのは657カ所で、うち26カ所ではブロードバンド接続も可能になった。
また21県にある451の郷や鎮全てで公共通信が復旧。21県のうち、固定電話の平均接続成功率は95.8%で、成都網通では99.9%だった。モバイル通信の平均接続成功率は90.3%だった。
地震によって通信手段が断絶していた行政村のうち、既に復旧したのは3159カ所で復旧率は96.3%。特に被害の大きかった8県では、98.9%に当たる1404カ所で復旧している。
(中国情報局ニュース編集担当:入澤可織)
H20.06.24 転んでもタダでは… 四川大地震せき止め湖を観光地に
23日付新華社電によると、北川県の復興共産党工作委員会の副書記を兼任する中国共産党四川省綿陽市委員会の陳興春秘書長は同日、5月12日の四川大地震で発生した唐家山せき止め湖(地震湖)を観光スポットにする考えを明らかにした。
関連写真:そのほかの中国での地震に関する写真
陳秘書長によると、せき止め湖の科学的な開発は北川県全体の復興計画の中でも重要な位置を占める。観光スポットとしての利用も利用法のひとつだが、現場には大きな制約もあるため、具体的な開発計画の検討はこれからだ。
北川県の復興には巨額の資金が必要だ。行政に責任を持つ立場としては産業でも大きな打撃を受けた地元や地元住民の収入増も配慮せねばならず、観光スポットの建設は「利用できるものは利用する」現実的な発想によるものといえる。
また、大災害に心を痛めて義援金や救援物資を贈った人々などから「悲惨な災害を金儲けに利用か。道義的に問題がある」などの批判が出る可能性もある。
これまでのところ、北川県内では唐家山など、四川大地震で出現したせき止湖が計14カ所あるとみられている。
唐家山は一時、日本の黒部第四ダムの最大貯水量の2億立方メートルを上回る水が溜まり、崩壊の危険が高まったが、6月7日には「突貫工事」で作った排水路から水を流すことに成功。危険性は低下した。写真は6月7日に撮影。同日の排水量は少なかったが、9日ごろには大幅に増えた。(中国情報局ニュース編集担当:如月隼人)
H20.06.17 地震被災地の道路、8年後の全面復旧に尽力
交通運輸部はこのほど、被災地における道路復旧の初期計画を発表した。同計画では、8年間かけて被災地道路の技術・サービスの全面復旧とレベルアップに尽力すると同時に、被災地道路の抗災力と輸送保障力の格段の強化を図る方針が示されている。
 ●地質条件を重視、ルート補充と道路網充実に注力
交通運輸部担当者によると、今後は、地震多発地帯など複雑な地質構造を有する地域について、地質条件に対する考慮を過去にないレベルにまで引き上げるという。また、復旧方案を選択する際には、現有の地形・地質による崩れや破壊を可能な限り抑え、道路建設と今後の運営に対する信頼性・安全性を最大限高めると同時に、抗災力の向上に努める。
初期計画に示された具体的指針は次の通り。
 ▽災害後の道路復旧作業では被災地の地質環境の複雑性を、復旧方案・技術基準の選択では科学性および合理性を極めて重視し、山体の崩れを可能な限り軽減する。
 ▽復旧基準と技術プランの選択、特殊工事のプロセスにおいては、被災地の実情とを結びつけ、的確性を十分に考慮する。例えば、高震度地域にアーチ橋は適さない。
 ▽技術基準を合理的に把握し、環境条件と社会経済発展に適合しない高レベルの基準は避ける。
 このほか、被災地の複雑な地質状況により良く適応し、より長期間の耐久ニーズを満たし、道路網の安全を保証し、被災地の耐震力など突発的な重大自然災害時の交通保障力を強化する目的で、復旧再建計画では以下の具体的方針が示された。
 ▽ 一部の迂回ルートの補充を適宜考慮し、道路網をいっそう充実させる。
 ▽ 時機を見計らい、県間で遮断された道路区間および隣接した郷間で遮断された道路を復旧・開通する。
 ▽ 県城および郷・鎮の迂回ルートを増やし、地域道路網の機動性を向上させる。
(人民網日本語版)
H20.06.16 今後200年は大地震起きず、著名地質学者が断言―成都市
2008年6月15日、四川省成都市で「四川大地震と成都市、地質環境フォーラム」が開催された。席上、中国の著名な地質学者である、中国科学院の劉宝[王君](リウ・パオジュン)院士が「今後200年は成都市に大地震は起きない」と断言した。四川新聞網が伝えた。
劉院士によると、四川大地震はヒマラヤ山脈を隆起させたインド洋プレートと揚子江プレートの衝突に伴うもの。「衝突のエネルギーが長期にわたり蓄積されていたが、ついにプレート周縁の龍門山断層で解放された」ことが今回の地震の原因だという。今回エネルギーが解放されたことで200年間はマグニチュード8.0を超える大地震は起きないと劉院士は断言した。
また、同じ四川省内でもインド洋プレートと比べ、揚子江プレート側は地質が堅固であるため地震の揺れが少ないこともポイントとなる。「揚子江プレートはここ8億から9億年の間安定しており、地質は堅固な状態を保っている。そのため成都市は地震で揺れることがあっても壊滅的な被害を受けることはないだろう」と劉院士は指摘している。(Record China)
H20.06.12 最大のせき止め湖で決壊回避=水抜き「勝利宣言」、死傷者なし−四川大地震
中国・四川大地震で四川省北川県の唐家山にできた被災地最大の「せき止め湖」では10日、水の流れを止めている岩や漂流物の爆破処理などで流水量が急増し、水位は前日より約20メートル下がり、排水路と同じ高さになった。新華社電によると、劉奇葆・同省党委書記は「唐家山の決壊回避措置は決定的な勝利を収めた」と宣言した。せき止め湖から約30キロ下流の江油市香水郷では農地や道路などが水没。さらに約30キロ下流の綿陽市でも川が増水したが、大きな被害はなく、死傷者も報告されていない。夕方以降、流水量は減ってきている。綿陽市などではせき止め湖の土手が3分の1決壊した場合に備えて、約25万人が避難している。
せき止め湖の水位が排水路の高さと同じになると、上流から流れ込む水量と流れ出す水量が均衡。地質から分析しても決壊は起こりにくくなり、避難が必要な住民の数は最大の130万人から5万人に減るという。
最大のせき止め湖の危機は脱したが、新華社電によると、18カ所のせき止め湖でまだ危険が回避されていないとしている。
中国民政省の10日正午(日本時間同日午後1時)のまとめでは、地震の死者は6万9146人、行方不明者は1万7516人となった。
(時事通信)
H20.06.02 200キロにわたり断層動く、ずれ幅は4メートル超
5月31日、中国地震局の調査チームは四川大地震で200キロメートルを超える断層が動き、そのずれ幅は垂直方向、水平方向ともに平均4メートルを超えたことを明らかにした。写真はぶん川県市街地。
2008年5月31日、中国地震局の調査チームは四川大地震で200キロメートルを超える断層が動き、そのずれ幅は垂直方向、水平方向共に平均4メートルを超えたことを明らかにした。そのずれ幅は垂直方向、水平方向ともに平均4メートルを超えたことを明らかにした。新華社が伝えた。
四川大地震専門家委員会に所属する中国地震局地質研究所の張培震(ジャン・ペイジェン)所長は四川大地震は垂直方向、水平方向の2方向に断層が大きくずれた極めて珍しい地震であると発言した。地震により四川盆地の標高は低下、一方で龍門山及び重慶竹の標高は上昇したと見られている。
今回の調査は衛星利用測位システム(GPS)を利用した測量によるもの。今後、詳細な調査結果の報告が待たれる。
(中国地震局)
H20.05.27 断層2本が連動、計300キロずれ 四川大地震
中国・四川大地震では竜門山断層帯を構成する主要な3本の断層のうち、2本が連続して動いたことが26日、林愛明(りん・あいめい)・静岡大学教授(地震地質学)の現地調査の報告でわかった。ずれた断層の長さは計300キロ近くに達し、断層の直上の建造物はことごとく崩壊していたという。
 千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で報告した。
 林教授によると、竜門山断層帯は南西―北東方向に走る「灌口―安県断層」「北川―映秀断層」「茂ブン(ブンはさんずいに文)―ブン川断層」の3本が並ぶ。全体で長さ約500キロ、幅約30〜50キロの断層帯を形成している。
 地表に現れた断層の状況などから、今回の地震では初めに「灌口―安県断層」の一部が約100キロ、続いて「北川―映秀断層」の一部が200キロほど動いたとみられるという。断層の垂直方向の段差は灌口―安県断層沿いで最大約3メートル、北川―映秀断層沿いでは同約5メートルに達していた。
 また、北川―映秀断層の直上にある北川の町では、過去の地震でできたとみられる断層の跡が見つかり、この地域で地震が繰り返し起こっていたことが裏付けられた。ここでは鉄筋コンクリートの建物がことごとく倒壊しており、日本の震度で7程度の揺れがあったとみられるという。
 林教授は14日に現地入りし、約10日間調査した。その間も頻繁に地滑りが起こり、余震で建物が壊れてけが人がでるなどの二次災害も広がっているという。土砂ダムの決壊も心配されている。林教授は「断層の残りの部分が動くかも含め、今後も調査しないといけない」と話した。
(asahi.com)
H20.05.26 地質学者グループ、昨年7月に「四川強震」警告
国際地質学者らが中国四川省の大地震を予測し警告したものの、中国政府指導部がこれを無視していたことが明らかになったと、香港の英字新聞「サウスチャイナモーニングポスト」が25日付で報じた。
 同紙によると、成都理工大学の李勇教授を含む英国や米国、スイスの4ヵ国の学者6人が昨年7月、米国の地質学ジャーナルに、四川省の強震を予告する内容の論文を発表し、国際的な関心を集めた。
 李教授チームは同論文で、インドプレートがユーラシアプレートの一つであるチベット高原プレートを北西方向に押し続けており、その影響でチベット高原と四川盆地の出会う龍門山の断層地域で大地震が起きる可能性があると警告した。
 同研究チームは、「16世紀以来、数百年間蓄積されてきた同地域の地質層の力が、近いうちに噴出するだろう」と主張し、その根拠として1949年以後、龍門山周辺での地震波の活動が不規則に発生していることを示した。
 同チームは7年間の衛星写真の分析や現場調査を通じて、大規模な地震の予想地点や規模を具体的に示したものの、中国指導部はこの結果に関心を示さなかったと同紙は伝えた。
 しかし李教授は、「我々も地震の発生には確信を持っていたものの、こんなに早く起きるとは予想しなかった」と話した。
(東亜日報)
H20.05.24 地震波は地球を6周 四川大地震で東大研解析
四川大地震の地震波が地球を6周していたことが、東京大地震研究所の解析でわかった。国内の約70カ所にある防災科学技術研究所の広帯域地震観測網(F―net)がとらえた地震波形を調べた。
 東大地震研の大木聖子助教は、さまざまな周期の地震波を観測できるF―netのデータから、長い距離を伝わりやすい周期200〜330秒の地震波を取り出して、観測された回数を調べた。
 地震発生から約15分後に最初の地震波が届き、その後、3時間ごとに6回、18時間後までの地震波が観測されていた。地球を逆回りに回った地震波も6回確認できた。
 F―netは、発生するほとんどすべての
地震波を記録でき、観測データは地震発生のメカニズム解明などに使われている。大木助教は「今回の地震は震源が浅く規模が大きいため、何周も回るのがとらえられた」と話す。
 04年のスマトラ沖大地震では、同じ観測網で地球8周回目までの波形が観測された。四川大地震では、気象庁の精密地震観測室の地震計が地球を2周した地震波をとらえている。
(asahi.com)
H20.05.21 「死んだ断層」揺れた 主な活動は恐竜時代 四川大地震
中国・四川大地震を起こしたとみられる竜門山断層帯は長期間めだった活動がなく、「死んだ断層」と考えられていたことが、中国の過去の地層調査や歴史文献の記載などからわかった。専門家は「活動度が低くても大地震が起こりうるわけで、日本でも注意が必要だ」と指摘している。
 東京大の池田安隆准教授(変動地形学)が地震予知連絡会に報告した。
 それによると、竜門山断層帯が主に活動したのは2億年前〜6500万年前までで、ちょうど恐竜がいた時代。それが1千万年前以降は活動が低調で、地震で断層がずれた量を年平均に換算した「活動度」は垂直方向に年1ミリ以下。竜門山断層帯の西側にあり、頻繁に大地震を起こしている鮮水河断層帯の年10〜20ミリと比べ、10分の1以下だ。
 このため、専門家も「死んだ断層」と考え、注目していなかったという。
 中国地震局によると、文献などから、鮮水河断層帯ではマグニチュード7以上の地震が頻繁に起こっていることがわかっているが、竜門山断層帯の地震についてはこうした記録はない。池田さんは「三国志の時代(3世紀)から人口が多い地域なので、大地震があれば何らかの記録に残っているはずだ」と指摘する。
 日本の地震調査委員会が地震の発生確率や規模を調べているのは、約200万年前以降に活動した活断層。原子力発電所の設計で考慮する活断層も、12万〜13万年前以降に活動したものとされている。
 地震予知連の大竹政和会長は「ショッキングなデータだ。日本も、活動度が低い活断層だからといって安心していいわけではない」と話す。
(asahi.com)
H20.05.21 四川省の街のみこむ土砂崩れ、日本の衛星とらえる
四川大地震を受けて、被災状況を把握するための緊急観測を行っている日本の地球観測衛星「だいち」が、土砂崩れによって変わり果てた街の様子をとらえた。宇宙航空研究開発機構が19日、画像をホームページ http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/gallery/jnew_arr.htmに掲載した。  
 現場は震源に近い四川省の北川県。地震発生後の5月18日に得られた「だいち」の光学センサー画像を、被災前の07年3月の画像(いずれも1キロ四方)と比較した。西側から押し寄せた土砂が街を覆うように広がっている様子が分かる。
(asahi.com)
H20.05.19 土石流で200人以上生き埋めか 道路復旧作業中
中国の新華社通信は19日、同日までの3日間で四川大地震で道路の復旧に当たっていた200人以上が土石流にのみ込まれたと伝えた。2台の重機と6台の車も巻き込まれた。作業員らの生死は不明。中国政府の交通運輸省当局者が同通信に語った。AP通信は、四川省当局者の話として、震源に近いブン川(ぶんせん)=ブンはさんずいに文=県の映秀地区などで土石流の被害があったことを認めた。
 また同通信によると、地震による死者と行方不明、生き埋めになった人が合わせて7万1千人を超えたと伝えた。四川省当局者が同通信に語った。
(asahi.com)
H20.05.19 四川大地震は「M8.0」 中国地震局が修正
新華社通信によると、中国地震局は18日、四川大地震の規模について、当初に発表したマグニチュード(M)7.8からM8.0に上方修正した。(asahi.com)
H20.05.18 四川大地震の断層、地表に到達 現地で静岡大教授確認
中国の四川大地震を起こしたと見られる断層が、地表まで達していることが17日、日本活断層学会に入った情報で分かった。段差は、震源と見られる竜門山(ロンメンシャン)断層帯に沿って見つかり、最大約3メートルの段差が確認された。14日から現地で調査中の林愛明(りん・あいめい)・静岡大学教授が報告してきた。
 同学会に入った報告によると、地表に現れた断層は震源とみられる竜門山断層帯に沿っていて、南西から北東方向に走り、北西の方向に傾いている。ずれた断層が片方の上に乗り上げる形の逆断層で、最大で垂直方向に約3メートルずれていた。地震を起こした断層は、これまでの解析で約30度斜めに傾いているとみられることから、滑った長さは最大で6メートルに達するとみられる。
 95年の阪神大震災では、地表面で断層が垂直方向に約1.2メートルずれていたことが確認されている。
 日本活断層学会の岡田篤正会長は「地震の本質に迫るためには、非常に貴重な第一報だ」と話す。竜門山断層帯は、四川盆地と高い山地の境界部分に位置しており、岡田会長は「歴史的に地震が繰り返され、こうした地形が出来たのだろう。周辺ではここ数百年ほど大きな地震はなく、山すそは人が住みやすい場所だが、ひずみがたまっていたとみられる」と述べた。
(asahi.com)
H20.05.17 四川大地震、断層のずれは最大13メートル
中国・四川省大地震を引き起こした断層は、震源から北東50キロ・メートル周辺の四川省ブン川(せん)県山岳部付近で最大約13メートルずれ、強い地震動をもたらしたと見られることが、東京大地震研究所による地震波の解析でわかった。(「ブン」はサンズイに「文」)
 同県周辺の被災状況はまだよくわかっていないが、揺れや土砂災害で甚大な被害になった恐れがある。
 今回の地震断層は、長さ約300キロ・メートルと見られる。同研究所の引間和人・特任研究員は、世界各国で観測された地震波の記録から、この断層が形成された過程を解析。震源から始まった岩盤の破壊は北東方向に進み、40〜60キロ先のブン川県の高地付近で、断層のずれが最も大きかった。阪神大震災での断層のずれは最大約2メートルだった。
 米地質調査所の解析でも、最もずれたのは震源から北東約50キロ・メートル付近で、最大9メートルとしている。
 地震を起こす断層は、地下の岩盤を破壊しながら進む。断層の破壊はどこでも同じように起こるわけではなく、岩盤の強度や、たまっているひずみのエネルギーの違いなどによって、断層のずれる量は異なる。
 特に大きくずれた領域は、強い地震動をもたらす地震波を出す。一気にずれることで、大きなひずみのエネルギーが解放されるためと見られる。京都大防災研究所の福岡浩・准教授によると、付近は背後に2000〜3000メートル級の山が迫り、土砂災害が多発している可能性がある。
(Yomiuri.On-line)
H20.05.15 四川大地震、断層のズレ250キロ、破壊力「阪神」の30倍
中国・四川省の地震を引き起こした断層について、長さ約250キロにわたる断層が2段階にわけて動いたとする分析結果を筑波大の八木勇治准教授らが13日まとめた。
 大きな断層のずれが相次いだことで、広い範囲に記録的な揺れを引き起こしたとみられている。
 今回の地震は、四川省を北東−南西方向に走る断層帯(竜門山断層)の一部が動いて起きたとみられている。八木准教授の分析では、まず長さ約100キロ、幅約30キロの断層が最大で約7メートルずれ、続いて、その北東側で長さ約150キロ、幅約30キロの断層が4メートルずれた。阪神大震災を起こした断層は長さ約40キロで、今回はその6倍強になる。
 地震開始から約50秒かけて最初の断層が動き、10秒後に2番目の断層が約60秒かけて動き、揺れは約2分間続いた可能性がある。
 地表近くで最も大きくずれたため、被害の拡大につながった可能性があるという。震源近くでは地表に約7メートルの段差が現れているとみられる。地震の規模を示すマグニチュードは7・9で、その破壊力は、阪神大震災の30倍にもなるという。
 米地質調査所は、地震を引き起こした断層の規模を長さ約200キロ、幅約20キロと見積もっている。ずれが進行した時間は約2分とみており、八木准教授の見解とも一致する。また、断層の中に「特にずれが大きい場所が2か所ある」としている。
(Yomiuri.On-line)
H20.05.15 均質な地殻、地震波1700km走る…上海でも「震度2」
中国・四川省で起きた地震で、北京や上海など震源から1500キロ・メートル以上離れた中国各地でも、日本の震度に換算すると2程度の揺れがあったことが、米地質調査所の推定で明らかになった。
 地球表面から深さ35キロ・メートルぐらいまでの浅い部分を、地震波が、まるで光ファイバーを伝わる光のように弱まらずに伝搬して、中国全土を揺らしたと見られる。
 米地質調査所は、インターネットを通じ「棚から物が落ちたか」「家具が滑ったか」などのアンケートを行い、結果をもとに各地の震度を推定している。
 その結果、震源から1500キロ・メートル離れた北京、1700キロ・メートルの上海のほか、震源から600キロ・メートルの西安など、全土で日本の震度で2〜3に相当する揺れがあった。
 遠くまで揺れが到達した理由について、京都大学防災研究所の岩田知孝教授(強震動地震学)は、地震波が、深さ0〜35キロの地殻内を、地殻外に漏れずに伝わる「Lg波」と呼ばれるタイプの地震波として伝わったためと説明している。
 中国大陸を覆う地殻は均質なため、そこで発生したLg波が、均質なガラスでできた光ファイバーが遠くに光を伝えるように、地震波のエネルギーをあまり弱めずに伝えたらしい。
 1995年の阪神大震災では、震源から500キロ・メートルほどの東京都では震度1まで弱まり、約1000キロ・メートル離れた北海道では揺れは観測されていない。
(Yomiuri.On-line)

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震度階級
気象庁震度階級
震度
階級
人間 屋内の状況 屋外の状況
0 人は揺れを感じない。    
1 屋内にいる人の一部がわずかな揺れを感じる。    
2 屋内にいる人の多くが揺れを感じる。眠っている人の一部が目を覚ます。 電灯などのつり下げ物がわずかに揺れる。  
3 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 棚にある食器類が音を立てることがある。 電線が少し揺れる。
4 かなりの恐怖感があり、一部の人は身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが目を覚ます。 つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が倒れることがある。 電線が大きく揺れる。歩いている人も揺れを感じる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
5 弱 多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は行動に支障を感じる。 つり下げ物は激しく揺れ、棚の食器類、書棚の本が落ちることがある。家具が移動することがある。 窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。
5 強 非常な恐怖を感じる。多くの人が行動に支障を感じる。 棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。一部の戸が外れる。 補強されていないブロック塀の多くが崩れ、据付が不十分な自動販売機が倒れることがある。多くの墓石が倒れる。自動車の運転は困難となり、停車する車が多い。
6 弱 立っていることが困難になる。 固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。開かなくなるドアが多い。 かなりの建物で壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。
6 強 立っていることができず、はわないと動くことができない。 固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。戸がはずれて飛ぶことがある。 多くの建物で壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀がほとんど崩れる。
7 揺れにほんろうされ、自分の意思で行動できない。 ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。 ほとんどの建物の壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。
 

マグニチュード
 地震の強さの単位としてよく使われるのが、「震度」 と 「マグニチュード」 です。震度は、任意の場所における揺れの強さのことで、マグニチュードは、地震そのものが持つエネルギーの大きさです。
 マグニチュードは、1935年に、アメリカのリヒターによって考案されたもので、震央から100km 離れた地点のある特定の震度計で計り、その最大の振れ幅 (単位:マイクロメートル) の常用対数をとったものとされます。対数ですから、振れ幅が 10倍になるごとに、マグニチュードは、1.0 増えます。地震が持つエネルギーは、マグニチュードが 1 増えると、約 32倍になると考えられています。

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