![]() |
|
|||||
![]() |
これまでに人工知能の技術的な事柄を紹介してきましたが、今回は技術的なお話ではなく、人工知能を活用する業務の発注状況についてお伝えしようと思います。
土木分野においても人工知能を活用する研究が民間企業、学術機関や研究機関で盛んに行われています。例えば、コンクリート画像からのひび割れ自動検出や打音検査の危険度分類などがあります。
現状として人工知能の活用は研究段階ですが、国や自治体からの人工知能を活用する業務はどの程度あるのでしょう?
そこで、入札ウォッチネットで人工知能を活用する業務を調査してみました。

調査は、過去6ヶ月間を対象として「人工知能」と「深層学習」で全文検索を行いました。深層学習とは巷で話題のディープラーニングの和訳です。
この2つのキーワードで検索した結果、3件の業務が見つかりました。これらの業務の詳細を見てみましょう。
平成29年度AIを用いた河川の水位流量予測検討業務(国土交通省九州地方整備局)業務内容:高密度水位計を用いた AI による水位予測、AI を用いたダム流入量の予測
業務の目的に検証と記載されているため実用化できるのかを確認するための実験的なものと考えられます。これまでに観測した水位・流量のデータと気象データを人工知能で学習させることで、現在の気象状況から後の水位流量を予測できそうです。比較的小規模な河川が対象であるため、学習に用いる各データ量が気になるところですが、このような予測は人工知能に向いています。
ICTを活用した効率的な管理・運営に関する調査委託(東京都下水道局)
この業務は情報が少ないため、どのように人工知能を活用するのかは予想できません。しかしながら、水処理において人工知能を活用する事柄として薬剤注入、故障予知や状況に応じた自動制御などが考えられます。
土砂災害発生予測における素因特性分類業務(国土技術政策総合研究所)
これは分類を得意とする深層学習(ディープラーニング)を活用する業務です。深層学習は画像分類で大きな成果をもたらしました。この成果を参考に、この業務は過去に土砂災害が発生した地域と似たような地域をピックアップするものだと考えられます。また、分類だけでなく、分類基準の分析も含まれています。学習後の分類(推論)において、どのように分類されたのかを知るためには深層学習に関する高度な専門知識が必要となります。
今回は人工知能を活用する業務を紹介させて頂きました。まだまだ研究段階であるため、現状としては発注数は少ないです。しかしながら、研究が進むことで様々な知見が得られ、人工知能を現実的にどのように利用したらいいのかが明確になってくると思います。2017年8月には、土木学会が「国土・土木とAI懇談会」[1]を開きました。このように、土木分野においても人工知能への期待が高まっているため、もう少し先だと思われますが、人工知能が実業務で活用される時代が来るはずです。
[1] 土木学会、「国土・土木と AI 懇談会」、http://committees.jsce.or.jp/cprcenter/system/files/20170724-NewsRelease-JSCE-0.pdf

